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2016年10月10日 (月)

ノーベル賞の大隅先生は科研費を18億円もらっていた

「私の研究は科研費に支えられた 総額18億円 大隅氏ノーベル賞に結実」の記事を 16.10.10付の弊紙、科学技術・大学面に掲載しました。私がこのところ強力に力を入れてガンガン書いている科研費の切り口です。「基礎研究が大事」と強調する大隅先生に合わせ、メディアはこぞって「応用目的の研究ばかりに引っ張られてはだめ」という内容を書いています。うちは違う、とはいいません、弊紙もそう書いています。ですので、この情報を耳にした時、けっこう迷いました。「大隅先生は科研費で18億円もゲットしているの? もらいすぎじゃない? 基礎研究で地味でコツコツと、報われなくてもめげない大隅先生、って世間は思っているのに」というのが第一印象でした。

で、仲間に「この話、どう思う?」って聞いちゃいました。そうしたら「いいんじゃないですか。事実として関心の高い情報だと思いますよ」といわれて。「そうか。メディアは客観報道、だもんね。18億円を批判も擁護もしないで、まずは表に出してみよう」って、取材した次第です。

出稿後、「読売が大隅先生とひっかけて、科研費について書いているけど、その話とは違うの」との問い合わせがありました。「読売さんが書いているのは、挑戦的研究の新種目がスタートする、という話でしょう。それ、8月に私、一面トップで書きましたよ」と軽くかわした私(笑)。科研費は大隅先生の研究のような基礎を応援している、そこで挑戦的研究の改革がちょうど進んでいる、というだけですからね。私の方は大隅先生の35年間の各年度の科研費金額の棒グラフをばばーんと入れて、掲載といたしました。
 
なぜそんなに高額になったかという理由の一つが、科研費最大の種目「特別推進研究(特推、とくすい)を3回、採択されているからです。年約1億円に相当し、これを10数年にわたって確保でき、博士研究員(ポスドク)雇用などで研究を大きく進められたのです。すごいですねえ。そしてこのとくすい、実は進行中の科研費改革の議論で「著名研究者が何度も採択され、その分、ほかの人が採択されないのはいかがなものか」となり、「採択は1回だけ」と変更が固まっているのです。大隅先生の3回採択も批判の的だった、といえなくもない。けど、そうは書いていません。一人一回限り、という変更に対して、「『研究者の一世一代の挑戦を支援する』(文科省)ものとして、次のノーベル賞候補者の飛躍を後押しする」と、記事をまとめました。なかなかいい書きようではないでしょう?

この日の紙面は、7日にあった東工大の新研究院のシンポジウムで、ノーベル賞の今回の受賞者の大隅先生、以前の受賞者・白川先生、候補といわれる細野先生と三島学長が並んだ写真入り記事が入っています。その下にはたまたま(と思うけれど)、同じ日の昼に文科省記者クラブで会見をした細野秀雄先生の技術開発ニュースも入っています。関連のものを集めて見栄えのある紙面に仕上がりました。

ノーベル賞日本人受賞では毎回、なるべく他メディアで出ていない視点で私は解説記事を書くようにしています。青色LEDの時はJSTの支援で特許、技術移転対価がどんなふうになっているのかを、いち早く、メディアの中でもっともはやく記事にしました。昨年は大村先生が山梨大、梶田先生が埼玉大の出身者だったことから、大学改革と地方国立大の人材育成(研究、ではないのがポイント)の意義を書きました。さて今年はどうしよう! と思っていただけに、この仕上がりはうれしいもの。おかげでノーベル賞で疲れた日々の後にくる3連休、これをシアワセな気分で過ごすことができました~。

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