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2016年11月 5日 (土)

知ってそうで知らないJST

科学技術振興機構(JST)は、大学や研究機関の人にはよく知られた文部科学省所管の法人です。でも、知ってそうで知らないことが結構あるのではないでしょうか。私もそういう状態でした。2016.10.31付で「JST20周年 ノーベル賞受賞者の研究支援 実用化へ産学連携拡大」で、そういったトレビア(?)をまとめて書きました。

例えば、JSTは研究費配分機関(ファンディング・エージェンシー)という性格を持っていて、その点は科学研究費助成事業(科研費)を担当する日本学術振興会(JSPS)と同じ立場です。ところが、戦略的な研究遂行の主体として、成果最大化を使命とする「国立研究開発法人」となってもいます。この点では理化学研究所などと同じタイプの法人で、JSPSとは別のタイプの法人となっています。

記事には書いていませんが、少し前にロイター通信が選出した「Top25 グローバル・イノベーター 国立研究機関」というランキングで、「JSTが世界第3位、日本では第1位」に輝いています。まあ、輝いていますといってもあまりメディアに取り上げられていないんですけれど。このランキングのその他の日本の研究機関は、産業技術総合研究所が7位、理研が13位で、JSTが圧勝です。JSTは研究機関なのですね~。

「えーと、JSTは市ヶ谷に東京本部がある(本当の本部は埼玉です。これもトレビア)けど、研究所はないんだよね?」って思いますよね。そうです、研究施設も研究者も独自には抱えていません。ですが、全国の大学・研究機関の研究者を、各種の支援事業や調査研究などによりネットワーク化していて、それがJSTの力そのものになっている。よって「ネットワーク型研究所」と称しています。「なんだ、それ?」って感じがしないでもありませんが(笑)、仕組みとしてはそうなっているんですね。こんな変わった立ち位置はJSTだけなのです。

それから、JSTの予算は、ERATO(エラトー)、CREST(クレスト)、さきがけの3兄弟(重みを考えると、それぞれ10歳違いの兄弟って感じかな)と、数年前から走り出したACCEL(アクセル)の「戦略的創造研究推進事業」が、半分を占めています。そうなんだ~、そんなに大きいんだ、と私は今回、初めて知りました。それから産学連携事業ですが、こちらは2割。「3兄弟+に比べるとたいしたことないんだな」というのも意外でした。という感じで今回、取材と記事執筆で私自身、知ってるフリして知らなかったJSTの復習をしちゃった、という形になりました。

それから11.1付に、社説「JST20周年 『おもしろくて役に立つ』研究を支援」を載せました。科研費は研究者にとっての「おもしろい研究」を、産学共同研究は企業にとって利益を期待する「役に立つ研究」をそれぞれ、支援します。これに対し、「JSTは間に位置して、両方を追求する」と書きました。もうちょっと説明すると、JSTの3兄弟+(なんか気に入ってしまった、この表現)は「目的基礎研究」といったりします。政府の方針に沿う目的を持ちながらの、基礎研究です。ちなみにノーベル賞受賞が決まった大隅先生のオートファジー研究は、研究者の自由な発想に基づく「学術基礎研究」です。のでJSTの支援は受けていません。JSPSの科研費一筋、であることは少し前のブログで出てきましたね(と、講義をする先生のような口ぶりです)。

ちなみに、この「おもしろいか、役に立つか」は皆さん、ご存じですね?(と、先生の口ぶりが続きます)。「価値のある情報は、おもしろいか役に立つか」。山本佳世子著の「研究費が増やせるメディア活用術」にも載っています。知らない方は即、この本をチェックしましょう。と、さりげない(?)PRでもって、締めです。「では本日の授業はこれで終わりにします。お疲れ様でした!」。

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