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2016年12月27日 (火)

概算にあった産学連携支援が霧散して

「レクでの質問の声、いつもと違ってましたね」と同僚にいわれちゃいました。2017年度予算案の文科省レクの後です。概算で示されていたある新規事業の要求が、霧散していたからです。内容は、国立大学向けで、産学共創(連携)の体制整備に向けて、企画提案を企業にできる大学の専門人材雇用の70億円でした。

概算の要求は通っても半分というケースも含め、要求時より削られるのが普通であって、案件そのものが消えてしまうのは、そう珍しいことではありません。でも、この案件は記事(2016.9.29付)で書き込んでいたものなのです。産学連携の専門人材の雇用は、5年間のプロジェクト予算からの有期雇用が多く、不安定な身分に泣いている若い人が多かった。だけど官民連携のアベノミクスで、産業界から共同研究費などがっつり確保しようという国の動き(企業から大学などへの投資を3倍にする)の下、安定的な交付金でその専門人材を手当したい、という概算プランが出てきた。産学連携の関係者が「わあっ!」と思うのは当然といえましょう。

それだけに、配布資料を目にして「何よこれ!」とややエキサイトしてしまったわけです。それでも最初は、レクでの質問は控えようと思ったんですよ。消えていった案件については普通、記事にもされないですし。でも質問が一段落した時に、まだ思いが去らなかったので、挙手しました。で、つい、「イノベーションに向けて官民挙げて動き出すタイミングに…70億円がまったくなくなったのはどういう背景ですか!!」と。いえ、自分では「!!」がついていない言い方のつもりだったのですが、同僚には「!!」が伝わったくらいの言い方だったようです。

会計課の返答は「産学連携は大学自らがするもので、新たな予算措置はそぐわないという声が強かった。各大学が運営費交付金の中から手当てして実態として取り組むのはよいが、特別に予算を付けるのは…」というものでした。その後、国立大学法人支援課にさらに聞いたところ、「運営費交付金の(用途指定となる)内訳としては、国立大の機能強化や、授業料減免の方にニーズが高い。プライオリティーの点で産学連携は低かったため、落ちてしまった」ということのようです。

まあ、よく考えてみると、難しかったのは致し方ない面もあります。国立大の基盤的経費(運営費交付金など)は前年度比プラスとなりました。でもこれも「基盤的経費とひっくるめていえば」というのが実態です。内訳でみると「運営費交付金といったって、3類型をはじめ競争的色彩がより濃厚になった。強い大学はプラス、弱い大学の実態はマイナス」ということが読み取れる状態です。よって、産学連携の専門人材の恒久的な雇用費をそこから出すというのは…ねえ。やっぱり無理だったかなあ。

というわけで、がっかりした皆様。今できる次の思案に進みましょう。2016.12.15付の「政府 産学共同研究でガイドライン 教員人事・給与改革 企業資金活用で解決」は、大いにヒントになると思います。それから文科省事業のCOIも、中間評価が終わったところで、参考になる案件が明らかになって参りました。本日12.27付1面「”ワクワク感”数値に 広島大・マツダが技術」とか、12.8付1面「弘前大 生活習慣病・認知症・うつ病 半日で予兆発見」などを書きました。お正月企画も楽しみにしてください。自らの工夫に生かすために、他機関の案件、私の記事をどうぞ、ご活用くださいませ。

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