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2020年6月 4日 (木)

メディア深掘り、優劣も見えるコロナ関連記事

こんなに多面的に、かつ深く考えるエポックは新型コロナウイルス感染症対応が初めてかもしれません。オンライン授業や9月入学という自分の担当のテーマでは、割合と早く社説や論説コラムでいい視点が示せて、その後に他メディアでも同様の話が出てきたものだから、「一般紙と戦っても私、けっこうやるじゃん」とちょっと嬉しく思いました。長年の大学担当に加えて、非常勤講師や博士号の経験をしてきたことが生きているなと振り返ります。新聞記事や専門家発言などから動向を知る~自分であれこれ考える~取材で当事者から話を聞く~という大きく三つでしょうか、この活動がいつも以上にない交ぜになって進みます。そうだなあ、研究開発とイノベーションでいわれる、「基礎、応用、開発研究の一方向ではなく、行ったり来たりして刺激合う流れ」が、一人でできるレベルになってきたんだな、とややエラそうですが(笑)、自負を持ちました。さらに本業テーマだけでなく、遠隔勤務の働き方や仕事の評価、格差社会、介護、流通サービスのビジネスなど、コロナはあらゆるテーマをいつもより深く考える機会を与えています。

他メディア、つまり同業他社のホメはあまりしないものだと思いますが、今日の朝日新聞のインタビューはすばらしかったですね。英オックスフォード大教授の苅谷剛彦さん。9月入学の政府議論のさなか、社会の負担など関連する予想数値の分析研究をスピーディーにして、社会発信したリーダーです。論文なんか待っていられない社会状況、でも政府の分析だけでなくて大学などの研究者(本人は記事で、民間、という表現をしていました)が、専門知を生かしてばばっと動いた、という今回の話を解説してくれています。内容も、そしてこういう記事にしようと考えたメディアもすばらしいです。論説懇談会で一緒になる氏岡真弓さん(今はたぶん年長になったことから、編集委員)らの署名です。

この内容、私は人文・社会科学の研究者と、関連する人々すべてに読んでもらいたいと思いました。「10年1日のごとく」の研究者ばかりでは、国民は「研究者も大学も、もっと減らしていいんじゃない」と思ってしまう。コロナでますます国の資金が大変になるわけですし。けれど、今回のような動きで専門家の存在意義が実感されれば、「そうか、いろいろな分野に研究者を配置しておくことが、何かあったときの社会の力になるんだな」と前向きに理解してくれるでしょうから。文系研究者の意識改革のきっかけとしても、秀逸だろうと感じました。

一方、少し前の大メディアの論説トップの記事。コロナで変わる社会のことを取り上げたのだけど総花的で、「この社の論説トップでこの程度のことしかいえないの? これくらいは分かっているっていう読者も、けっこういるんじゃない」というのが感想でした。ひゃああ、立場を逆に想像すると、こんな感想を持たれるなんて怖いことです。たまたま私は今回、いいタイミングで書けた記事がある(数歩先、という距離感だったため、ウェブでの反応も高かった)けど、いつもこうとはいきません…。コロナ関連は社会の皆が、いろいろな切り口でSNSなどで発信しているのだから、その中で大手メディアがたいしたことのない発信をすると、みっともないんだな…。他山の石として、鍛錬に励むことにいたします。

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