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2006年9月

2006年9月29日 (金)

第一回モノづくり連携大賞決定!

日刊工業新聞社が創設した、第一回モノづくり連携大賞が発表されました! 産学官連携の【仕組みで工夫をしている活動】に注目する賞です。内閣府の産学官連携功労者表彰は官庁推薦の大きな成功例で個人が対象ですが、こちらは自薦が基本で特色ある中小規模の取り組みもOK、グループが対象というものです。私は企画段階から深くかかわっており、弊社がこのような賞を創設でき、105件もの応募をいただいき、9件のすばらしい受賞案件を選べたことをうれしく思っています。

当初は、大規模大学と大手企業という組み合わせが多いのでは、と思ったのですが、実際は地方大学と中小企業というグループが多く、「中小企業、技術、モノづくり」をキーワードとする弊社としてはぴったりの賞になりました。また、国の助成は多数あり似たものもあるため、「本当に税金を有効活用しているのかな〜」と思っていた面があるのですが、応募案件を見ると、「この助成があったからここまでできた」というケースが多く、実効を感じました。

贈賞式とセミナー「産学官連携による知の実用化を目指して」は、10月11日から弊社が主催する展示会、産学官技術交流フェアの初日に行います。11日の午後は、大賞など3賞の受賞者が講演します。そのあとのパネルディスカッション(私が司会です)では、受賞9件における連携人材、つまりコーディネーターの活躍について取り上げます。どちらも、実務担当者には大いに参考になるはず。産学官連携のイベントはちょっとマンネリ化している面がありますが、今回は違うゾ! と張り切って準備をしています。このフェアにいらしたことがない方も、ぜひこのチャンスにいらしてください。

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2006年9月22日 (金)

シンポ掲載希望の相手とのズレ

取材時に、取材先との意識のズレが明らかになることが時々ありますが、たいていは解決できるものです。困るのは「シンポジウムを取材して、記事で紹介をしてほしい」というケースです。先日も一つありました。

大きなシンポジウムは、大学など主催者にとって大事なイベント。それが記事になれば、シンポ開催で社会発信に務めていることがPRできます。助成資金の出所官庁に対しても胸が張れる。大学幹部にしても、マスコミの取材はまんざらではないし、学長コメントなど入るとかっこいい。だから、希望するのはよく分かります。でも新聞社としてはですね…。

「こんなシンポジウムが開かれました」という記事は、特別にそのテーマが話題になっている時でないと難しいのです。例えば、早大の研究費不正受給が騒がれている時に、研究不正のシンポが行われた場合、などです。これなら多くの読者が興味を持つからです。でも、プロジェクトの中間報告といった程度では、「数限りなく開催されているシンポジウムの中で、なぜこれが取り上げられるの?」と社内でも、読者にも、問われます。裏を返せば、そういう記事は読者の興味を引かないということです。専門雑誌の編集でしたら、読者分野が特定されていますから、シンポ紹介でも読まれるのでしょうけれど…。あとは、マスコミ自身が共催者だとかからみがある場合です。日刊工業新聞の場合、シンポ開催のお知らせマメ記事を載せて、あとはご興味のある方が参加してください、と促す形で終わるのが一般的なのです。

一方、記者としてうれしいのは、新しい動きがあって、それをまずニュース記事で紹介し、その後にシンポ開催をお知らせするパターンです。または、シンポの内容を盛り込んで、ニュース記事を書くことです。新聞ですので、新しい話が(読者が、おっ、と思うような)ニュースが第一なのです。広報活動に慣れていない皆様、その辺を考慮してぜひ上手な売り込みをしてください。

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2006年9月15日 (金)

展示会での問い合わせリアクション

13水〜15金の産学官連携の展示会、イノベーション・ジャパンに顔を出してきました。昨年は、なじみの薄い大学の知財本部ブースを回ってネタ探し。展示内容から「これはどんなものですか?」と聞き、産学連携手法をその場で聞いてしまう、という取材を何件かしました。今回は時間の余裕が少なかったので、事前にあったネタ資料で絞り込んで回りました。
 
 そこで感心した某大規模地方大学のケースです。初日に「この資料に関心を持ったのですが、ご担当の方がいらっしゃるようでしたら取材を希望しています」とアタック。「これはあさってこちらにくるA氏の担当だと思う」とのリアクションでしたが、A氏に連絡をとっていただいたところ、別の担当だと判明。留守番にあたる大学の知財本部メンバーが間に立ってくれて、「医学部のB氏とC氏が取材対応可とのこと。候補の日時はこれとこれで」との答えが、なんと翌日にあったのです。それを社の支局担当者に回し、記者のOKまでその日中に得られました。

 対応が早いですよね! 感激しました。以前、企業担当をしていた時、「(企業の)広報が有能かどうかは、まず対応の早さで分かる」と先輩記者に言われたものです。この大学の産学連携は評判が高い方だと理解していますが、実際にやりとりしている企業人に話すチャンスがあれば、この話を持ち出して聞いてみたいです。工学部に比べ医学部は高飛車な人も少なくないので、その驚きもありました。よい記事になれば、と期待しています。

 実はこの展示会は日刊工業新聞のライバル社が運営しています。ので、あまり誉めるわけにはいかないのですが、規模も大きいし定着していますよね〜。でも、ここには大学、企業いずれも「あなたのライバル機関も同じように来ていますよ」。ですから、「ライバルに差を付けるためには、日刊工業が10月11日から東京ビッグサイトで開催する【産学官技術交流フェア】へ」とPRしちゃいます。これについてはまたご説明します。

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2006年9月 8日 (金)

文科省概算ネタ取材

8月末は、来年度予算の文部科学省の概算要求で3件、7月上旬の1件を合わせると合計4件のニュースを載せられました! うち1面トップが二つ、1面柱が一つ、科学技術面で後版から急いで突っ込んだのが一つ。文科省ネタでの取材合戦に正面から参加し、一般紙を気にしながら、これだけできたのは初めてです。ヒントを元に訪問した部署がはずれだった場合も、「これはあの課の○氏が担当」ときちんと誘導してもらえたし、忙しい局長には朝から何度も秘書に電話を入れて「とにかくお待ちしています」と粘った結果、17時に「今からどうぞ」と応答してもらえたり。今年は政府の経済成長戦略大綱のためか、多めの要求が可能で早めに案が固まった様子。そのため担当者は夏休み中…というのもありました。あれこれ急ぎつつ機転を効かせて、フル回転でした。
 さらに、文科省全体の概算の会見のあと、日刊工業新聞の大学・産学連携面にまとめ掲載を考えました。ここでちょっとデスクと意見が食い違い。私はこの紙面なら「産学連携に絞った新事業のみで」と思ったのですが、デスクは「大学関係では、COEが大きいでしょ? 2種類のCOEがあるみたいで分からないし」とのこと。「COEは大学単独の研究の話だから、この記事にはなじまない」という私とで押し問答に。今の私とデスクの間では珍しいことでした。
 でも、途中で思ったのです。「読み手からすると、どうなのかな?」と。読み手にすれば、産学連携ではないとしてもCOEの話は興味があるはず。それなら、私のこだわりは意味がないかな、と思えて。そう判断して、「大学関連施策」という切り口で、9月1日付の記事が仕上がりました。

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