2006年10月30日 (月)
「イノベーション25」を中心に内閣府の科学技術関係の仕事をカバーすることになり、30(月)付一面に黒川内閣特別顧問のインタビューを載せました。社内の人事異動で部が減員状態になったのに対し、別の技術担当記者にまかせる案もあったけれど、イノベーションという話を聞いて「私がやるべきだな」と思ったのです。
今年度に文科省で始まった「先端融合イノベーションセンター事業」を、前年の6月に1面トップで抜いて、イノベーションと大学の役割について興味を持っていたのが大きいかな。確かに、週2回の閣議後の大臣会見(早いときは朝8時半くらいから)が負担だなあ、とは思った。けれど、内閣府ってよく知らなかったし、文科省でもメーンは別の担当がしていて、「もう少し政・官の勉強をしてもいいのでは」という気持ちがあったんです。高市早苗科学技術・イノベーション担当大臣は話題が多そうで、私より少し年長という程度だから、その意味での関心もあったかな。
イノベーション(技術をはじめ、組織やサービスなど社会のあらゆる仕組みの革新)という考え方は海外からの【導入】で、ある大学の産学官連携の先生は「日本もイノベーションをしなくては、と真似をする姿勢自体が、イノベーションに反している」といっていたのも、なるほどと思う。でも、日刊工業新聞としてはしっかり追っていきたいところ。大学・産学連携にかかわる人も、日々の実務とともに、こういった社会的な大きな流れにも通じていてほしいし。
イノベーション25の取りまとめをする黒川特別顧問のインタビュー記事で、言葉が先行していた状態に対し、「なるほど、これが日本で考えるべきイノベーションか」と読者にある程度、伝えられたのだとうれしい。ついでですが、私は未だに時々、デスクに「原稿のこの部分、意味が分からないよ」といわれるのですが、今回はデスクにも総合面の部長にもほとんど直されなかった、といううれしさもあったりして…。
私は黒川先生の生の声を聞いたのは今回が初めてだったけれど、話が明確でずばずばいうし、具体的でもあって、マスコミ人としてファンになったかな。大学についてもおもしろいことを話してくれたので、続編記事を書いて、それでも載せきれなかった黒川談話は後日、ブログで紹介します。
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2006年10月20日 (金)
少し前、文部科学省のレクである種の大学評価がありました。大事な取材が入っていて欠席したこと、一般紙さんは小さめに書くと予想されたこと、新しい評価ではなく毎年やっているものだったこと、他の仕事も立て込んでいたこと、などから、出稿をパスしました。レクは欠席しても電話取材して書くべきだったか、と少し後ろめたく思いつつ。そうしたら、一般紙に出たその日、ある大学からデスクに電話があって「日刊は書かないのか。書くならいつ載るのか」との問い合わせだ、とのこと。…まずい。デスクに黙ってパスしていたし。で、結局、数日後に、一般紙に比べて丁寧に(各大学の一覧表を入れて)掲載したのでした。
その後で、去年のスクラップを見てみると、意外にも日刊はよく書いているんですよ。もちろん、自分で書いたんですけど、毎年の発表ものだと、あまり記憶に残らなくて…。問い合わせをしてくれた読者は、もしかしたら、この年の評価対象者で、「よい評価をもらったから、去年みたいにきちんと書いてほしい」と思ったのかもしれない。期待している読者がいるのなら、その支持を大切にしなくては、と反省しました。
もう一つは、修士で卒業した大学から、「高校生向けのPR誌の、卒業生訪問コーナーに出て欲しい」と頼まれて取材を受け、記事になったこと。原稿を見せてくれたのですが(ちなみに、通常の新聞は基本的に、原稿を取材先に見せません)、「私はこんなこと言っていない」「これもニュアンスが違う」と大赤字を入れたくなってしまったのです。一人称で書かれていたからなおさらです。でも、相手もプロのライターさんですから、そんなことをしたら怒らせること間違いなし。ぐっとこらえたのでした。
私たちも同様の形の記事で、嫌な思いをけっこうさせているのかなあ。分かりやすく、と表現を変えることもあるけれど、なるべく実際の言葉通りに書くのが、相手に対する気遣いなんだな、と思ったのでした。
来週から、私が大学面掲載記事についての裏話を書いていくつもりです。そうでないとどうも、ブログが「反省記録」になりがちなので(笑)。
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2006年10月18日 (水)
17(火)から新連載「進む教育改革 文科省プログラム採択校にみる」を始めました。特色GP、現代GP、大学院イニシアチブと呼ばれる教育関係の助成事業の紹介記事です。第一回は、電気通信大の大学院版モノづくり教育です。でもね、確かに、「教育ものの連載は読まれないんじゃないの?」という気持ちも少々…。
大学面は火と金の週2で、その頭(トップともいいます。面の右上の大きい記事)は独自記事(発表モノは不可)をキープするというのがたいへんなのです。デスクが「次の、頭がないよ」といったら、大学・産学連携担当の私がなんとかしなくちゃいけない。支局からはたまに原稿が入る程度。ゆえに、このネタ確保が仕事の最優先事項なのです。先週だって、賞の仕事が終わったところで手持ちがついにゼロ! になり、「○○の件を取材させていただけませんか」とか、「あの話、そろそろ書けますか」とか、20通くらいのメールを出しまくったのですから。
そこで、連載ものが重要なのです。支局記者に執筆を割り当てるため、紙面の他のスペースの負担を分散させるという狙いです。これまでの連載は、どうしても首都圏大学に片寄りがあり、最後の方は毎週、私が書いている状況になって(「社会人向け大学院」とかそうだった)、苦しかったな〜。でも、GP関係なら採択事例は多いし全国に散らばっているし、と選んだのです。産学連携の人材育成策などを積極的に取り上げていくつもりです。文系大学の社会連携みたいな話も、ニュースだと難しくても、ここだと書けるかも。長く続けていけますように。
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2006年10月13日 (金)
モノづくり連携大賞のヤマ場、表彰式とセミナー(私の司会のパネルディスカッション付)が、弊社の展示会「産学官技術交流フェア」の中で開催され、無事、終了しました。来賓の挨拶も表面的なものはひとつもなく、中でも小宮山宏審査委員長(東大総長)のコメントときたら、小宮山先生ならではのもの(内容はブログではちょっと書けない…)で話題を呼びました。9つの受賞例の詳細は31日付で1ページ(下段の広告なしというボリューム)を使って書き込みますので、ご参考にしてください。今回、私はこの賞のアイデア段階から社内他部局メンバーと密接に協力し、プロジェクト型の仕事の、いつもと違う楽しさとたいへんさを初めて味わいました。
そもそも、記者というのは大きな案件以外は一匹狼で行動します。まだ駆け出し記者で、長かった科学技術担当から会社(化学業界)担当に替わって張り切っていた頃のこと。「優秀な先輩と組んであれこれ吸収していきたい」と口にして、先輩記者に「一人で考えて動く癖をつけないとだめだ。女性だから皆、親切にしてくれるから、なおさら気を付けないと」といわれたことがありました。それから、別の人には「変なヤツと組んだら悲惨だぞ。取材の成功も失敗も、一人で背負う方がよっぽどいい」とも…。あれから○年。産学連携担当になって7年目の今、「個の力を付けたうえで周囲と協調すると、こんなにも新しいアイデアが出て次の展開が図れるものか」と発見することになりました。
反面、この半年ほどはこの仕事にかなりのエネルギーを注いだため、ニュースの記事はそれなりの質であったものの、解説・分析記事のたぐいがほとんど手つかずになってしまいました。今回、会場でお会いした人に「記事、読んでいますよ」といわれると、うれしい(とくに初対面でいわれると感激です)と同時に、「署名が付く解説型の記事が最近は少ないから、このままでは忘れ去られてしまう…」というあせりも。読み応えのある記事を掲載すべく、またがんばっていきます!
ブログも初書き込みをいただいたり(ニックネームを見て、「だれだろう?」と
考えるのが楽しい)、「読んでいますよ」といわれたり。これからは内容に、もう少し辛口のものを入れようかと思案してもいます。業界紙の記者さんに「取材先が僕らと話したがるのは、自分たちのマズイ部分を外から指摘してもらいたい、というのがあるよ。あちこちの取材先のよい点、悪い点を知っているわけだから」といわれたからです。でも、私自身、【誉められると木に登って、さらに仕事に励むタイプ】。だからもちろん、その視点も忘れずに、ね。ブログの執筆頻度も週2回に増やそうと計画していますので、皆様、よろしくお願いします〜。
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2006年10月 6日 (金)
今日は普通の時系列記録の日記にします。
内閣府の高市早苗科学技術・イノベーション担当大臣の仕事もすることになってしまった。文科省はメーン担当が別にいて、私は官庁の突っ込んだところは取材してないコンプレックスがあったので、それを解消するいいチャンスだ、と考えます。それで今日は初めて国会へ! 閣議後の大臣会見は予想通り数分で終了、それより驚いたのは記者・カメラがあふれていること! 高市大臣の元に集まっただけで20人ほどですから、数百人が集まっていますよね〜。さらに廊下で政治家を何人か見かけて、なんだかミーハー気分。
9時半に文部科学省クラブに上がって、モノづくり連携大賞の表彰式関連の文章を執筆。パネルディスカッションで使うコーディネーターのコメント取りで、至急となっていた3件の電話取材が、無事に午前中にすんで一安心。しかし、内閣府から昨日の「イノベーション25特命室」の記事について、クレーム(私のミスではないのでけど)が入って、気分が△に。文科省とは違う仕組みを把握するため、後に丸善で本を買うことにする。コンビニ弁当を食べて本社へ。
13時から、社長応接室で「上京時にぜひ」とお願いしていた某地方国立大学長インタビュー。一次産業がメーンの地域ゆえ、「共同研究を地元関連企業が提案してくれたら、最大500万円までの研究費を大学が出す」という予想外の取り組みにびっくり。時間に余裕があったので通常記事をデスクのパソコンを借りて執筆。16時から研究費不正流用問題で早稲田大の最終報告会見(事情があって執筆はパス)。丸善で「めざせ公務員 省庁ガイド」を購入。
文科省の地下で夕食。記者クラブに戻ってブログなど。今日は台風接近で風雨が激しかったのに、3件も外へ出かけていった「がんばったで賞」だな、と思いつつ、そろそろ帰宅の算段です。
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