« 2006年10月 | トップページ | 2006年12月 »

2006年11月

2006年11月22日 (水)

慶応と共立薬科の合併で、一般紙がどーんと書いた後に

慶応大と共立薬科大の合併は、20月発売のサンデー毎日の抜きだそうで(雑誌というのが意外&すごい)、、リリースが午後に出て、夜に両大学の記者会見でした。一般紙は1面と2面連動など、21火付に大きくまとめていましたね。弊紙は締め切りが一般紙に比べてキビシイため、事実関係と会見コメントの記事を入れただけ。こういうケースが、一般紙との差が歴然として、一番辛いんですよね〜。

22水の最終面「視点」で、私が解説を書くことに。一般紙が書いていない視点は何か? 一般紙を読んだ後でも読んでもらえ、弊紙らしい切り口はどこか? と悩むのです。結局、着目したのは
○少子化と大学経営難の背景を一般紙は強調しているが、実は共立はその点は問題なし。「黒字経営で足元は問題ない時点で、将来へ向けた大きな決定を下すという、優れた企業と同様の経営選択を大学もする時代だ」という見方(ちょっとかっこよすぎ?)。
○薬剤師の研修で医学部・病院が必要だっただけでなく、薬学・理工学・医学の学際先端科学の研究と教育(研究者養成)で、両大学にプラスが見込めたこと、そういう幅広さが求められている時代だということ。
○国立大の薬学研究科教授のコメント。
○他の薬科単科大学で同様の合併希望が続々と出てくるのか? の見通し。

考えていたより時間的な余裕がなくて、久々にすごく集中して執筆するはめに。1時間半で、100行(記事の大きさで11?*30?)、署名でも恥ずかしくないレベル(単に100行を書き飛ばすのとは違う)でできたかな、と振り返りました。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年11月17日 (金)

科学技術ジャーナリストと組み込みソフト技術者のニーズ

早稲田大学の科学技術ジャーナリスト養成コースが主催した、NHK医療担当記者の講演会に、インターンシップ生を連れて参加してきました。睡眠数時間の日が続く大事件での仕事と、多大な時間と費用をかけて練り上げる特集の仕事と、そのギャップに改めて驚きました。半年近くかけることもあるというNHKスペシャルの質が高いのは当然だし、こういう話を聞けば知力も体力も自信があるアグレッシブな若い人が憧れるのも当然、かもしれません。でも、ジャーナリストって、日経BPさんみたいなところを除くとそんなに大勢、必要な職業ではないですからねえ…。

その点、10日付の大学面で私が書きました、組み込みソフトの技術者育成は、意味があると思いますよ〜。IT・ソフトは人材不足がずっといわれています。それもソフトウエアの会社じゃなくて、今は携帯電話や家電、自動車メーカーで、製品組み込み用のソフト人材を新たに必要としてきたわけだから、すごい数が求められているのでしょう。

音楽家など芸術系もそうですが、憧れる人が多いわりに、充実した生活に結びつく可能性が低い職業というのは難しいですね。夢を見て挫折して、それでも別な道で奮起できる人ばかりならいいけれど。その点、技術者というのは、ノーベル賞受賞者とか中村修二さんとか、憧れる対象もいて(少ないかな?)、だけど現実的なところでの職業も考えられる、というのでいいのではないかしらん。おっと、毎日新聞さんの「理系白書」みたいになってしまったかな…。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年11月10日 (金)

日本の科学技術力は低下しているか、と問われて

科学技術コミュニケーションの授業を本格スタートした東京工業大学(学部は他大学ですが、修士での出身校になります)のインターンシップ生(修士1年)を、3週間の研修予定で指導中です。東工大なので基本的には研究者に育っていく人材なのだけど、「研究成果がどう社会と結びついてるのか」「社会への発信では何に気を付けるべきか」などの力を身に付けさせようというものです。通常の紙面の執筆量は同じままなので負担は大きいですが、楽しいので、まあいいかナ、というのが個人的な感想です。
 
 今年の学生(昨年に続いて2回目)は、科学技術ジャーナリスト志望で、この分野についてよく勉強していて。打ち合わせにあらかじめ来た時は、「日本の科学技術力は低下しているといわれるが、本当か?」など質問4項目を携えてきましたもん。
私の答えは「かつての技術導入・すりあわせモノづくり力・均一で質のよい技術者という時代から、フロントランナー・異質な発想・組織からはみ出す変なヤツ、という時代に変わらなくては、という転換期にある。ので、科学技術力を高度成長期と成熟社会で比べるのはちょっと無理がある」というものでした。まあ、私の答えというより、取材先の言葉に感心して、自分の言葉のようなフリをしているという(マスコミ人に共通の姿勢)わけだけど。
 
 研修中の仕事ぶりは、1日3件、予定を入れて、歩きも早く学生さんは駆け足状態、お昼ごはんも3時にパンを急いで食べて、といつもより過剰な状態。「忙しくてデキるカッコイイ記者」のフリをしちゃう、というわけです。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年11月 8日 (水)

コーディネーター、転職のススメ

地方有力国立A大学で産学官連携を手掛ける若手コーディネーターに取材した時のこと。「今日は科学技術コミュニケーションのインターンシップ生(詳細は後日書きます)を連れてきました。修士1年生だけに、ポスドクから産学連携に入った方の活躍は刺激になるだろうと思ったので」というと、相手(親しい人でした)はいきなり、「どんどん転職した方がいいですよ」と、就職する前から転職のススメ、なのでした。 
 そのコーディネーターは技術系でB大学で学部、修士を経て、企業勤めも経験し、同じ地域のA大学で博士を取得。その後、A大学のTLO・知財本部でがんばっているのです。「うちは企業の研究職や、企業の知財本部担当などからの、転職組ばかりですよ」と説明。確かに、大学の知財関係はここ数年の立ち上がりで、「新卒でずっとそのままいます〜」なんていう人はいませんよね。

 私自身は、学生時代の研究職志望からは変わったものの、幸い、自分にぴったりの職業・職場であったので(まあ辛い時期もありましたが、それはどんな仕事でもあるということで)転職せずにすんでいます。でも、転身続きの彼は、それゆえに、「コーディネーターが天職(転職と同じ音ですネ)だ」と自信を持って言えるのです。彼のそれまでの経験がすべて自分の血肉になっているのだなあ、と思いました。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年11月 2日 (木)

トップインタビューが相次ぐ

このところ大学そのほかのトップインタビューが続きました。黒川内閣特別顧問のほか、工業所有権情報・研修館の理事長、プラスチックCAEベンチャーの社長、地方大学3学長などが2週間の間に集中しました。多くはインタビュー形の記事になり署名も入るので、「署名記事が少なくて読者にPRしないなあ」と前にいっていたのが、逆転の状況に。無理矢理に増やしたわけではないのですが…。署名記事にしろこのこのブログにしろ、「名前が出る」と思うと、通常より執筆時の緊張度が上がりますねえ。

 地方3国立大学はいずれも学長が医学部出身でした。地方にとって、大学病院があることがすごく大切で、そこの出身者は地元の名士なんだろうなあ。医者と教員(大学以外)の養成校などが統合してできた地方国立大が多く、だからキャンパスが4つなど分散したままなのだ、と実感します。

 青森県の弘前大(10月20日付大学面)の場合、地元企業に限定し、大学が研究費を用意する共同研究(企業はタダ!)の基金を用意したけれど、なかなか相手が見つからなかったとのこと。産業が乏しい地方の、予想以上のたいへんさをかいま見ました。それから、まだ記事にしていないもう一つの大学のトップは、「工学部は病院を持つ医学部と違って、社会と離れた研究の世界に閉じこもっている」と言っていたのです。「工学部は産業応用が目的の一つで、社会とつながっている」という意識が強かった日刊工業の私としてはびっくり。いつもと違う相手の取材で、発見するところ大です。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年10月 | トップページ | 2006年12月 »