« 2006年11月 | トップページ | 2007年1月 »

2006年12月

2006年12月25日 (月)

記事未掲載のおわびと経団連IT人材記事

年末気分でパソコンメールを片づけていて、「あーあ、『開催案内の記事希望』というファイルに、記事化できずに残ったものがこんなにある…」と申し訳なく思いました。秋はシンポジウムなど多くてとても対応しきれないのです。皆様、すみませんでした。諸事情を考慮すると時期が集中してしまうのでしょうが、混んでいる時期をはずした方が、聴講者をより集められるのでは、と感じます。また、官庁の報告書なども年末や年度末の駆け込みが多くて、「年明け発表ならば、紙面は余裕たっぷりで、たくさん書けるのに残念だなあ」としばしば思います。

もっとも、私にしても、「お正月の特集記事で詳しく書くので、それに先立つニュース記事を急ぎでお願いします、年内必掲(載)!」とのコメントを、デスクに出しています…。「無理をいって、年内に掲載はされたものの、ちっちゃい記事になったら嫌だなあ。少しがんばって、もう数日、早く出稿すればよかった…」とも。

でも! 今日は久々の一面トップに。4カ月ぶりかな(月に2本という時もあるのですが、この秋はめちゃくちゃ忙しかったから、と言い訳)。「経団連 筑波・九大へIT講師100人 企業の現役技術者派遣 実践的な人材育成」という記事です。100人という規模はすごいでしょう。大学に2,3年常勤する企業人4人を派遣するというのも、これまでにはないものです。教員レベルの人材交流は、企業人のまま客員など非常勤教員を務めるというのが大半です。博士号を持つ年長の企業人が大学教員になるのは、交流というより、普通の転職(産業界のセンスを持った教員になる、というプラス面はありますが)だし。米国みたいに大学教授と企業経営幹部をいったりきたり、というケースは難しいにしても、数年単位で行き来する人材交流は、得るものが大きいのではないかしらん。

というわけで、気持ちよく年内を終えることができそうです。いえ、実は、このIT人材関連の1月5日付原稿を、年内に仕上げるという計画が完了していないのです…。さあっ、あと一息だ! 

では皆様、よいお年を。 山本佳世子

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年12月22日 (金)

イベントといえば予算? クリスマス?

官庁関係者にとって大事な07年度財務省原案の内示が20日にありました。それに先立つマスコミ向け事前レクは、財務省にて19日の深夜から、各省、順番に行われました。私は官庁のメーン担当ではないので初参加。デスクには「初めてなら楽しいでしょ」といわれました。まあ、ある種のイベント、なのでしょう。全体の3分の2あたりになる文部科学省と経済産業省の分を聞き終えたのは20日の午前2時。すでに1時間半ほど予定が遅れていました。最後の省は何時になったんだろう…。そのため、この日は珍しくタクシー帰り。でも私は電車の方が好き。だって車酔いするんだもん。「大人になったら酔わなくなるよ」と小さい頃、いわれてたのにねえ。

官庁関係者は、夏の概算要求の時といい、この時期といい、毎年慌ただしいわけですよね。家族そろっての夏休み旅行も、恋人同士のクリスマスディナーも難しいのでしょう。お気の毒。あ、でも企業人にしても、クリスマスシーズンの忙しさは職種によってだいぶ違いますね。外資系企業(米国大手)広報の友人は「もうこのあたりから、ほとんど休みも同然。だって、上司は本国に帰っちゃうもの」だって。外資は12月が年度末のはずだけど、平気なんだ〜。日刊工業新聞や雑誌社は、お正月号に備えた仕事前倒しで忙しい。HOYAとペンタックスの合併なんかがこの時期に出てくると、担当記者はかわいそう。でも、産業界の担当記者は、この時期、役員懇親パーティなどのイベントもそれなりにあって。私が「6時から仕事が入っちゃった」というと、「それ、(仕事がらみの)飲み会でしょ?」だって。違います、内閣府レクなんです、ちゃんと働いているんですっっ!

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年12月 8日 (金)

企業人と大学人の話しぶり

企業の研究/開発のトップリーダー4人によるシンポジウムパネルディスカッションと、大学人がメーンの技術経営(MOT)座談会と、2タイプのコーディネーター・司会役を済ませての感想です。私の出来、不出来もありますが、それは個人的な反省点ということで別にして…(笑)。

パネルディスカッションでは、パネリストに「こんなテーマで」とだいたいを示して、短い講演を各人に用意してもらい(当日発表)まいた。さらに、私が聴き取り取材をし、本番直前に全員が集まって最終打ち合わせ、としました。事前の聴き取りは、4人の共通点、相違点をあぶり出し、議論の流れを構築するために、「これらのテーマで、どう考えているかお聞かせてください」というものでした。

そこでびっくりしたのは、企業の研究開発の人は、話すのに慎重なのだなあ、ということでした。「Aについてはどう見ていますか?」と聞くと「A? うーん…」と返事がこない。「BはCだと聞いたので、Aもそうかと思っているのですが」「そうだねえ…」「では、Dのケースはどうですか?」でようやく、相手が話し出す、という感じ。取材慣れした役員ではないし、真理を大切にする技術系だし、開発グループリーダーで周囲との調和を重視して仕事をしているだろうし、周囲を気にせずにべらべらしゃべる人はあまりいないようです。

当日は、「あの人はこういう意見だったから」とチェックしたことを生かして、こちらからパネリストに振ったり、パネリスト同士での意見行き来も少し入れてもらって、まあまあの出来で終えることができました。でも、終了後、控え室に戻ったら、ほっとしたのか意見があれこれ出てきて…。もったいない、もっと早く話してくれ〜っ! 初対面でのパネルでは、なごんで自由に話せるようになる仕掛けがいるなあ、と振り返りました。

一方、座談会は、「聴講者もいないし、自由に話してもらって後で上手くまとめればいいや」とあまり議論のながれを決めていなかったのです。そうしたら、けっこう好き勝手な話が行き交って。相手を否定する意見も出てくるし、ちょっと混乱状態に。まいったな。そういえば、大学の教員は、ほかの部分ではおとなしい人だって、専門の研究の話だと、こちらが興味深そうにしていたら3時間はノンストップ、という具合によく話しますね。講義で長時間話すのになれてもいるし。というわけで、企業人、大学人それぞれの特徴が勉強になったのでした。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

企業人と大学人の話しぶり

企業の研究/開発のトップリーダー4人によるシンポジウムパネルディスカッションと、大学人がメーンの技術経営(MOT)座談会と、2タイプのコーディネーター・司会役を済ませての感想です。私の出来、不出来もありますが、それは個人的な反省点ということで別にして…(笑)。

パネルディスカッションでは、パネリストに「こんなテーマで」とだいたいを示して、短い講演を各人に用意してもらい(当日発表)まいた。さらに、私が聴き取り取材をし、本番直前に全員が集まって最終打ち合わせ、としました。事前の聴き取りは、4人の共通点、相違点をあぶり出し、議論の流れを構築するために、「これらのテーマで、どう考えているかお聞かせてください」というものでした。

そこでびっくりしたのは、企業の研究開発の人は、話すのに慎重なのだなあ、ということでした。「Aについてはどう見ていますか?」と聞くと「A? うーん…」と返事がこない。「BはCだと聞いたので、Aもそうかと思っているのですが」「そうだねえ…」「では、Dのケースはどうですか?」でようやく、相手が話し出す、という感じ。取材慣れした役員ではないし、真理を大切にする技術系だし、開発グループリーダーで周囲との調和を重視して仕事をしているだろうし、周囲を気にせずにべらべらしゃべる人はあまりいないようです。

当日は、「あの人はこういう意見だったから」とチェックしたことを生かして、こちらからパネリストに振ったり、パネリスト同士での意見行き来も少し入れてもらって、まあまあの出来で終えることができました。でも、終了後、控え室に戻ったら、ほっとしたのか意見があれこれ出てきて…。もったいない、もっと早く話してくれ〜っ! 初対面でのパネルでは、なごんで自由に話せるようになる仕掛けがいるなあ、と振り返りました。

一方、座談会は、「聴講者もいないし、自由に話してもらって後で上手くまとめればいいや」とあまり議論のながれを決めていなかったのです。そうしたら、けっこう好き勝手な話が行き交って。相手を否定する意見も出てくるし、ちょっと混乱状態に。まいったな。そういえば、大学の教員は、ほかの部分ではおとなしい人だって、専門の研究の話だと、こちらが興味深そうにしていたら3時間はノンストップ、という具合によく話しますね。講義で長時間話すのになれてもいるし。というわけで、企業人、大学人それぞれの特徴が勉強になったのでした。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

1時間に20回、感心する取材とカチンとくる取材

東京大学先端科学技術研究センターの橋本和仁所長の取材(イノベーションについて)から帰ってきたところです。全体的な話は内閣府でだいぶ聞いているけれど、具体的な話ができる大学現場の方を、と思ってお願いしました。橋本先生の話はやっぱりおもしろいですね〜。1時間の取材で20回ほど「そうなんだ」「なるほど〜」と感心して。例えば、「イノベーションは経済性(コスト)で考えたら不可能。米国は軍事というコストに制限されない分野があるからできて、GPSとか一般への技術波及につながっている。では、軍事がない日本はどうするか? それは…」という感じ。続きは日刊工業新聞の元旦号を読んでくださいね。

記者のおもしろさは、「これは一面トップだ!」というネタに向けて動く時、と多くの記者がいうけれど、今回みたいに「そう、そうなんだよね!」と何度も思う人・取材に当たった時、というのもあるなあ。あ、ちなみに橋本先生は光触媒で有名ですが、私が初めてお会いしたのは、東大に講師として移っていらして間もない頃。その後の光触媒の一番最初のニュース記事も、私が書いたんですよ! とちょっと自慢。

一方、1時間に20回カチンときた取材は、文系主体の某私立大学にて。知的財産(著作権)の実務ノウハウ的な話だったので、取材の中心は実際に手掛けた客員研究員になるはずでした。が、【お局様】というのがぴったりの人がいて、席につくとすぐ「今日はいったい何をしにきたんですか」という感じの詰問が。客員研究員が話し出そうとしたら「あなた、何を話すつもりなのっ!」って。外部の人を前にそんなふうに怒鳴るわけ〜? さらに驚いたのは、医学部教授(ま、横柄な人が比較的多い)とかではなくて、職員だったということ。職員は教員を立てるのが一般的なのに、珍しすぎ。もう一人の同席者も中堅の特任教員で、著作権の法律までがんばって学んだ自分の方が上、という意識があったのかな。私も最初はなんとか取材を貫徹しようと思ったけれど、15分くらいでボツに決めました。取材後に別途、特任教員らが丁寧に謝ってくれたから、まあ、彼女個人の問題であって、その大学の問題ではないと思っていますが。

もっともうちだって、自己責任にまかされている記者という職種ゆえ、マナーがいいかげんな社員が多い。「先ほど電話に出てくれた人は、御社の人なんですか? 山本さんはいらっしゃいますか、といったら、いません、だけでしたよ」と言われて謝ることとかある。取材先の皆様、この場をかりてお詫びします。

お正月特集とか予算関係とかあるものの、私の忙しさは一段落。前に言っていたのに反故にしてしまった「週2ブログ」に再度、取り組みます。取材先の2件の話を対比して、という書き方がワンパターンかしているから、文体も少し工夫しようかな。だって最近、信頼している複数の取材先に「頻繁に読んでますよ」といわれただもん!

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年12月 1日 (金)

取材・執筆以外に広がる編集委員

入社以来、名刺で名前の前に付くものは「記者」で変わらなかったのが、初めて別のものになりました。「編集委員」という一般にはよく分からないものですが、うーん、「経験豊富でスキルが高い年長の記者」というイメージでしょうか。先輩編集委員に聞くと、「社からすると、編集委員という肩書きを付ければ、あれこれ活用しやすいってことでしょう」とのことでした。

たしかに私の場合、06年は(おっと、もう年末回顧モードかな)取材・執筆に限らない仕事が急増した年でした。東京工大のインターンシップ生受け入れ指導が二回(05年度末と06年度と)、お茶の水女子大の科学技術コミュニケーションの非常勤講師も同じ年度分(これは社というより個人で受けたのですが、日刊の記者経験があってこそ、お声がかかったもの)で、いずれも初めての取り組みでした。モノづくり連携大賞は表彰事業としての立ち上げだけでなく、視点を変えて「これでもか、これでもか」状態で大量執筆もしました。今週は技術経営(MOT)の座談会の司会もありましたし。

そして12月4日(月)はなんと、聴講者がすでに500人超!! という弊社主催の「モノづくり推進シンポジウム」 http://www.nikkan.co.jp/j-forum/tech/index.html でパネルディスカッションのコーディネーターをいたします。通常なら編集局の部長クラスがする仕事なので、相当、時間を割いて準備をしています。いつもの大学・産学連携と違って、研究開発とモノづくりというテーマでありますしね。これまでだと「山本さんがコーディネーター? なんで?」という印象になるところですが、編集委員という肩書きだと「へえ、そうなんだ」と受け入れてもらいやすいかなあ(社内受け、という意味ですが)。実はこのシンポの件は、「上手にできたらブログで書こう」と思っていたのですが、ま、先に書いちゃいます。適度なものなら、先に宣言したプレッシャーがプラスに働いて、よい成果が出るそうですから。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年11月 | トップページ | 2007年1月 »