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2007年1月19日 (金)

大臣も【さん付け】のコラム

内閣府・高市早苗大臣のコラムを、17(水)付日刊工業新聞の科学技術・大学面に載せました。国会が開かれている時期だと、週二回の朝の閣議後会見はとても短時間です。質問がなければ3分くらいで終わってしまう時もあるほど。でも、この日は国会閉会中とあって、会見は30分に。高市大臣は、世界中から優秀な研究者を集めているシンガポールの視察から戻ってきたところでした。そこで、同国のやり方を沖縄科学技術大学院大学にも導入しようとしている件を、コラム仕立てにしました。ニュース記事にするほどではないけれど、読者には知らせておきたいな、という内容だったからです。でも、「このコーナーは堅い記事が多い紙面の中の【オアシス】なので、へえっ、この人はこんなタイプなんだ、というようなおもしろい話を載せるのがいい」というデスクもいます。、私も通常は、そういう話を書くようにしています。

この顔写真入りコラムは、日刊工業新聞の特徴の一つです。日経新聞の産業面にある社長コラムとほぼ同じですが、弊紙では自動車、化学、サービスなど大半のページでそれぞれ載せています。新人記者の訓練の第一課題であり、なおかつ、ベテランに「これが一番難しい」といわれるコーナーでもあります。書き方は統一されていて、出だしはその人がいったコメント、「〜は…だ」を使って、「〜は…ですね、というのは、科学技術政策担当相である高市早苗さん」と書きます。柔らかい読み物にするための方策です。別の官庁の人からですが、「大臣をさん付けするのって、初めて見ました」といわれたことがあります。確かに、役所の人で「高市さん」「伊吹さん」と呼ぶ人はいないでしょうねえ。

このコラムによって、「経済人の顔写真のストックは日刊工業が一番」といわれていて、他紙が写真を買いにくるそうです。昔は、取材先に「写真を送って頂けますか」と頼んで郵送してもらうなど手間がかかりました。私は小さいデジカメを持つようになってから、持ち歩いて、取材後に撮らせてもらうことで、いつでもスタンバイになりました。なにしろ、毎日のコーナーなので、デスクは手配が大変なのです。「山本さん、明日の分、書けないかな?」「えーっ、あと30分で取材に出かけるんですけど」「A記者が書くはずだったんだ。だけど、写真のストックがあると思っていたら、ないって話になって、困ってるんだ」「…わかりました、書きましょう。昨日、デスクにおごっていただきましたし、ね。顔写真はいまからメールで送りますね」って具合です。

このコーナー、社では「ゴシップ」と呼んでいますが、私は外の人に話すときには「コラム」と説明します。だって、ゴシップってあまりよいイメージがないでしょう? 広辞苑によると、「ゴシップ:うわさ話、無駄話、閑談。特に、有名人の私生活に関する話題」ってありますから。例えば、学長取材のあと、「学長のゴシップを書きたいので、顔写真をいただけますか」なんていったら、相手はびっくりしちゃうかもしれない。その驚きようから、プライベートなごたごたの有無が分かっちゃったりして…。

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