2007年4月27日 (金)
新聞の紙面リニューアルなどがある新年度、朝日新聞さんは新設の大学面を週一でスタートしました。メーン企画のタイトルは「全入時代」。内容は慶応義塾大と共立薬科大の統合話でした。読売さんは3月に、同じグループ内ですが武蔵工大と東横学園女子短大の統合を抜きましたね。その前に、これもグループ内ですが東海大が北海道東海大、九州東海大と統合する件は、私がマスコミでは最初に書きました。すでにHPにも出ていたので、あまり威張れないのですが、まあ普通の人は東海大のHPをしょっちゅう見てはいないだろうということで…。統合話は少子化時代の大学生き残り戦略の話として、皆がこぞって(たとえ現状は受験生数も財務も問題のない共立薬科大であっても)興味を持って読む記事ですよね。対慶応大で、「早稲田大は東京女子医大を吸収するのか?」と、いったい何回、書かれていることか。うーん、これから各紙のスクープ合戦になってくるのかしらん、不安だなあ。
日経新聞さんは先日、夕刊の一面トップで6女子大が連携した教職大学院の記事を書いていました。社会面での解説スペースも大きくて、学長コメントも6人すべて収容していました。一般紙というよりビジネス紙である日経さんでもここまで書くのか、とびっくりです。そもそも、女子大は生き残りがかなり厳しくて、女子学生が望む教員など資格取得関係は強化したいけれど、単独では新しい教職大学院を持つ体力はないから連携で、という具合でしょう。ちなみに、私も持っていますよ。中学と高校の化学の教員免許を。
実は、日刊工業新聞は産業に視点を置いた新聞なので、大学の「入り」にかかわる内容、つまり入試・入学関係はほとんど記事を書いていません。一方で、私は大学・大学院の「出」の部分には注目します。職業人として卒業生に活躍してもらうために、どんな人材育成をしているか、などです。でも、取材先である大学にとっては、産学連携の研究や教育を重視してはいても、PRとしてはやっぱり入りの部分が大事ですよね。18歳人口が減る中、優秀な高校生とその親に、自分の大学をいかに選んでもらうか? と。お正月の新聞広告で、某大学長とマイクロソフト社長の対談が一般紙に大きく載っていて、「うーん、やはりうちではなくて一般紙か」って、寂しくも納得なのでした。
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2007年4月24日 (火)
20日付大学・産学連携面に英語テストのTOEICについて「TOEIC 大学関連で利用進む 入試・単位認定に活用」という記事を書きました。これ、最初は文科省記者クラブで、「受験者数150万人を突破」で会見だというお知らせが張り出されていたものです。「日刊工業新聞には関係ないな」と思ったのですが、TOEICは個人的に興味があったので(転職するとか留学するとかの予定はないのですが)、「会見には出るけど記事はパス、にしちゃおう」と思っていました。
ですが、会見資料をめくっていくと、大学での利用はこんな具合、とグラフが出ているではありませんか。それも単位認定と入試と2種類。うーん、よい資料だ。年2割で伸びているし。会見でちょろっと質問もしてみた。記事化、した方がいいかな。終了後、TOEICの実施協会の広報さんが名刺交換をといってくるし、さらに、クラブ内の会見に出た記者だけにPR会社さんがあいさつしてまわっているし。…記事にしますか。ちょうど、新しいデスクは「グラフや表をどんどん入れよう」というタイプで、私もそれには賛同しているので、書くことにしました。やっぱり、内容がよくて、資料・情報がそろっていて、担当者が熱心だと、記事化せざるを得ないですね。
それからもう一つ、「日刊工業には関係ないけれど」という、某有名ミュージカル劇団の公演の話です。文科省は芸術もカバーしていて、さらにその演目がいじめを題材にした話なので教育がらみにもなり、公演ご招待券がボックスに入っていました。実は私はこの劇団のこの演目を2回、観ていて、すごくよかったのです。都会出のいじめられっ子を、座敷童(かつて貧困で闇夜に葬られてしまった赤ん坊)が励ますというストーリーで、舞台の展開まで覚えている2回目でも、泣いたほどです。予定が合わず、私は行けなかったのですが、隣の席の先輩にお勧めしました。結局、先輩はお子さんを連れて、公演前の演出家(劇団創設者)の会見も出て。「なかなかおもしろかったよ。これでうちのコラム(わりと柔らかいコーナー)がひとつ、書けるな」と。ま、本流の記事ではないのですが、これなら許されるかな??
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2007年4月17日 (火)
少し前の話ですが、某大学のネタを別の取材先からつかみました。内容もそのまま記事にできるレベルだったのですが、その大学とは仲良くやっているのでそれも失礼だな、と思って連絡したところ、役員のA先生に「ちょっと待って」といわれました。他紙に話を流されるのではなく、うちが単独でつかんだことを尊重してくれるのなら、相手の都合に合わせてお待ちすることはやぶさかではありません。
ところが、その後、別の件で関連の部署に行ったときに、B先生が「例の件は発表しますから。役員会で決まったので」というではありませんか。えーっ。そんなこと、あり? 大学なのに、そんな品のないことが平気でできるわけ? 混乱しつつB先生とやりとりするも、らちが明かない。こういうときはどうするんだったっけ。企業担当だったときは、N社にリークしようとする悪党広報と戦ったじゃないか、ええっと…。その時、B先生が「私の一存では」といったじゃないですか。そうか!! もっと上の責任者がYesといえばいいんだ! ということですぐに役員室へ。幸いにも在席だったA先生に直談判し、大学のことを思ってあえて書くのを止めていた、という立場を納得してもらいました。「いや、発表の後でもしっかり取材して書くのでよい、というかも、と思って」といわれ、新聞だからそんなはずないじゃない、と思ったのですが、確かに週間の新聞や雑誌ならば、そうニュースの一報性にこだわらないだろうと気づいて。B先生もA先生も、特別に悪どいって訳ではないんだな、と思ったのでした。
この時、感じたのは、記者は何か合ったときの瞬発力が大切だということです。日刊工業新聞社でも、競争の激しい企業担当なら、この手のは日常茶飯事で、すぐ対策が閃くのでしょうけど、大学担当が長いとちょっと、その辺が弱くなっていて〜。常に使うわけでなくても、いざというときには使える、という基礎力をキープしておくことは大事だな、と思いました。
もう一つの同様の話は土曜デスクの当番だった先日のこと。うちは週末は基本的には休みです。ので、土曜デスクには、土曜の朝刊と夕刊の各紙を見てスクープがある場合や、大きな会見設定などが入った時には、担当記者やデスクに知らせる役割があるのです。弊紙は土日付がなくて月付になるけれど、そこで分析記事が書けるよう、記者らが動き出す、というわけです。夕方、「今日は大きな話がなくてよかったな」と思いつつ、一般紙を見ると、おっと一面に某社のトップ退任の記事が。あっ、これってN紙に朝、出ていた?? しまった、連絡しそこねた、私のミスだ。製造業以外の業界だったこともあり、ぼんやりして見逃してしまった。 …結局、N紙は記者もデスクも一般に目にしている新聞でもあり、問題なかったのですが、私の瞬発力が鈍っていたのを改めて感じました。企業担当を離れるとなかなか、ね。それにしても、社長・会長らのトップ交替って、スクープであっても一面に2段とか3段とかの見出しで地味ですよね。だから、見逃したんだ、ってそれは私のいいわけですけど。各紙とも重視しているのに、、なんで記事自体は小さいのかなあ?
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2007年4月 6日 (金)
先日の訪問は、「同じ建物内だから、同じ日の設定が楽だあな」と思って2件、続けてアポを入れてしまいました。でもこれが失敗、きつかった〜。前半の取材時間を多めにとって、「2件の間に15分ほど休めるかな」と考えていたのですが、移動の5分休みを挟むだけの、合計3時間半の大仕事になってしまいました。
前半が、時間一杯まで使うほど充実した内容だったので、「今日はラッキー」と最初は思いました。5分休みまでは。2件目、まもなく「あー、今日はもう集中力が続かない。ポイントだけ把握して資料をもらい、あとで電話で確認しよう。ごめんなさい」という状態に。その時はたまたま、複数の立場の人が連携した話だったため、出席者が多くて、一人が話し終えたと思うと、次の人が話し出す。うーん…。それでも途中から、「これは思っていたより大きく書けそう」と分かったので、ある程度、元気が復活。失礼にならないレベルで取材を終えることができました。
単独取材(記者会見以外)の時間は、私は1時間20分から1時間半がベスト、と感じます。1時間、と相手に設定されちゃうとちょっとものたりない。最低限しか聞けない感じです。一方、2時間近くなると、ぼーっとしてきて、どうでもいい気分になってきてしまう。すでに聞くべきことは聞いてしまっているので、名刺や資料を片づけながらのおしゃべりに持ち込み、切り上げるタイミングを探す、とう具合になります。
「話が長いですよ」と聞いていた某学長の場合、2時間を超えてさらに苦労しました。そろそろ、とこちらが鞄を引き寄せると、学長が説明のためにパネルを引き寄せて立ち上がる。私も立ち上がるけれど、心はすでに駅に向かっている。同席していた秘書や広報も合わせて立ち上がるも、それから10分…。ま、超お忙しい著名人で取材に20分しかもらえないのに、長いインタビュー記事を書かなくてはいけないケースに比べれば、なんてことはない、と思うことにしましょう。
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2007年4月 3日 (火)
4月から全国公私立大学の教員制度が変わりました。私は3月13日付大学・産学連携面で書きました。教授と講師はそのまま。助教授は准教授という名称に全員がシフトです。「助」という表現ではアシスタントみたいでおかしい、というのが理由です。意味的には「準」と同じなのでしょうけれど、なぜあまりなじみのない「准」なんでしょうね? もっとも変わるのは助手です。研究者としてのスタートラインに当たる人の場合は「助教」になります。「助教授」の文字どおりのイメージはこちらですよ、だけど音は助教授の助教だけ使いますよ、みたいな感じで、変な印象ですねえ。それから、翻訳など事務が中心などアシスタント的な立場の場合は、これまで通りの「助手」になります。
私はメーンの取材先が国立大理工系になるため、「助手はすべて助教にシフトするだけで、なにも問題ないじゃん」って当初は思っていたのです。それが、取材に動きだしてみると驚きが次々と出てきて。文系の場合はアシスタントの「事務助手」が多くて、4月からはほとんどが助手になる様子です。もっと驚いたのは早稲田大の場合で、助手はこれまでも、すべて修士・博士の学生が兼務しているというじゃありませんか! 学費を払う一方で、助手として給与を奨学金のような具合で受けているのです。そうか〜。実は、「早稲田は助手の給与がものすごく低い」という話を以前に聞いていたのですが、学生なら当然じゃん、職務に就く時間だってごく一部になるのだろうし、と納得です。で、早大の場合は、4月からは助手をメーンに、一部は授業も持たせて助教にする、という選別を行うそうです。
助教の話は、朝日新聞が28日付夕刊に、日経がさらにその後に書いていました。でも、私の方が早かったうえに内容が濃い、って自慢しちゃう。以前から気になっていた任期制(定年まで働けるのではなく、5年任期などでの雇用)も助手に多いので、その比率(これも大学によってだいぶ違う)も調べて併せて書きました。まあ、うちは業界紙の一種(1業界に絞ってはいないので産業紙と呼びます)だから、一般紙よりしっかりした記事を書くのは当たりまえなのですけどね。難しいのは、こういうシーズンものの記事タイミングです。あまり早く書くと、読者の印象に残りにくい。でも、他社もそのうち書くだろうから、それより遅いとこちらの記事は評価が下がっちゃう。今回のケースでは、その意味でベスト! な掲載日で書けたかな、と思っています。
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