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2007年7月

2007年7月25日 (水)

出身大学の話で心は学生時代に

大学院の出身研究室に顔を出すチャンスがあって、かつての指導教授とおしゃべりしてきました。それで知ったのは、私が修士時代に手掛けた実験の結果が、他の研究室メンバーとのもちろん共著ですが、先生の手で4つもの論文(英語)になっていたということでした。私の名前がちゃんと論文に入っているんですよ。以前に論文をいただいていたから、1,2報はあると思っていたけれど、予想以上でした。「山本さん、がんばったからね。いまの博士学生並みの仕事をしたじゃない」なんていわれて舞い上がりかけちゃいました。でも、よく聞いてみると、当時、先生は助教授になりたてで、先生の研究実績としても論文をがんがん書く時期にあったということで。「今はもう、学生が増えちゃって。論文にするのは博士学生が優先になるんでね」と。つまり、修士学生の研究成果を、教員が論文に仕上げている暇などない、ということのようです。そうか、ラッキーだったのね。ま、泣きながら実験して、「私は研究者に向かないんだ」と進路転換した身ですから、あたりまえか…。

一方、弊社の幹部のA氏の場合。著名私立大の文系出身、団塊世代でろくすっぽ大学にいかなかったタイプ。パーティで母校出身学部のB理事・教授とおしゃべりした時の話を聞きました。以下、再現してみます。

A「はじめまして。あ、経済学部ですか。実は私もここの出身で、○年卒なんですよ」、B「それはそれは」。ま、著名私立大ゆえ、経済の教授ならその大学の経済出身というのが一般的ですね。A「C先生って今もいますかね? 何をいっているんだか分からない授業をしていましたが」、B「それはだいぶ前になりますね」。とっくのとうに退職されているようです。A「D先生はいかがです? あ、もしかして先生(話している相手のB先生)の授業を受けていたりして」、B「いや、それはないと思いますよ。私の方が二つ、卒業年が下ですから」。

A氏はショックを受けたそうです。どうも大学のことが話題になると、自分自身が二十歳前後で在籍していた時の感覚に戻ってしまう、ということです。実際には、そろそろ定年であったとしても。そうですねえ。私だって、先に述べた出身研究室の設立20周年記念パーティに出かけていって、「私って上から3つめの世代?! この場のほとんどが年下なの? 私だって(あのころは)若かったのに〜」って思っちゃいましたからね…。

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弊社のR&Dアンケート20周年

大手企業約220社によるR&Dアンケートを、日刊工業新聞社の科学技術部で毎夏、実施していて、それが今年は20周年!でした。私は産学連携についての項目を執筆していますが、以前はバイオなど技術の担当をしていたので、何年もこれに携わっています。同部に在籍している累積年数は13年になるので、アンケート20回のうち13回は記事化に参加しているというわけです。自分でいっておいてなんですが、改めて「長い」。科学技術は一般紙さんも長く担当する人が多いし、うちも団塊世代のベテランがけっこういたのですが、数年前の大リストラも影響して、アタシが断トツの大古株になっています。専門記者としては誇るべきことなのですが、なんか定年が近いと錯覚しそうで(まだ20年近くあるのに)悲しいような…。

今年は7月17日付の1面&13〜15面がメーン。今年は、この日だけで終わらせずに、その後の日々の紙面でも連載することで、答えていただいた内容をフル活用しました。産学官連携については概観を17日付に書き、自由筆記で書いて頂いた分は、「過去1年間での新たな組織的・包括的な産学連携の取り組み」を20日付、「(企業からの)大学への注文」を24日付の、それぞれ大学・産学連携面で載せました。読者に向けてというのがもちろん第一ですが、答えてくれた各社担当者に対しても、なるべく多くご紹介するのはいいことですよね。

それから、今回は特別に20年を振り返ってのコーナーがありました。各社に「過去20年間のベスト開発案件」3つを聞いた結果は、わりあいと幅があっておかしい。私が以前に担当していた化学業界でみると、 「ライフサイエンス、機能性樹脂、エレクトロニクス」と並べた社があって、「これでコモディティー製品依存から脱却できました!」という喜びが見てとれます。一方で、「あんなに新規事業に手を広げていたのに、結局、大型成功品は伝統的本業分野のこの1つだけなんだ〜」という社も。ある社は「結晶技術」、別の社は「ドルナー」(おそらく商品名)を挙げていて、「もしもし、これじゃ何のことか分からないですよお〜」。

ちなみに、アンケートの回収率って実施主体が文部科学省のような権威筋だだと高いけれど、一般の団体の実施だと2,3割だそうです。キビシイですね。ちなみに今回のアンケート回収率は94%! 日々、取材でがんばっている担当記者からの配布、記入お願いだけに、各社とも広報を通じての研究開発セクションでちゃんと答えてくれるのですね。かなりうれしい。ある限られた部分ではあるけれど、日刊工業に対する信頼の一端を感じました。今回、自由筆記の部分では、回答を分類したり、社名を間違えないよう何度もチェックしたり、負担が大きかったのですが、やはりきちんとやっていくことが大切だな、と改めて感じました。

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2007年7月17日 (火)

大学院生獲得競争の記事

「激化する大学院生争奪戦 教育再生会議・内部進学最大3割に 東大vs東工大 仁義なき戦い 説明会、急きょ?同じ日 人材流動化は評価の声も」を6日付日刊工業新聞最終面に掲載しました。大学面ではなくて最終面なので、幅広い読者が読んでくれるよう文章に工夫をしたのですが、ちょっと刺激的な言葉になってしまったかなあ?でも、「仁義なき戦い」っていったのは取材先の先生ご本人ですからネ。あることないこと、一緒くたにして書いているわけではないですから〜。

この件、1年ほど前から気になっていたテーマなのです。私の修士出身のT大学卒業生の会で、学歴ロンダリング(学部、修士、博士と進学するにつれ、大学ブランドがよくなっていくこと)が話題になって。学部はO大学の私としては(ちなみに、O大はT大と偏差値的に同クラスと思う)けっこうムキになってしまった経験があるのです。だって、マフィアのマネーロンダリング(資金浄化)になぞらえてそう呼ぶなんて、あんまりじゃないですか〜。「じゃ、T大の学長にも、『修士以降はT大にいらっしゃいましたが、学部はY大ですからロンダリングの先鋭ですね』っていうんですか?」と言いたかったくらい。うーん、またこの話になると興奮しちゃうっ! っていいながらも、記事でしっかり「マネーロンダリング」と書いて、整理部には中見出しにもとってもらったのですが。

とにかく、争奪戦激化はいずれ書かないと、と考えていました。すぐに動かなかったのは、読み物としておもしろいテーマではあっても、ニュースが出ないだろうということ。今回、3大学を取材しましたが、ニュースなしでは、弊社みたいにあまり人的余裕がないところではちょっと辛いのです。東大柏は遠いし、北陸先端大は「東京にいらっしゃるチャンスに」って頼まなくちゃいけないし。でも、今回は教育再生会議の提言があったので、「このタイミングなら通常より読まれるから、ニュースが取れなくても構わない、取りあげよう」と判断しました。

それにしても東大柏キャンパスは予想以上に不便でした。つくばエクスプレスができて、東大柏も近くなるのかと思っていたら、駅からバスで15分。駅名は「柏の葉キャンパス」っていうんだけど。バスは日中1時間に3本。大学院生呼び寄せは、東大ブランドで強みの反面、交通の不便さが弱みに、って実感しました。

あと、これに関連して関心したのは、東大の学生は常に進路選択に迫られているということです。東大は入学時に学部学科が決まっていなくて、3年生からの進学振り分け(通称、進振)があるから、低学年から「どこに行けるか」考えつつ勉強します。で、3年生になれば「4年生ではどこの研究室に行くか」をすぐ思案する。大学院修士はそのまま上にいくことが多いけれど、ここで「(12専攻を抱える)柏の新領域創成科学研究科も悪くないな」と考えれば、そちらへの進学検討もあるわけです。そして修士1年の秋には就職活動。う〜む、落ち着いて研究ができるのって、いつになるのかしらん…。

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またブログがとぎれがちで失礼しました。週末というのに締め切り原稿4本抱えて、という状況が続いていましたが、ようやく一息。今日は1カ月ぶりに取材なしの日! あれこれ片づけもできました。でも、16時くらいになると飽きてきちゃう〜。やっぱり外へ出かけられる記者という仕事は幸せです。

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2007年7月 2日 (月)

懇親会場で知人を捕まえて賞をPR

文部科学省が主催する知的財産本部事業関係のシンポジウムがあり(実務は某大学の知財本部が担当)、「これはモノづくり連携大賞の紹介をするチャンス!」と出かけてきました。文科省にも賞の後援をしていただくので、応募のパンフレットを会場に置かせてもらう手配をしましたが、それだけでは弱いと判断したからです。それで、シンポの休憩時間は廊下をうろつき、「あ、○先生、ご無沙汰しています。これ、うちの産学連携の賞で、第2回を公募始めたんですよ」とPRしてきました。

その後、懇親会にも参加しました。普通、懇親会って、ごあいさつしておいた方がいい相手(この場でいうと、多くの方にとって、文科省の担当課長がそういう位置づけでした)にアプローチした後は、知っている方とのおしゃべりと飲食とに時間を配分しますよね。記者の場合、おしゃべりの中から、次の取材ネタをゲットするのも仕事(今回も2つ、入手しました)ですが、面識のない方には、まあ無理に話しかけることはないか、と考えます。もっとも今回は、むしろそちらをがんばらなくては、と…。パンフレットを詰めた手提げを片手に、知っている顔の周囲に、知らない顔がたくさん集まっているグループを狙います。で、寄っていって、親しい人をとっかかりに、居合わせた別の大学や研究機関の方にもパンフレットを配って説明するのです。そうしたら、産学官連携の関連学会の幹部も務めているという方が反応してくれて、「メールで送ってくれたら、学会員一斉メール(か何か)で送ってあげよう」と応えてくれました! いやあ、がんばってみるものですね。

さらに、知らない顔ばかりでも、ネームプレートに入った名刺を見て声をかけよう、と思案しました。ところが、名刺って、こういう使い方をするとなると、文字も小さくて見にくいですね。その点、立命館大さんはRitsという赤い愛称が大きく付いていて分かりやすい。名刺の見栄えを考えるのにこういう観点もあるんだな、と思いました。

正直いうと、懇親会の中で前に出て、「皆様、ご注目!」とかいって、全員に説明してきたかったなあ〜。ブログについては「よくあれだけ具体的に、しかもはっきりと書かれますね」といわれるワタシも、さすがにそこまではできませんでした。あ、それでも飲食の方は、フルーツまでちゃんと食べて帰りました…。

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