寄付・基金の記事で書きたかったのは…
8・17付に「大学運営に『基金』活用 寄付を貯蓄し拡大 信託運用益の利用検討も」をお盆の読み物(大きな企画)として掲載しました。実はこの記事には特別な思い入れがあるのです。もっとも書きたかったこと、それはちらちらと見出しや前文に入れ、本文では後半に持ってきた「東大は日本経団連など経済団体のほか、信託銀行などと共同で投資組合を立ち上げることを検討中。経済団体傘下の企業が余裕資金を金銭信託し、運用益だけを東大に寄付するという新しい形を思案している」ということなのでした。
こういう動きがあると聞いたのは1年以上も前のこと。その時は「状況が整えば1,2カ月で発表も」なんて関係者はいうし、「一面トップを取るぞ!」と張り切りました。。正面突破は難しい(うちだけが掲載できるよう、手を貸してくれることはない)と思い、東大幹部など全部で6者に(取材ではなくておしゃべりも含め)アタックして、内容的には間違いないと固めました。発表に持ち込まれてしまった場合、どんな切り口で書き換えられるかと数パターンを思案。発表が近づいていよいよとなれば、夜回りをしてもいいと思ったほどです。
ところがいつまでたっても、話が表に浮かび上がってきません。最初は、文科省のOK待ちみたいに聞いていたのに、この初夏に確かめたら「ま、賛同する会社が集まらないんでしょう」って返事に変わっていたし。 …これ以上、待っても無理、記事にしよう。でも、「○月にも実施」という詰めに入っていない以上、ニュース記事ではなく読み物記事にしかなりません。東大に騒がれる(「ネタ元はどこなんだ」とか)のも面倒だから派手にはしたくない。とはいえ、長く気にしてきたネタだから、読者には「へええ、すごい計画があるんだ、山本はおもしろいのをつかんでいるな」と思ってほしい。悩むんですよお。それで、読み物記事の最初にこの話を持ってくるのは止めて、最後にさりげなく載せる形にしました。でも記事は、先にそこそこおもしろい話題を出さないと読んでもらえないから、複数の大学の取材で話題に上っていた(よく注目される)慶応大のケースを、書き出しに使いました。
これはもちろん、8・10付「卒業生寄付も早慶戦 節目迎え創立記念事業」に向けた取材とリンクしています。どちらも寄付が基本にある話ですから。早稲田と慶応は最近、私の取材密度が上がっている大学で、両学長(早稲田は総長、慶応は塾長と自称しますが、文科省的にはすべて学長で同じだとか)に会うチャンスもあったので、こんなふうにまとめました。こちらの記事も悩んだのですよお。早慶の対比は絶対、読まれるだろうから、ポイントをはずすとみっともない、でも新しい視点を出して読んでもらいたかったから。結局、「慶大は早大に比べてOBの結束力が強くて寄付が順調、逆に国際化は早大が圧倒的で慶応は遅れている」という視点でまとめました。
次回は寄付の具体的事例でも書こうかな。著名経済人の寄付なら発表になることが多いですがが、地方国立のK大でも、資産家の遺産が寄付で転がりこんできたと密かにいっていましたから。それから、ある旧帝大では、40〜50歳代の卒業生が「自分の努力で得たお金ではないから(遺産? 宝くじ?)」と数千万円寄付してくれた例を紹介してくれました。ちなみに私は、出身大学への寄付はほんのちょびっとしか、したことがありません。そうしたら週末、夢を見ちゃいました。出身大学の同窓会幹部から、寄付を迫られている夢を…。
| 固定リンク | 0

コメント