同世代同性教授と盛り上がる
科学技術コミュニケーションに携わる、ある工学系大学の女性教授と面談(取材とはちょっと違う)をしました。同世代同性のうえ、波長が合う相手なのですぐに話が脱線しちゃいます。その会話の再現を少々。脚色率は10%ほどです。
教授「ここの資料は…。あら、ここの言葉遣い、お願いする立場なのに失礼ですね。ごめんなさい」山本「まああ、こんな言葉を失礼って感じるなんて、さすがコミュニケーションを専門にしている先生ですね。そうそう、聞いてください、この間、そちら(の大学)の産学連携関係の人にいただいたメールなんですけど、おもしろい技術だからと【取材を要請します】ってあったんです。【要請】ってちょっと適切な言葉じゃないですよね?」「え〜、それは失礼ですよ」「文科省が各大学に指示するみたいな感じ? 辞書を見たら[必要なことが実現するように、願い出て求めること]とあったから、とくに上が下に対して使う言葉じゃないのかと思ったけれど」「普通は使いませんよお。大学の人は言葉がけっこう変で、ごめんなさいね。学生も20歳半ばにもなって、あいさつもちゃんとできないというか」「研究室って朝も夜も、三々五々という感じだから、皆であいさつする感じにならないんでしょう」「コミュニケーションの授業でも、まずあいさつから指導するみたいなところがあって、なんだかね〜」「先生、がんばってくださいね。学生たちが変な社会人にならないために、ここでがんばっていただかないと」。とまあ、これは序の口。
教授「今度、トイレタリーメーカーの方に、大ヒットの〜(商品名)と消費者コミュニケーションについて講演してもらうんですよ」山本「〜はすごく売れてますもんね」「宣伝費、50億円ですって」「でも、工学系の男子学生は、〜って知らないんじゃないですか。あ、でもタレントさんをたくさんコマーシャルに使っていますよねえ」「そうなんです、あのタレントのCMっていうのは知ってはいるけれど、商品名とか全然、頭に残らないみたい」。山本「でも、工学系の男子学生って、意外に大したものだと驚いたことがあるんですよ。3年ほど前に、そちらの大学の創造性教育(モノづくり教育)の授業を見せてもらって。グループ別に議論していて、けっこうおもしろかった。それで、何かにピタッとくっついて落ちない、という設計をするのに、指導の教授がどうやってそれを実現するのか聞いたら、すかさず【○○△△(とある商品名)】って返答が学生から出て」。教授、大爆笑。しばらく笑いが止まらない。教授「なるほどねえ。その学生、彼女がいるんでしょう」山本「でも、他の学生にも受けていましたよ。だから女子大ならともかく、堅いはずの理工系男子学生もみんな知っているんだ、とびっくりして」「それはね、△△っていうからアヤシイものだと思っただけですよ、きっと。授業のあと、検索サイトで調べていますよ、みんな。なんだろうって」「そうか、そうですよね〜」。え、○○△△ですか? それは秘密ですよ。え、ヒント? じゃあヒントだけ。ピタッと付くのは、材料がシリコーンだからです。
まあ、ここまで話が弾むのは同世代同性ならだれでもいいわけではなく、かなり気が合う相手ということでしょう。でも、いつも仕事は一匹狼(オオカミというほどでもないけど、ウサギでもないし、そうか、一匹コウモリってところだ)というのもあって、とても楽しかった。実はこの時に飲んだエスプレッソ(私はコーヒーもあまり飲まない)のおかげで夜、眠れなくなってしまって。それで、この日の話を布団の中で思い出しているうちに「起きて、ブログの下書きをしようかしら」と思ったほど。原稿の執筆もこれくらいノリノリだといいのになあ(笑)。
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