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2007年12月

2007年12月25日 (火)

なぜ手の内を見せるのか

マジシャンの「Mr.マリック」がテレビで、頻繁に手品の種明かしをしているのを見て、「こういう暴露は営業妨害になる、と同業者が怒らないかしら」と気になりました。そしてわが身を振り返りました。つまりこの取材日記ブログです。記者側の手の内を見せるような内容が最近、増えて、「我々記者は、取材先と駆け引きをしてネタをとってきているのに、山本はなんだ!」という意見が出ていないかな、ということです。

業界紙の頼れる先輩記者にそれを聞いたところ、大丈夫でしょうとのこと。「書いてある内容は、たとえば企業広報だとわりと一般的なことでしょ。大学広報はこれまでマスコミと付き合いがなかったから、今は勉強している段階なわけで。ポイントを知らせてあげるのはいいのでは」という反応でした。そうですよね。うんうん。

取材先が、取材側のことや、一般的な広報の方法を知らないために生じるトラブルは、私たちの活動にとってマイナスです。短期間で担当を変えながら【スクープを飛ばす】タイプの記者なら、一回きりのお付き合いだと割り切って、取材先をだますようなこともあるでしょう。でも、私のように担当が長くなると、ちゃんと知ってもらったうえでやりとりした方が、圧倒的にプラスが多い。だからいろいろなことを伝えるのです。広報さん向けの講演会で話をした時のことですが、その後の聴講者アンケートで、「マスコミと敵対する向きがあったが、記者側の話を聞いて、協力する気になった」というのがありましたもん。もっとも、「協力する(してあげる)」かあ、「マスコミを活用してやろう」という姿勢の方がお得ですヨ、と付け加えたくはなりましたが。

そもそも、こちらの立場とか、ちょっとした悩みとか、個人的なこととか、自分から相手に見せる(話したり、書いて知らせたりする)というのは、人と人とのコミュニケーションでは大事なことだと思います。「私はオープンマインドで、あなたを好ましく思っていますよ」と示すことになり、それは広い意味での、親しい関係に進むための第一歩となるからです。ちょっと極端な話で例えると、たとえばうんと社会的立場の高い人が、自分にそうしてくれたら感激しちゃうでしょう? 通常の人間関係だって、ガードを固めたままのガチガチの人よりも、先に胸襟を開いてくれるような余裕がある人の方が、格は上。そういう人のところへ、皆、寄って行きたくなるし、情報だって集まるものでしょう。

Mr.マリックでいうと先日の番組で、若手マジシャン数人をテーブル傍に座らせて手品をし、「さあ、今度は君が同じ手品をやってごらん」というように振るというゲーム(?)をしていました。若手というのもあって、追随できないケースが続出。Mr.マリックは種明かしをし、すぐに次の手品に進むというのを繰り返すという、技術レベルの高さと余裕にびっくりしました。うーん、私も負けてはいられない(笑)。来年のブログでは、取材先のみならず、大勢の同業他社の記者が、ノウハウを盗むべく、ブログを熟読してくれるレベルを、目指すことにいたしましょう。では、皆様、よいお年を。

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2007年12月21日 (金)

記事のネット化と新聞人の気持ち

新聞各紙の過去の記事を見るデータベース(DB)を、最近、,数種類いじりました。普段は主要な新聞を読んで切り取るので間に合っているのですが、キーワードで一斉に探せる簡単さはもちろん、圧倒的で、それを使う必要性が出てきたのです。改めて驚いたのは、「どの記事も同じような顔をしている」ということでした。記事の見出し、本文とも、基本的には(値段の高いPDF出力をしない限りは)横書きの、ずらずらっと並んだ文章で出てくる。「A紙一面」などの情報が別欄に出てくるものの、基本的には一面トップもベタ(一段の見出しに続いてそのまま本文が、べたっと付いているもっとも小さい記事)も変わらない。苦労の末、一面トップで、かっこいい見出しでバーン! と載ったはずの記事は、どこへいっちゃったの? って感じ。

DBでもキーワード一律検索だけじゃなくて、「より読まれている順」「より価値が高いと読み手が思った順」ではっきりと出てくるのなら、いいかもしれないなあ。閲覧数のカウントも、読み手の採点も、ネットだから当然、簡単に計算できるでしょうし。そうすると、ニュースの価値が客観的に示されることになりますね。通常は記事の大きさとかレイアウトは、新聞社のデスクや整理部が手がけています。それって社会が、新聞メディアの知性とか、社会性とか庶民性とか(実は相反するものもあるけど)ひっくるめて信頼して、新聞社に任せることで、成り立っているものです。でも、本当のところは怪しい。「もっと大きく扱われていいはず」と怒る執筆者(記者)や、「A大学の記事はあんなだったのに、我々の記事はどうしてこんなに小さいの」と思う取材された方は、釈然としないですもんね。だから、より客観データが取れるのはいいかもいsれません。

ネットによる大変化は、新聞関係者のだれもが気にしていますが、他業界(出版とか流通とか)と同じく、予想以上の変化に驚きつつも、新たな収入を十分に確立する(つまり新聞社の社員全員に給与が払えるだけの)ビジネスモデルが描けていない、というところではないでしょうか。大事なのは情報というコンテンツであり、その内容の価値創造については、新聞社・新聞記者の長年のノウハウがかなり強いと自負している。でも、記事をDB会社に売っている(日刊工業も含め、どの社もそう)一方で、新聞発行ストップに踏み出す社はまだ、ないわけで。今、定年退職を迎えつつある団塊世代の先輩方は「俺たちはセーフだな」といっているけれど、新入社員あたりは、ねえ。どうなっているのでしょう。私たちの世代は微妙なところかな。「山本さんの記事は、ネット閲覧数がこれだけしかないからねえ。客観的評価ですよ、これは。じゃ、給与は5割カットで」といわれるようになるとか…。むむむ、極端に悲観的な例えになってしまった。なんでもそうだけれど、社会の変化の先端にいなくてもいいけれど、なんとか自分らしく生きていけるだけの柔軟性を、身につけることにいたしましょう。

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2007年12月18日 (火)

さようなら、丸の内

東京・丸の内でビルを借りていた文部科学省が、年末年始の休みを使って、霞ヶ関の新庁舎(中央合同庁舎第7号館)へ移転します。記者クラブを含めどの部屋でも段ボールがごろごろしています。私は4年前、霞ヶ関の旧文科省の建物の建て替えのため、今のビルに文科省が引っ越してきた時に、記者クラブに滑り込みました。よって、4年間を過ごした思い出の地になっています。

ちょうど丸の内が、「大企業本社ばかりの場所」から「ブランド路面店などオシャレな街」に変わりつつある時期で。長いまとめ記事がうまくまとまらない時とか、散歩に出かけたり、書籍の丸善に足を運んだり(あ、上司殿、これくらいはお目こぼしを〜)
、楽しかったなあ。ブランド店は「6万円のハイヒールをどんな人が買うんだろう」って思うウインドーショッピングだけでしたが。同様に、ランチは値段が高くて活用度が中くらいでした。1000円からが普通で、量が少なくて、「丸の内レディはこのくらいでお腹がいっぱいになるの?」って感じで、たいていは文科省ビル地下の500円定食でした。たまたま最近、珍しいことに、丸ビルのトップフロアで食事をするチャンスがあって。窓の外を眺めているともう、あれこれ思い出されて。「ありがとう、丸の内。さようなら」って感極まっちゃう。【幸せな思い出を心に留めて、恋人と別れるていくの…】みたいな感じ。例えですよ、例え(笑)。

仕事の現実でいうと、年末は年始の特集ページの取材・執筆が立て込んでいるうえに、皆さん、「年内にやってしまおう」と考えるらしく、発表やリリースも多くて。取材先には「どっちでもいい話なら、年明けにリリースした方が、大きくとりあげてもらえますよ。どの社もネタ不足の時だから」ってアドバイスしているのですが。今年は私は手がけませんが、来年度予算の財務省原案発表もある中で、引っ越し準備ですからねえ。大丈夫かしらん。新年ブログで、「無事、新オフィスでスタートを切りました」とご報告できますように…。

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2007年12月14日 (金)

答えにくい質問の対応法

政治的場面におけるタレント性が高い方、お二人の発言を巡って、批判が出ています。マスコミ取材を受けての発言が、当初言ったのと、その後のと、「あまりに違いすぎるじゃないか。大嘘じゃないか」という批判です。私はそれらを他マスコミを通じて知っただけですが、その限りでは、というかまあ、本当にそうだったと思われますので、びっくりしました。取材先の皆さんも、「本当のことはいえない」という事柄で、マスコミにつつかれて苦労することがたまにあるかと思います。ので、「聞かれても、答えにくい質問の場合、どう返答するか」のアドバイスを。

基本は、何も話さない。「ノーコメント」というのも同じです。テレビだとテロップで「…」となるのとか、新聞だと「詳細は未公表」とか書いているものがそうです。「こちらからは何もいえません」「正式には何も決まっていません」とコメントするのも、同じことですね。とにかく、内容のある発言がなければ、その人の言葉としてかく訳にはこちらはいきません。長い時間、相手につつかれても、黙っている。黙って耐えることもその担当者の仕事なんだな、とある会見で思ったことがあります。高等戦術? なのが、話をずらすこと。上場企業のマスコミ嫌いの社長とか、ようやっと取材が実現したのに、こっちの質問でいっているテーマとちょっと違うことをで返してくるとか。「煙に巻く」ってありますよねえ。

答えないのが基本だといっても、何にもいわないと、「情報開示をしない後ろ向きの組織」という印象を与えます。取材側は何とか言わそうとして、あれこれ質問を変えてアプローチしますので、きちんと答えられるものに対して、適切に答えるのがよいのでしょう。一番マズイのは、嘘をつくこと。だって、あんまりな嘘をついたと後で分かると、それ以後のその人の発言は何にしても「たぶん、嘘」って思われちゃいますから。「100%ありません」とか、いわなければいいのに、何でいうのかしらん? ○月までやる、といったけど、無理だと判明したのなら、「絶対にやる、と心を決めたのですが、どうしてもだめでした。申し訳ありませんでした」というのが普通じゃないですかね?

これって、別に特別なノウハウじゃないと思うのです。個人的なおつきあいの場面だって同じこと。黙って困った顔をして過ごすか、「そんなのいえませんよ〜」というか、「〜さんはどうなんですか」とか「そういえば、〜って(と話をずらす)」とか返すわけで。このブログで、取材される側を助けるノウハウを書いたように見えますが、「だって、当たり前でしょう? マスコミ側の手の内をばらしてしまうというほどのことではないでしょう」と私は思ったからです。

といっても、私は社会部経験がない(日刊工業新聞には社会部がない)ので、とくに不祥事でのやりとりは詳しくないんです。広報さん向けの研修では、「不祥事対策の広報ノウハウ」がよく取り上げられていますね。よく、「隠すな。すべて見せろ」なんていうけれど、そうはいってもねえ。研修の内容、聞いてみたいなって私も思ったりして。

今日は珍しく、新聞社会面記事&テレビ報道で見た件をきっかけに、ブログを書きました。対象者の名前も出していないし、ブログの内容としては半分くらいは「公共の利益に資するもの」だから、大丈夫ですよね? 「ブログ炎上」とか「ブログ内容で名誉毀損訴訟」といった事件はチェックしていて、脳天気な私といえども、いちおうは注意しているのです〜。

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2007年12月10日 (月)

広報の仕方で相談を受けるも…

親しい人の紹介で、「記者発表したいのですが、どうやったらいいか知らなくて、相談させてくれませんか」と頼まれることがたまにあります。どんなところで、こちらもお世話になるか分からないので、たいていは受け入れることにしています。つまり、アドバイスをしたうえで、他紙と一緒の発表日まで待ち、なんにも知らない記者と同格のフリをするという形。「うち単独だと大きく記事にできるのですけれど…。各紙に載せてほしいというお気持ちも分かりますから。次回はぜひ、単独のご紹介をご検討くださいね」と説明しながら対応します。でもね、相手も広報のプロではないだけに、そこまで譲ってもなお、その後に「何これ!」というトラブルが起きたりするんです。

「じゃ、もう一つ甘えさせて頂いて、リリース資料ってこんなものでいいか、準備したら読んで頂けませんか」。えー、そこまでしてあげるの〜? まあいいか、出来はまままあで、さほどの手間でなかったし。加筆して戻して、発表日がいつに決まったか連絡を待っていたのです。そうしたら、相談に来た機関の相手方(例えば、共同研究相手など)がつくった資料が、弊社の特殊なルートから出まわってきて。問い合わせたら、「ああ、じゃ△社が勝手に出したんでしょう」。あのね、それじゃ発表っていわないんです、あなたが△社にちゃんと抑えを入れておかなくちゃいけないんですよ! 幸い、ほとんど資料が出回る前だったのですんだのですが。さらにもう一つ。「○社さんの記事に今朝、出ちゃいました。HPを見て書いたとしか考えられないんですが」。HPに出しているわけ、発表の前に? あーん、まったく。仕方ないのでその場で即、資料を各社に出す形にしてもらい、私も用意していた原稿を出しました。

「発表まで、相手方から情報が出ないようにするんですよ」「HP掲載は発表と同時以降ですよ」ってところまで、こちらが教えてあげなくちゃいけないんですねえ。手がかかる…。でも、相手は知らないから頼ってきたわけで。前回のブログと同様、相手が私たちの価値判断基準ややり方を理解していなかったから、そのことを私が十分、把握してなかったからの失敗です。次の機会に向けてメモしておきましょうか。しかし、また余計な仕事が増えちゃう…。「こういうノウハウはPR会社さんにお願いするといいんじゃないんですか」と返して、PR会社さんを紹介してキックバックをもらう、というのはどお? あ、冗談ですよ、冗談。多少の迷惑は目をつぶります。「これからもよろしく」ということで。次のチャンスはうち優先をぜひ、お待ちしています。

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2007年12月 5日 (水)

一般紙じゃないけど、一般紙と競っているのです

「リリース配付は○日の予定ですが、山本さんはいつもきちんと書いてくれるので、その日解禁というお約束で、事前取材はいかがですか」。これまでに6回ほど取材しているA氏から提案がありました。さすがですね。発表で他紙さんと同着は仕方ないとしても、こういう提案は、単独取材に次いで歓迎する形です。これは別にずるい形ではなく、プロの企業広報担当者でもする方法です。リリースしても勘違いだらけの記事や、ちっちゃな記事だけだと、発表者も寂しいのでしょう。で、中身がおもしろそうだったので(つまらないときは「発表ならばちょっと…」とお断りします)、こちらから出かけてもまいります。A「○日の発表時間までは絶対に待ってくださいよ。○日当日に、日刊の一面に出たりなんてことはしないでくださいよ」山本「それはお約束ですから、もちろん大丈夫です」と、最後にもう一度、確認してもいました。

それがなんと、○日のライバル紙朝刊の一面に掲載されているじゃないですか!! 何これ、あれだけ私に釘を刺しておいて、この新聞の記者には先の掲載を促していたわけ?! 言ったとおりの、○日の朝刊で。どれくらいエキサイトしたかというと、そのあとに開いた別の記事が、3回読んでもまったく頭に入らなかったくらいです。なんと言って厳重抗議するかで、頭の中がぐるぐる回っていました。ただし、けんかを売らないよう注意しつつ。けんかになるとうっとうしいばかりで、状況はちっとも好転しないと、これまでの経験で分かっているからです。

ところが、電話のA氏は、事前取材を持ちかける戦略派にもかかわらず、私が何を怒っているか分からない態度です。そういうフリをしているんだと最初は思いました。A「面談であんなに時間をかけて説明したのは山本さんだけですよ。あの社の記者は、どこかから聞きかじって電話で聞いてきたから、こういう形です、でも○日に発表しますから、それをみて書いてほしいですね、といっただけ。中身の濃さは全然違うじゃないですか」という。山本「それじゃ発表にならないでしょう。発表にするのなら、問われても【発表までは何もいえません】と通すか、【絶対に先には書かない】と約束させるかでないと。読者に、あの新聞がスクープしたと思われることが問題なんですよ」というと、A氏はよく分からない様子で「???」。 A「 じゃ、山本さんも電話でちょっと話しただけで(ライバル紙記者のケースと同様、発表まではダメですよとはいわなかったとして)、書きましたか?」。今度は私が???の番。この人、何をいっているの、って分からなかった。一瞬の後、「当然ですよ!」と返しましたが、それで確信しました。Aさん、私をだましといて、しらばっくれているわけじゃないんだ。山本は早く掲載することより、じっくり深く書くことを重視しているんだと、日刊工業は雑誌みたいな媒体だと、思っていたんだ…。

あ〜、けんかを売らないでよかった。A氏も理解してくれて、さらに謝りのメールもくれました。そうかあ、日刊工業は一般紙とちょっと違うものね。読み手によって、一般紙と比べたり、一般紙とは関係なく読んだり、さまざまなんだ。発見でした。それだけに、こちらの媒体の特性や希望をちゃんと伝えるってことを、意識していくことにします。

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2007年12月 3日 (月)

一年で一番動き回った日

11月28日(水)は日刊工業新聞主催の産学官連携フェア(モノづくり連携大賞関係含む)があり、一年で一番、動き回る日となりました。弊社でもっとも大きなイベントの一つ、ロボット展をはじめ、複数のイベントが同時開催だったので、相当数の社員がその日は東京ビックサイトに行きました。科学技術部もフェアの紹介記事執筆などで、なんと7人(記者5人にデスクと部長)のうち、行かなかったのは2人だけ。それでも、フェア以外の記事を含めてデスクがちゃんと手配してくれていたから、翌日付の記事不足は逃れられたようです。私はまず…

1)9時半から、モノづくり連携大賞の大賞受賞の北海道大学グループの取材。この件は3年ほど前から私が取材してきたものなので、札幌支社に任すわけにはいかず、皆が一同に集まる時にお願いしたいと考えた結果、表彰式当日となったのです。北大、大企業、地場中小企業、連携支援財団など、えーと名刺をあらためて数えますと、8人が朝から集まってくれました! 

2)11時からその連携大賞の表彰式。当事者のお顔を拝見するのは初めてのものも多く、ステージを注視しつつ…実は【内職】も。次の打ち合わせの思案で、こっそりメモをとったりしていました。

3)12時すぎから、午後のパネリスト3氏に集まって頂いて、お弁当を食べながらの打ち合わせ。私は先に2割、食べてお腹が鳴るのを収めて、全員が集まってからは意見の調整に専念。あらかじめ私は各人に意見を聞き、CCメールなどしていたのですが、初対面の方もいて、「うまくいくかなあ」と心配していました。それが意見がいい具合に飛び交って感激! 「これなら、私(パネルディスカッションの進行をするコーディネーター)がいなくても大丈夫ですね〜」なんて調子に乗っていたら、「いやあ、僕らはほおっておくといくらでも話が飛んでいくから、上手に手綱を締めてよ」といわれてしまった。でもね、話が全然、弾まないケースより、楽しくできそうだと安心して、残りのお弁当を食べきったのでした。

4)1時半から、賞の併催セミナー「戦略的な産学官連携へ〜知材は創出から活用に」(ちなみに、こういったタイトルに頭をひねり、候補を事務局に出すのも私の仕事だったんですよ〜)。東大理事の基調講演と受賞上位3賞の講演を聞き、連載記事への追加活用や、後日の取材ネタ拾いとする。今度は内職ではなく、少し席をはずしてその後の準備も。

5)3時過ぎから1時間、パネリストのミニ講演とパネルディスカッション。パネリストは北大の研究企画部長(企業のような部署名でしょう? 北大が新設して大手企業から来て頂いただけはあるな、という企画力の方です)、産学官連携の初期から携わっている、やはり企業出身のTAMAーTLOの社長、弊社と共催のNEDOの研究開発推進部長というメンバーです。昼休みの打ち合わせ後にも、意見交換がなされていた(私がお弁当にかじりつく間)だけあって、いい議論になりました。

6)5時から、連携大賞の「日刊工業新聞社賞」を受賞した、東京海洋大と神戸の港湾・運送関係団体の件を取材。トラック横転防止という強いニーズがあったこと、実際にトラックを走らせて横転させる実証試験をしたこと、産がメーカーでないこと、などユニークな点が満載。予想以上におもしろく、取材は1時間半に及びましたが、疲れを感じないハッピーな一日の終わりとなりました。

というわけで、現在は、モノづくり連携大賞の受賞グループの連載記事に取り組んでいます。受賞者の皆さんの裏話、苦労話がたっぷりです。明日、4(火)から大学面と科学技術面で連日、載せますのでご覧くださいね!

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