答えにくい質問の対応法
政治的場面におけるタレント性が高い方、お二人の発言を巡って、批判が出ています。マスコミ取材を受けての発言が、当初言ったのと、その後のと、「あまりに違いすぎるじゃないか。大嘘じゃないか」という批判です。私はそれらを他マスコミを通じて知っただけですが、その限りでは、というかまあ、本当にそうだったと思われますので、びっくりしました。取材先の皆さんも、「本当のことはいえない」という事柄で、マスコミにつつかれて苦労することがたまにあるかと思います。ので、「聞かれても、答えにくい質問の場合、どう返答するか」のアドバイスを。
基本は、何も話さない。「ノーコメント」というのも同じです。テレビだとテロップで「…」となるのとか、新聞だと「詳細は未公表」とか書いているものがそうです。「こちらからは何もいえません」「正式には何も決まっていません」とコメントするのも、同じことですね。とにかく、内容のある発言がなければ、その人の言葉としてかく訳にはこちらはいきません。長い時間、相手につつかれても、黙っている。黙って耐えることもその担当者の仕事なんだな、とある会見で思ったことがあります。高等戦術? なのが、話をずらすこと。上場企業のマスコミ嫌いの社長とか、ようやっと取材が実現したのに、こっちの質問でいっているテーマとちょっと違うことをで返してくるとか。「煙に巻く」ってありますよねえ。
答えないのが基本だといっても、何にもいわないと、「情報開示をしない後ろ向きの組織」という印象を与えます。取材側は何とか言わそうとして、あれこれ質問を変えてアプローチしますので、きちんと答えられるものに対して、適切に答えるのがよいのでしょう。一番マズイのは、嘘をつくこと。だって、あんまりな嘘をついたと後で分かると、それ以後のその人の発言は何にしても「たぶん、嘘」って思われちゃいますから。「100%ありません」とか、いわなければいいのに、何でいうのかしらん? ○月までやる、といったけど、無理だと判明したのなら、「絶対にやる、と心を決めたのですが、どうしてもだめでした。申し訳ありませんでした」というのが普通じゃないですかね?
これって、別に特別なノウハウじゃないと思うのです。個人的なおつきあいの場面だって同じこと。黙って困った顔をして過ごすか、「そんなのいえませんよ〜」というか、「〜さんはどうなんですか」とか「そういえば、〜って(と話をずらす)」とか返すわけで。このブログで、取材される側を助けるノウハウを書いたように見えますが、「だって、当たり前でしょう? マスコミ側の手の内をばらしてしまうというほどのことではないでしょう」と私は思ったからです。
といっても、私は社会部経験がない(日刊工業新聞には社会部がない)ので、とくに不祥事でのやりとりは詳しくないんです。広報さん向けの研修では、「不祥事対策の広報ノウハウ」がよく取り上げられていますね。よく、「隠すな。すべて見せろ」なんていうけれど、そうはいってもねえ。研修の内容、聞いてみたいなって私も思ったりして。
今日は珍しく、新聞社会面記事&テレビ報道で見た件をきっかけに、ブログを書きました。対象者の名前も出していないし、ブログの内容としては半分くらいは「公共の利益に資するもの」だから、大丈夫ですよね? 「ブログ炎上」とか「ブログ内容で名誉毀損訴訟」といった事件はチェックしていて、脳天気な私といえども、いちおうは注意しているのです〜。
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