連携協定会見に集まる70人または5人
これは私があれこれ想像して、某大規模大学の担当者に聞いて確認した話なのですが、連携協定は両機関トップがサインする決まりなので、会見になりやすいんですね。産学の共同研究でも単独のものなら、大学側は例えば担当教授などが出てくるのでしょうけれど。それで、協定のサインをしてその後に懇談・食事会が設定されたりするのに、「せっかくだから会見もしましょう」となるらしい。とくに、寄付講座とか外部資金を大学が「いただく」ケースが多いので、大学としては資金提供機関の意向は大事にしなくちゃいけませんから。
とくに続いたT大学のケース、飲料会社Sとの連携協定会見はびっくりしました。Sは昔、取材していた会社の一つです。場所はSグループが運営するコンサートホールの小ホールってところが、いつもと違う、さすがオシャレなSですね。記者席に座ったのは、数えてみると約70人! 普段、顔を合わせるような記者(文科省詰めなど)はいなくて、たぶん食品の業界紙がたくさん来ているのだと思う。CMタレントの会見をするなど軟派な業界だから、「T大と研究で組むんだって!」とかなりのニュースなのでしょう。それから周囲に関係者がわさわさといます。他の会見と違って、連携協定は関係者が大勢、来くるのですよ。最後に両トップ(総長と社長)の、お決まりの握手の写真撮影。どどどと人(カメラマンも、コンパクトカメラを手にした記者も)が集まって、「な、何事?」って驚きました。日本での宇宙飛行士第一号に選ばれた毛利さんの記者会見を、思い出してしまったくらいです。あれは私が入社したてだった頃、うーん、なつかしい(笑)。その珍しさに比べると…、T大の連携協定は20件目くらいでしょう。珍しくない写真は不要と私は判断。忙しい年度替わりの時期だっただけに、「この程度の内容なら30分で書ける、さあ急ごう」と撮影会を横目に出口に向かったのでした。
これに対して、同じT大でも原子力系の機関との連携協定会見は、記者5人ほどだったとか。弊社からは原子力担当の編集委員に出てもらったのですが、業界紙や一般紙でも詳しい記者(社会的に問題になるテーマなので、一般紙でも長く取材を続けている人がけっこういます)が中心だとかで、質問も難しかったそうです。うーん、だいぶ様子が違うなあ。それにしても、軟派にも受けるブランド力プラス、専門家も納得させる研究力と、ともに使ってタイプの違う分野からお金をゲットできちゃう点が、(多くの大学を代弁して)うらやましいといわざるを得ないですね…。
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