欧州出張と英語力
科学技術と社会をどうつなぐかを学際的に議論する会議「ユーロサイエンス・オープン・フォーラム(ESOF)2008」への出席で、スペイン・バルセロナ出張に行ってきました。欧州はこの「科学技術コミュニケーション」最先端地域で、ドイツのロバート・ボシュ財団が各国の科学技術ジャーナリストを同会議に派遣する制度を利用したのです。原稿は現地から送って24(木)の「科学技術・大学」面と、25(金)の「大学・産学連携」面に掲載しました。
実は、英語が思ったよりできなかったんですよ(笑)。社会人になって間もなく、2年間、ベルリッツで週2回のセミプライベートレッスンを受けました。自腹で100万円をつぎ込んだため、熱心さが持続でき(2年間のうち休んだのはわずか2回)、それなりに力も付いたのです。ですがこのところ外国人の友人との交流も、旅行を含めた外国行きもあまりなくて。だって、【世の中にはするべきことがたくさんある】じゃないですか(笑)。通訳なしの会議の派遣に応募する度胸はあったわけですが、英会話力は継続していないと厳しいのを実感しました。
出発前には会議プログラムを見て「このテーマがおもしろそう」「この話で記事を書こう」とアイデアを練っていたのですが、これを現地で大幅に変更。「ネイティブではないが母国語の影響も受けにくい、わかりやすい英語を話す国(オランダとかスイスとか)の人の講演」「パワーポイントや印刷資料がたくさん出る(ヒアリングだけに頼らずに記事が書ける)シンポジウム」「写真がおもしろくて、原稿は少なくても記事になるもの」が優先となりました。実際にシンポジウムなどに出たうえで、理解度を勘案して再検討。なんかいっつも、「やっぱりこれは止めた、あっちの話で記事にしよう」と【優先順位入れ替え作業】をしていた感じです(笑)。
帰国してからも似た状況が…。もう一つ、まとめをお盆記事で計画しているのですが、先の記事と同様に「これがニュース」と単刀直入に書く形ではなく、あれこれ組み合わせて書く読み物記事です。そのため、自分が理解できた中身のうち(笑)、まだ記事にしていない部分をチェックしていました。ところが帰国後、すぐに論説室から「一面コラム『産業春秋』が不足しておりまして。出張の印象がさめないうちに、一本いかが」とリクエストがあって、それに対応。「参加志望書や履歴書を英文で提出のこと、という応募要項を知ったのが締め切り2日前。けれども即対応できたのは、少し前に、親しい複数の大学院生らの活動を聞いて刺激を受けていたから。親や所属機関の資金で留学という恵まれた立場になくても、若い人は各種の奨学金タイプの外国派遣に応募している。それにそれらの制度がかつてに比べ格段に充実しているのに関心していたためだ」という話を書きました。一方、社内の旅費精算とともに書く報告書も「ちゃんといい仕事をしてきたのか」といわれないために文面を工夫します。それと並行してのこのブログです。うーん、限られた内容を書き分ける力量は、この機会に相当上がったかもしれません。
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