« 独自記事の書き比べ | トップページ | ノーベル賞の【知の連携】 »

2008年10月 3日 (金)

【私たちの税金】による国の事業~中間・事後評価について

文部科学省・知的財産本部整備事業の事後報告書の発表を受けて、「大学の知財・産学官連携(上)(下)」を9月26日、30日付で書きました。でもこれ、書きにくかったなあ。というのは、中間発表の時には各大学の相対評価でA~Cが出たのに、今回は絶対評価で、どの大学のどの項目も「概ね十分に達成されている」が並ぶ、という具合だったから。Cが付いてしまう機関のことを考えると、「皆の努力が認められた方がいいから、横並びっぽいけどまあ…」と関係者は感じるのかもしれませんが。

国のほかの事業でも、最近は中間評価でA~Dなどランクを付けて、それに応じて後半の予算配分にプラスマイナスを付けることが増えています。ところがそれに比べて、事後評価にはあまり関心が高まらないのはどうしてでしょうね。「いずれにせよ終わっちゃったんだから」という感覚でしょうか。5年間の某大型プロジェクトの、4年目くらいに取材に行ったとき、省内の某課長が「(中間評価が悪かった)あの機関も、逃げ切りだな」といっていて、「肝心要の課長が(それより上の立場では、実務の実際は分からないだろうから)そういう言い方というのはちょっと…」と思ったことがあります。でも、研究開発の事業など、最終年は本当に【まとめ状態】。それを考えると、中間評価時点で、その活動の全体像を見るというのはある程度、妥当なのかもしれません。

今、中間評価年度で私が興味を持っているのは、文科省の「先端融合イノベーション創出拠点の形成」事業です。1件あたりの予算は国の助成と参加企業の負担が、当初は3億円ずつ。中間評価後に事業対象を絞り込んで、年5~10億円にアップさせるというすごい規模です。絞り込みは3分の1としていたけれど、どのグループも必死で本気だし成果が出ているから、「落とされた3分の2のグループも、もう一年がんばって再提案してもいいよ」と変更になりました(8月19日(火)付大学面で掲載)。実際、私もシンポジウムに出席してネタを多数、ゲットし、支局に回しもしました。ちなみにこの事業、数年前に私が一面トップで抜いたので、気持ちがこもってしまうというのもあります…。

国の事業は【私たちの税金による事業】です。評価は、関係者の事務作業など大変ですが、今の時代に国民の支持を得るには必須のものです。そして、その結果を社会に分かりやすく知らせるのが、マスコミの役割なのでしょう。「事業の事後の話って、スタート時に比べて世間の目を引かないから…」と、思ったときの関係者(記者を含む)の対処法はコレ。 【私たち自身が日々、必死になって働いてる納めた税金が使われている】と思い出すことです!!

| |

« 独自記事の書き比べ | トップページ | ノーベル賞の【知の連携】 »

コメント

コメントの書き方がどうなっているのか? 確認のために書いてみました スミマセン

投稿: 山本本人… | 2008年10月 7日 (火) 21時31分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【私たちの税金】による国の事業~中間・事後評価について:

« 独自記事の書き比べ | トップページ | ノーベル賞の【知の連携】 »