「TLOってうまくいってないんでしょ?」
パーティなどで初対面の人に言われて、うれしい言葉は「記事、読んでますよ」です。さらに「~の記事、おもしろかったですね」は、「いつも読んでいる」状況に【上乗せ】した誉め言葉なので、さらに元気づけられます。これに対してがっくりくるのが、「○○ってうまくいっていないんでしょ?」という発言です。○○には「大学改革」「産学連携」、個別テーマでは「大学発ベンチャー」「TLO」など、何でも入ります。もちろん発言者はこの分野に詳しくはない(少なくとも私よりは)のに、名刺交換して30秒後に、そういう否定的な言い方をされるとむっとしちゃいますよね。どうしてああいう言い方しかできないんでしょう…。
その意味で、「うまくいかないでしょう」といわれ続けて苦節10年、ともいえる(笑)技術移転機関(TLO)の記事を上中下で書き始めました。24(金)大学面の「激変TLO スタートから10年」です。「TLOって日本では今、どうなっているの?」というのは、かなり多くの産学官連携の関係者が感じていることでしょう。
(上)は「成功事例あと一歩」。冷たい世の中(笑)に対して「これでもTLOは、全然うまくいっていないっていうんですか?!」と迫るため、東北テクノアーチが脳トレで06年度だけで10億円獲得したのとか、東大TLOが技術移転対価として持っていた新株予約権の関係で04年度に25億円得たのとかを紹介しました。それらがTLOの明るい話題としてあまり広まっていないのは、「TLO事業の本来の収入ではなかったから」と当事者が控えめで、吹聴していないからなのです。でも「もう少しPRしてもいいのでは? 少なくとも、『うまくいっていない』と発言することが、知識人の証と勘違いしている人を相手にする時は」というのが私の感覚です。
皆様、初対面で自分があまり詳しくない分野の専門家とお話することになったら、ぜひ、こう口にしましょう。「~は最近どうなのですか? あまりうまくいっていないって、書いてあるのをみたのですが、~さんの分析ではいかがでしょうか」って。これなら初対面の印象もいいですし、世間の平均的な見方(うまくいっていない、一辺倒)とは違う具体的な情報もくれるでしょう。次のよい展開につながっていくことは間違いなし、です!
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