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2008年12月 4日 (木)

小宮山宏東大総長、インタビューと講演のタイミング

明日の5(金)付大学面で、小宮山宏東大総長のインタビューを載せます。09年3月に任期終了となる総長の4年間を振り返ってもらいました。「小宮山総長って本当に大学人?」といわれる突出したアクティビティに、私もずっと(もちろん就任時から追っています)引きつけられていましたので、ちょっと力の入った記事になってしまいました。

その中の【記者の目】というコーナーにも書いたのですが、「こんなに大胆なの?」と驚いたのは、総長が打ち出す意外な策に対して、東大そのものがかなり柔軟に受け止めて進んでいる、という点もありました。例えばベンチャーって、一般の日本人には、「一流企業の幹部や高級官僚の席が見えている一番上」の、「次のクラス」の若手がチャレンジする印象がありませんか。でも、東大は大学発・学生発ベンチャーを本気で考えて、学内規則や支援策、教育プログラムといずれも他大学の先頭を切って進んでいます。米国でいわれる「トップクラスの大学の人材ほど、大企業ではなくてベンチャーを志願する」という形が、東大ではある程度、起こりそうなのです。そして社会への影響力としては、「次のクラス」が仕掛けるよりも東大関係者が仕掛ける方が大きいでしょう? 小宮山総長が打ち出してきた各種の仕掛けも同様で、たいへんな刺激を与え続けてくれたと思うのです。

このインタビュー記事、掲載のタイミングに悩みました。次期の総長選が11月27日にあったからです。総長選の前に、現総長の業績を誉める記事を載せると、現副学長の総長候補者(6人中2人いた)を意図的に推しているみたいになってしまう。そこでその後にしたのですが、5日に小宮山総長がこれまでを振り返って大々的に開催する講演会があるので、それと同じ日に当てました。関係ない日に載せるより、「今日、講演する」と入ると、ニュースっぽいというか、話題にぴったりだと思ったからです。日刊工業の愛読者ならば、記事で概要を頭に入れてから講演会に行って、始まる前に「いやあ、小宮山先生も~が××だったよねえ」と知ったかぶりができますよ、って感じかな。

もうひとついうと、一日前の本日4日に、記事の雰囲気をブログで書いたのも同様です。もちろん、ニュースではなくインタビューだし、見出しなどは引いていないので、社としても問題ないな、と判断したうえでです。私のブログを愛読していると「そうか、明日付だな。ちゃんと記事を読んでから講演会へ行こう」と確認できますよ、というわけです。あ、いないか、そこまで目を皿のようにしてブログをチェックしている人は(笑)。自意識、相当過剰?

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コメント

木曜の夜配信作業で、大学面のゲラを
「ざっと」拝見しました。
いつも、思うのですが・・・
このようなインタビュー記事の「記者の目」
的印象などを新聞にQRコードなどで
携帯から読むことが出来るなどあると
すごく良いのになぁ・・・といつも感じているのですが・・・(笑)

投稿: watoson | 2008年12月 7日 (日) 00時32分

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