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2009年1月

2009年1月29日 (木)

インフルエンザと初・自民党本部行き

先週は文科省の同僚(日刊工業新聞では3人が詰めている)の一人が海外出張、そこへもう一人がインフルエンザでダウン。私も一週間前の週末に胃腸炎をやって、ようやく回復した段階だったのだけど、ここは科学技術面サポートにまわるしかないじゃあ、ありませんか。普段、科技面にあまり貢献していない後ろめたさもあるので、いいチャンスかもしれない。幸い、取材予定があまり入っていない週だったので、「記者がいないため、原稿が足りなくなるかも」という話を受けて、科学技術のリリースを一日2~3本、がんばって執筆したのでした。

「助っ人を本社から送るよ」とデスクはいってくれたのに、そちらは待てど暮らせどやってこない。後日、助っ人として名が挙がった本人に聞いたところ、「送り込んだ助っ人までインフルエンザで倒れたら、部は壊滅だ!」と怖れて、計画は立ち消えたらしい。…見捨てられたのね、私。でもまあ、私が悪かった面もある。11月に風邪3週間があったため、「また体調不良になったっていうのは恥ずかしいなあ~。週末の不調で平日には影響しなかったのだし」と体調不良の報告をすぐにしなかったんですよ。「事後報告」にしたのが混乱の元。「不調だって? 山本もインフルエンザか!」と怖れ、幹部としてリスク管理の任務を遂行した、ということでしょう。

それから、「だれか行けないか」というリクエストがまわってきて、自民党本部にも初めていきました。文科省の科技の法案改正にかかわる議論が、自民党文部科学部会で朝8時半からある、ということでした。「マスコミには終了時に資料をくれるので、すばやく受け取ってきてほしい、会議がいつ終わるか分からないので、しばらく待つことになるけれど」ノウハウを伝授してもらって行きました。「政治家は声が大きいし、自民党本部は古いから、会議室の壁に耳を付けると、けっこう聞こえるんだよな」っていううさわ(記者の話)にも興味があったし。もっとも今回はそこまではしなくて、政治家の秘書らしき人たちが、名刺と引き替えに資料を受け取っていくため、そのたびにドアの隙間から声が聞こえるって具合でした。廊下のソファで待てたのでよかったのですが、閉口したのは、ソファの両側に灰皿があって、たばこを吸う人がけっこう多かったこと。今時、建物屋内の廊下でたばこが吸えるなんてところ、あるんですか? って驚きでした。そうして、「やっと終わった、なんとか次の記者会見にすべりこめるかな」と立ち上がるも、「今回の資料はマスコミには配布しないことになりまして…」って。なんだなんだ。1時間半も待ったのに~。まあいいか、記事を書かないですむ、仕事が減った、ということで…。

今回、少しブログの間が開きました。それって、「忙しくて」ということが多いのですが、もう一つのメジャーな理由として「ネタがうまくまとまらなくて」ということもあるのです。忙しかったのは先週のこと、ところが今週もつい、先送りになってしまいまして。ブログを見ている方に「忙しいんだね」と気遣ってもらうと、申し訳ない気がするので、「いえ、実は」と裏を明かしてしまう私です。

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2009年1月19日 (月)

MOT系の財務セミナーに出席

週末に東京農工大学技術経営研究科(MOT)と人材派遣のVSN社が主催するセミナー「わかりやすい財務諸表の読み方」に出席しました。日刊工業新聞の記者は、いちおう全員が経済記者ということになっていて、会社担当に移動する可能性は今もゼロではなくて、そうすると「へ? 山本さんってば編集委員なのに大丈夫?」といわれるなあ、このままだと、と気になっていたのです。それで、土曜日の4時間で無料という、私にとって【適正】な形に引かれて申し込んだのです。先週は体調が悪くて、3連休に倒れていたため迷ったのですが、結果として参加して正解でした。

財務諸表のとりあえずの読み方は、入社2年目くらいと4年目くらいに社内で受講していました。その後の企業担当時代は、苦手のまま「分かる話だけ記事にする」姿勢で4年間、お茶を濁して終わらせました。そのあとずっと産学連携担当だから、自分の理解度はまったく進歩していないだろいうという不安が大きかったのですよ。ところが、もちろん初心者用の講座だったせいもあるのですが、先生の話も上手で、内容が分かるじゃあ、ありませんか! 「質問は?」と先生が頻繁に聞いてくれるわりに、受講生から多く出なかったのを見て、私は4つも質問してしまった。「以前はあまり重視されていなかったキャッシュフローの数字が最近、使われるのはなぜでしょう。黒字倒産と関係あるのかなと思うのですが」とかね。その結果、受講内容の100%が分かったのであ~る! 感激です。こんなにも分かることは、一対一の取材でもそうそうない(笑)。

それにしても、業界担当を離れてずいぶんたつし、新聞の財務・決算記事もたいして読まないのに、どうして理解度が上がったのでしょうか…。取材先の大学人はともかく、企業人とか大学発ベンチャー周辺とかとの、通常の会話の中から、なんとなく理解できるようになったということでしょうか。実務を経験してから、机上で学ぶことの効果を実感しました。

MOTは、学部卒の若い人が直接進学したり、社会人が企業派遣で送られたりというケースもあるのですが、一番多いのは、社会人個人が授業料を出して受講する形です。授業料も安くはないし、仕事との両立で大変なのに、参加した社会人は皆、おもしろくて役に立つと口をそろえます。その、実務経験がある社会人ならではのおもしろさや効果を、私も今回、味合わせてもらった感じです。というわけで、「今日はついている」ってことで、その次へ。次は何かって? それはバーゲンですよ。3連休に動けなかったんだもん。懸案だったロングコートの新調です。購入したものを部屋にかけて(飾って)、いま一度、セミナーとバーゲンの成果をかみしめているのです。

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2009年1月 6日 (火)

単なる情報ではなく【知】を発信するということ

新年最初の私の記事として、6日付け大学面「大学発ベンチャー(VB)アンケート 【大学発】生かし産業に貢献 製造業のR&Dで活用、6割 企業技術者の育成重視、8割」を掲載しました。年末年始もこれにかかり切りで、負担は大きかったけれど、かなりの達成感を得ることができました。VBアンケートは金融や経済学系でよく実施されますが、【大学発】には普通の技術VBとは違う役割があるのでは? という視点で、発明者に尋ねたのが特色です。それに、「金融機関(VC)の出資があるVBと、ないVB」「赤字のVBと黒字のVB」で回答がどう変わってくるのかを調べたのは、通常の新聞社のアンケートではあまりないレベルだと自負しています。

取材先と話していて相手の話に「それって違うのでは」と思うことがあります。一応は反論してみせるけど、相手が主張を続ける時には、無視するしかありません。そのほかの共感した部分だけを記事にします。大半の記者がそういうスタンスだと思いますよ。私も大学発VBの取材において、これまでそうでした。「それは普通のVBについての話でしょう。金融機関や経済・経営系研究者は、急成長・上場のVBにしか興味がないのは分かるけれど、だからといってそれ以外を切り捨てるようないい方はどうかなあ。VCとタッグを組んで上場を目指す大学発VBも、そうでない大学らしい大学発VBも、存在意義がそれぞれあると思うけれど」と心の中で思っていました。このアンケートを手がけるまでは。でも、このアンケートをもって、「乱暴なものいいで批判するばかりではなく、それぞれのタイプに気を配った支援をすべきではありませんか」と、根拠を持って社会に発信しよう、と意識したのです。

キャリアの長い専門記者は、「一般社会は気づいていないけれど、こんな重要なことがあるよ」と発信する、そういう役割があるのだと今回、感じました。情報を右から左に流すだけだと、インターネット情報の信奉者に「記者の批判の目なんか求めないよ」といわれても仕方がありませから。もちろん、取材で新鮮な話に出会い、「そうなんだ~!」と感激する感性も大事です。それは失ってはいけないものです。そのうえで、単なる情報ではなく、手を加えて新たな【知】のレベルに引き上げることが重要なのでしょう。それができるジャーナリストになろう。そう、新年に際して思いました。

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