別業務の出張を活用し、記事と相乗効果
いつもと違う業務で一泊出張しました。中小企業の産学官連携事例で、産・学・官の各キーパーソン別々に話を聞く調査です。普段の取材は首都圏大学と大手企業の産学官連携であることが多いので、楽しみにしていたとおり、「ずいぶん違うな」と感じました。中小企業の技術やアイデアが一番、重要で、開発主体も中小企業となる。それに対して、大学は分析や基盤技術を提供する裏方の役割。これらをつなげたり、助成金の応募情報を伝えたり、コーディネート役をするのが公設試なんですねえ。大学の最先端技術での発明が一番エライ、大都市型産学官連携とはまったく違う。今回ひとつだけではなく、別の案件で行った聞き取りと、それから「モノづくり連携大賞」の地域連携パネルディスカッションの司会体験などを通じて、地域の産学官連携の姿を把握しつつあるという具合です。
訪問した中小企業は、JR単線の駅沿いの機械メーカー。「日刊工業、毎日読んでいますよ」と副社長の弁。ブログ読んでくれている皆様のうち、弊紙を「毎日」ちゃんと読んでくれる人はそう多くないでしょうから(嫌みではないですよ~)、「さすが、機械系中小企業における弊紙のステイタスはすごい」と感じました。それから、県の工業技術センターのような公設試に行ったのも、恥ずかしながら初めてでした。通常の取材活動だけだとまわらないところに行けたわけで、主担当以外の仕事を引き受けるのはこういう効果がありますね。
とはいえ、記者たるもの、「そうなんだ~」と思ったことは、すべて記事にするもの。今回の調査のスポンサーに了解をとったうえで、「地域の産学官連携」で読み物記事を書きます。先の中小企業さんからは新製品のネタももらったことだし。さらに今回、産・学・官の3機関取材とは別に、半日時間があいたことから、地元大学の知財本部にも行きました。「ネタ、あるかなあ。このくらいのクラスの大学だと、どうかな? まあ、元々オマケだから、だめでもともと」との気持ちだったのですが、なんとネタが2つも出ました。結局、全部で読み物1本、面トップ1本、段モノ1本、ゴシップは4訪問先全員で4本の執筆を計画する状態となりました。
実は、このところ本来の担当の取材・執筆以外の頼まれ仕事が多くて、気になっていたんです。社内で「記事、ちゃんと書いているのかね?」みたいな目で見られるのは辛い。とはいえ、出張じゃ時間がとられるのは致し方ない…。それだけに、この相乗効果がうれしかった。時間は本当、貴重です。密度の高い仕事を心がけてまいりましょう。
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