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2009年4月 9日 (木)

記事は「逆三角形」で書くというけれど

4月7日(火)付大学面で「専門職大学院で認証評価本格実施 教育改革へどう生かす 法科・経営系で判定バラツキ 改善活動、社会ニーズ汲め」を書きました。1年前にも、「認証評価って、不適合が出たってそう大問題じゃないんですよ」と書いたのですが、今回は専門職大学院に視点を移して、再び説明。「いったい責任者はだれ? 【不適合】なんて一般人がびびりそうな表現を用いることを決めたのは。制度自体、わかりにくすぎ!」と思っている、大学の皆さんの気持ちを代弁いたしました。

私は最初の執筆では、導入部に法科大学院の「不適合」の話をニュースとして取り入れ、次の段落で制度の説明を入れました。「記事は逆三角形で書け。結論が先、説明は後」と記者は教育を受けますから、その感覚で。ところがデスクから、その原稿に「全然、分からない。専門職大学院は何が新しいの? こういうこと? これは何?」と【分からないジルシ(印)】がいっぱい付いて、ファクスが返ってきました。一年前にこの制度の記事を読んでいるデスクでさえ分からないものが、一般読者に理解できるはずがないですよね…。「分かりにくい話は、最初に説明を持ってくるしかないんだ」と実感して、大幅に書き換えました。

では、大学の研究発表・論文などはどうでしょうか。長いもので抄録が最初に付く場合は、そこで結論を出しているけど、短い発表・レポートの場合、「背景」「先行研究の調査」「今回の研究手法」とあって、その後に「研究の結果」が来るじゃあありませんか。最後までいかないと結論が出てこない…。なぜでしょう。私が考えた理由の一つは、中身が難しいから、です。普段、あまり目にしないような分野の性能で、「△効率が10%を超えました!」と結論をいわれても、「10%っていい数値なの? △効率って何? 最初からちゃんと説明して~」と思ってしまう。それからもう一つ。研究発表などでは一応、聴講者は発表を全部聞く、という前提があるからかな、と思います。最後まで聞いてくれるなら、順を追って、話をだんだん盛り上げて行くのもOKなのでしょう。ま、居眠りの人もいますけどね。

いいなあ~。記事は「分かんない、パス」で読まれずになってしまう…。あ、隣の芝生の青さをうらやんでいてはいけないですね。どんなタイプの話でも、読みやすい記事を書けるよう、研鑽を積むことにいたしましょう。

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