« モノづくり連携大賞と事業仕分けの公正さ | トップページ | 「連携協定 成果はいかに」の新連載 »

2009年12月11日 (金)

「カタール、どうだった?」にうまく返答できず

紙面で11日(金)本日付から、「持続する改革へ カタール 国際教育サミット」の連載を始めました。3回連載です。

この記事の基になる11月のカタール出張後、「カタール、どうでした?」といろいろ聞かれましたが、なかなかいい返事ができなくて。というのは一つは、企業誘致を希望する相手国に合わせた取材だと、カタールの国の社会状況がばっちり説明され、簡単な観光なども入るのですが、今回は違ったせいです。カタール首長(王様)が設立した財団で、王妃様が3年前から計画していた教育の会議(WISE、ワイズと読む)ということで、その辺は力が入っていなかった。ので、カタールの国がどうかというのをちゃんと理解していなくって。高層ビルの建築ラッシュや、食べ物や物品の一流度合い(ホテルが大半だったせいもあるけれど)に感心し、勝手に想像しているレベルです。「カタールは(石油や天然ガスが豊富で、資源価格高騰の恩恵を得て)豊かだけど、イスラム教がしっかりしているから、社会が乱れないのかしらん」とか。だって、男女とも服装が超限定されている(女性は髪だけスカーフでおおっていたり、外国人だからか?まったく普通だったり、一方で真っ黒のドレスで目しかみえない人もいる)のですから、男女関係は派手になりようがないでしょう? そうだ、それからアルコール厳禁というのも大きい! 私はあまり飲まないのでうっかりしていましたが、お酒なしじゃね~、けんかも不埒な行為も激減じゃないですか?

もっとも印象的だったこと。それは、今回の記事にもさりげなく書きました。本文の最初に「…WISE参加者は皆、それを実現していくパートナーだ」と、会議議長が会議の役割を説明し、参加者に呼びかけた文章を入れました。そして、「大学、国際機関…などからの参加者数は約1000人。」となり、あと「教育オピニオンリーダーらは…グローバル教育推進というミッションをここで託された。」という文章が続きます。この、「大学、国際機関…」と、「教育オピニオン…」の間に挟んだ文章がキモなんです。「全員が招待参加だ。」という一文です。

いいですか? 120カ国からの参加者1000人すべてが招待なんですよ!! 元首相なんてエグゼクティブもいて、その人たちは飛行機が当然、ファーストクラスとして、たぶんそのほか全員がビジネスクラス。これは全世界のマスコミ人約50人も同様で、ちなみに私の航空券に記された日本円の価格は、86万円でした。カタール航空のビジネスクラスは、【洞窟のようなドームの中にソファが数席ある!】と感じたくらい、広かった…。ホテル代やら食事代やら、会場運営費用などで一人100万円と仮定して、1000人分はいくらでしょう? 答、10億円、ですよ。まあ、欧州からの参加者の飛行機はそう高くないだろうけれど、王室が直接関係するカタール財団は、この会議に10億円クラスの予算を組んだということです!!

おっとっと、カタールのリッチさに、うっかり我を忘れてしまいました。記事に戻ってみましょう。これは「(リッチな会議へ招待された)1000人が、『あなたたちはこの会議の理念を実現していくミッションがあるんですよ』と念押しされた」という話です。すごいですね。カタール王室が、これは大事だ、社会を変えなくては、という思いを実現するために、10億円を使ってPRした、といいかえることができるでしょう。

この、1000人全員が、ビジネスクラス以上での招待というのが、今回のカタール出張で最大の驚きでした。でもなにしろ、要はお金の話だから、表現するのに躊躇いたしまして。「カタール、どうだった?」と聞かれて、うまく答えられなかった二つ目の理由がそれです。HPに「全員招待」と書いてあったから、実はプレッシャーをかけているということを隠す必要はないんだ、とまず判断。そのうえで、記事で、超さりげなーく、書いたというわけです。念のため、「参加者に呼びかけた」とか「ミッションをここで託された」と書いたので、「全員招待」の分に気づかなかったとしても、記事としていいたいことは伝わるようにもしています。うーん、どうです、この文章力。普通とは違う、カタール自慢話となりました。「ひとりよがりじゃん」といわれないことを祈りつつ。

| |

« モノづくり連携大賞と事業仕分けの公正さ | トップページ | 「連携協定 成果はいかに」の新連載 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「カタール、どうだった?」にうまく返答できず:

« モノづくり連携大賞と事業仕分けの公正さ | トップページ | 「連携協定 成果はいかに」の新連載 »