前回の分析記事を批判される
前回ブログで書いた、1月5日付の本紙の産学官連携記事分析の記事で、批判を受けました。社内の経験豊富なメンバーによる、紙面評価委員会における匿名の発言を読んだのです。要は、「自社の記事を分析して、こういう傾向が見られた、というのは変だろう。ジャーナリズムは、自社外のデータや事実に対しての客観・中立報道でなくては」という反応だと受け取りました。
仕事の内容を批判されるのって嫌ですよネ~。少し前に同じ場で辛辣な批判を受けた同僚は「(自由な意見が出るようにとしているのだろうけれど)批判する側が匿名っていうのはおかしいよなあ。まったくがっくり、やる気をなくすよ」といっていました。私は「評価委員は、各面の現場や実情を知らない、一般読者の立場で読んでの感想をいう。だから、『そういう見方もあるんだ、なるほど、気が付かなかった』というレベルで反省すればいい」と思っていまして。記事を一生懸命読んでくれる、その面の業界関係者の反応とは、同じではないと考えています。弊紙は一般紙と業界紙との中間にあるわけですが、評価委員がいうのは一般紙的な立場、私がいうのは業界紙的な立場ですね。実際に今回はたまたま、「こんなことを書こうと思っていて」とちらっと話す機会があって、取材先・読者の3人が別々に「それはおもしろいね」っていってくれたのですから。
で、今回の件についての私の考え方は以下のようなものです。「一般紙数紙の記事分析で社会の流れを追う」というような客観分析ではないことは十分、承知です。でも、関係者にとって「産学官連携の一般社会への発信って記事によることが多いけれど、ちなみに日刊工業の記事だとどんな傾向なの? 一般紙は産学官連携の記事なんて少なすぎて、傾向は分からないよ」という気持ちは、あるのではないでしょうか。うちの大学面の、担当者の私以外に全国の支社支局や科学技術部記者から出てきた、6年間の1761件の記事が対象なので、まったく客観性がないわけでもないと思います。そして実際に手がけてみて、テーマ別では教育がトップ、2位が大学発ベンチャーだったということが分かるなど、「そうなんだ~」という結果がいくつか出てきました。「記事はおもしろいか、役に立つか」。ほかにはこういう分析はないことを考えると、まあまあおもしろいと思うんですよね。ちゃんと調査の条件は明示しているので、「日刊工業では、こうなんだ」と読んでもらっているわけですし。
ということで、私は別に批判を受けて、怒り心頭ではないもーん、もっとクールなんだよーん、と自らに言い聞かせていました。ところが、あるシンポジウムで眠くなって夢うつつにいろいろ考えていたら、このことを思い出して、そうしたらがぜん!目が冴えてしまったのです。けっこう気にしていたんですね、私…。これからはシンポや会議で眠りそうになったら、悔しい出来事を思い出すということにいたしましょう。
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