事業仕分け、大学評価・学位授与機構での印象
事業仕分けの現場取材をしてきました。秋は出張と重なって出られなかったので初体験です。「大学評価・学位授与機構」は取材をそれなりにしてきていたし、3月の認証評価結果の記者会見も4年くらい出ているしで、どんなだろうって興味もありました。これまでの報道で仕分けの雰囲気は分かっているつもりでした。でも、実際は思っていた以上に強い印象を受けました。
同機構はなんといっても、「認証評価」と「国立大学法人の教育研究評価」という、似ているけど違う事業を手がけているのが分かりにくい。それが順次、議論され、法人化からみの国の制度設計の問題もあって、だいぶ意見が錯綜しました。結局、「認証評価はほかの機関が手がけているのだから、そういうところに任せたらいい」「教育研究評価だって、機構の職員自身がやっているのではなくて、専門家間のピアレビューで(大学教授など)300人に委託している形。だから、ほかの機関と一緒に(公募など)競争させて、実施する機関を選定するべき」という結論になりました。「そういわれてみるとそうだなあ」という結果ですが、それまで「この機関はこういう仕事をする組織」という認識の元に記事を書いていただけに、衝撃的でした。なんていうか…、「はじめまして。どういうお仕事をしているのですか?」で始まって、何回か会って親しくなった人と一緒にいるところに、知らない人がやってきて、「あなた、こんな人とつきあっちゃだめよ。もうここから出ていってもらおうとしているんだから」と断言されたみたいな感じで…。
それにしても残念だったのは、同機構のトップが、評価を開始する前から長年、務めていた木村孟先生では、もはやなかったことです。木村先生は年長だけど超かっこよくて、かつすごく怖い。初取材は、東京工業大学の学長時代だったのですが、その存在感は強烈でした。以前、国の審議会委員に同じ人が重ねて登用されていることを問題視した一般紙の記事があり、木村先生がもっとも多いことを知って、「やっぱりああいう人は、なかなかいないんだなあ」と思った覚えもあります。木村先生が説明者に立っていたら、いったいどれくらい激しい議論になっていたことか。仕分け人を切り倒しまくる情景を想像するだけでああ、うっとり…。
それにしても、仕分けの会場はマスコミの席・場所取りが激しくて、あぶれた私は席なしに。最初はカーペットの上に体育座りしたり、途中から隣の男性記者を見習って、えいやってあぐらをかいてしまったり(もちろんパンツスタイルです)。さらに発言者がだれか確認するために立ったり、後の人に遠慮してすぐ座ったりの【屈伸運動】も。明日は筋肉痛かもしれません。
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