« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »

2010年5月

2010年5月28日 (金)

一面コラムで書く案件は

1面コラム「産業春秋」はベテラン記者らで順番に書いているコーナーです。最近、私が手がけたのは、まず記者会見を受けて4月23日(金)付の大学面に「国際人育成で連携 早大など4大学 英語教育の質アップ」を掲載。その後、5月5日(水・祝)付の産業春秋に書いたというパターンです。

内容は、英会話とコミュニケーション力に長けたグローバル人材を養成する「国際教養系」と呼ばれる(というか自称している)4大学の連携です。数ある大学間連携の中でもちょっと変わっていると思って参加したのですが、「へえ~」というのがあれこれ出てきて。通常の記事には書きにくい、「ね、聞いて聞いて」という話をにおわすような書き方を、コラムでしてみました。

たとえば、国際教養大学と早稲田大学国際教養学部、立命館アジア太平洋大学の3校は、2000年代の新設で、とにかく英会話力が長けた人材育成を手がける、と実利主義てきな点が同じ。でも、これに設立から約60年、年長者も昔から憧れていた国際基督教大学(ICU)も加わったのが意外で。「私たちは新興勢力とは違います!」と、はねつけたりしないんだ~、と感心しました。それに、国際教養大学と立命館アジアの学長は、東京外国語大学など国公立の老舗外国語大学の学長経験者です。古典文学を訳したり、世界各国の地域社会研究をしたりするのが本流だった、伝統的な外国語関係の大学のトップ経験者が、イマドキの英語教育の大学トップになっているというのも、おもしろい。「伝統的な研究を学生にさせたって、社会に出てから何も役にたたないじゃん。それよりとにかく、英会話で外国人と渡り合える人材養成の方が大切だし、受験生も確保できる」という考えかな~って。そのものずばりでは、書いていないですよ。でも、私の感想を雰囲気として漂わせる、という形にとどめています。でも、こういうニュアンスを込めた解説は、通常の記事ではできないもので、かつ読者に「伝えたい」ところところです。

この欄はけっこう便利なのです。産業~大学・産学連携にかかわるテーマなら、ある意味、何でもいい。通常の記事としては仕立て上げにくい、という時でも、この欄ならちょっと書いてあげられる。取材先の皆様、そういうテーマであれば、「コラムで書いたりできませんか」とご提案下さい。小さくて軽い欄でも、まったく載らないのに比べれば、記事は効果があるでしょう? ましてやこの欄はなんと、1面なのですから!

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月21日 (金)

取材先とプレッシャーを掛け合う

先日の1件はいろんな人が入り乱れてのプレッシャー合戦となりました。まずA氏のイベント案内をメールで受け取って、「これは一面に行けるのでは?」と連絡。A「私はちょっと出張なので」と、別のよく知るB氏に受け渡されて、B氏に取材。C新聞も記事を狙っているらしいとのこと。B「当日も3者トップの写真入りで、翌日出せればいいですね」って、先に書いていても同じことをもう一度、載せてという要望かしらん? まあそれは置いておいて、今はこの記事に全力投球を。私「1面行ける内容です、Cも狙っているので急ぎで」と出稿。ところが、ウエブ検索でイベント案内がひっかかるため、一面は難しいとの返答が。うーん、著名企業や大学のHPじゃないから、仲間うちしか見ていないと思うのだけどなあ、まあ「一部公開されている」といわれればそうかあ、仕方がない。ということで科学技術・大学面のトップの予定となりました。C新聞が気になるも、GWと重なって紙面の状況が単純ではないので、「なんとかC新聞より先に…」と祈っておりました。

幸い、Cの掲載は見られず、こちらの掲載日に紙面をあけるとあれれ? 見あたらない。取り置き(先送り)かな?? 確認すると、急ぎ案件が入ったため、それに押されてしまったとのこと。もう一度、新聞を開くと、その大きな急ぎ案件の隣に小さく載っている。あーん、こんなになっちゃって、まいったなあ。その後、C紙夕刊で掲載となったことをデスクの連絡で知る。こちらも、周囲は海外ネタに囲まれて目立たない位置ですね。弊紙の掲載を受けて、紙面の場所はよくないけれど、急いで入れたということでしょうか。合わせて、発表リリースがクラブに投げ込まれました。つまり、私が書いたあとに、他社が後追いをして、さらに正式発表があった、という一番、威張れる形になったのです。

翌月曜の午後が、3者連携協定締結&イベント開催でした。取材したB氏に「小さくなってすみません」と先にメールすると、「C紙は山本さんの記事を見て、それで入れたんでしょう」とのこと。「長くC紙のウエブランキング上位でした」と。スミマセン、うちは地味で。悔しいなあ、C紙とうちではよくあるパターンだけど、まるでC紙が単独スクープしたと思っている読者が、少なからずいるんだろうな。

イベントは午後まるまるで長時間のため、全部は出られない。「トップが参加の協定締結の写真撮影など、盛り上げには加われなかったけど、別に記事を書き込むから勘弁して~」と後半に出席。受付でA氏の部下、D氏(面識有り)と会うと「今回の件、ありがとうございます。御社が一番、早かったですよ」。私「もっと大きく行けるはずだったのですが、小さくなってしまってすみません」。D「載っているって聞いたけれど、どこだ? って探しちゃって」。…そうですね、でも、C紙だって探さないとわからないような掲載場所じゃん。まあしかし、こういうストレートな発言はいやらしくないので、素直に受け止めましょう。私「今日の件でまたしっかり書きますから」と応答。ところが配付資料を袋から取り出してみると、記事はC紙のコピー記事のみ。何だ、うちのは配布してくれないわけ? 「明日付に協定締結の写真入り記事を入れてほしいんだろうなあ、悪いなあ」なんて気づかいは不要だったかも、とちょっと拗ねたりして。

イベント終了後、最初のネタ提供者のA氏に私「記事、小さくなってすみません」、A「いやいや、明日付でまた大きく書いてくれるんだろうから」。明日付はパスです、だってもう発表リリースを配ったでしょ。でも、私は次の大学面の寄せ付けの読み物で、写真も入れて大きく載せました。3者キーパーソンのコメント入り。一番早い掲載を競うのとは違う、読み応えで勝負する長めの記事を仕上げました。

取材先との何段階にもわたるプレッシャー合戦は久々ですね。今回は取材先もちゃんと、弊紙とC紙を対等に扱ってくれたわけだし、よく知った相手とのやりとりだったから、そんなに嫌な思いはしませんでした。会社担当の記者だと、海千山千の広報を相手に、露骨なC紙優遇で本当に嫌な思いをしたりしる。優しいカヨちゃんでさえ、「くそう! △の奴!!」と叫ぶ(心の中で)ことがかつてあって、「会社担当をやっていると、性格悪くなるのでマズイ」と思いましたもん。

私のモットーの一つに「以心伝心は期待しちゃだめ(悪いのは、勝手に期待した方)。何事も話さないと分からない」があります。どんなに親しい間柄でもそう。まして、立場の違う取材先とは何をかいわんや。だから今回のような本音、注文、事情説明は、ある程度は互いに伝えあうことは大事なのです。プレッシャーを掛け合うのもコミュニケーション(笑)。けんかにならないように注意しつつ…。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月13日 (木)

高校の同窓生に出会うと

高校生に対する技術者イメージのアンケート結果が、5月5日付の日刊工業新聞モノづくり面に出ていて、あれっと思いました。というのは、実施対象が神奈川県立厚木高校という、私の出身校だったからです。校長先生が日本機会学会に報告したとのこと。珍しいタイプの記事ですね。私は理工系なので出身大学は紙面で名前を見たり、取材先で同窓と判明したりということが少なくないのですが、高校はそう多くないだけに、なんとなく気になって、同僚にもわざわざ「母校が載っている」と話しかけてしまいました。

以前、ある講座で講師を務めたM化学の研究者の方が、神奈川県中央部の市の出身だと自己紹介したため、「もしかして」と私から話かけたところ、数年上の高校同窓生と判明したことがあります。その次の時に、ランチをご一緒して高校話をと約束したところ、その相手は卒業アルバムまで持ってきてくれたのです。実はお父さまもお爺さまも出身という、筋金入りの家庭でした。高校の同窓話って盛り上がるのだな、とこの時気づきました。

先日、弊社の科技系の大先輩Yさんと、取材先の教授を引き合わせるチャンスがありました。その二人は団塊世代の都立K高校同窓生と私は知っていて。打ち合わせの後のランチ(少し親しくなる場として、ランチは便利ですよね~)の話題にぴったり、と楽しみにしていました。1学年違うため、あまり共通の知人は出てこなくて、「(実家が)老舗の△の、○っていたよね?」「ああ、いましたね」というくらいでしたが。

Yさん「でもK高校って変でしたよね」、教授「変でしたね」、私「変、ってどんな?」。Y「うーん。遠泳とか飛び込みとか、必須なんですよ」、私「そういえば私の世代でも某都立校の大学同級生が、遠泳があったっていっていました。女性でもそうなんだ、厳しいなって驚いた覚えがありますよ」。教授「教師が棒を持っていて、それでつつくんですよ。本当におぼれかけた時は、それにつかまらせるのもあるのですが」。Y「赤フン締めてやるんだよ」、私「?」、Y「入学してすぐさ、ふんどしの締め方を教えられてさ」、私「ええっ」、教授「(赤といっても)エンジ色ですね」。Y「女子学生も同じだぞ」って、それはいくらなんでもないでしょうけれど。私はもともと、団塊世代の若い頃の話を聞くのが好きなのですが、赤フンというのはすごいです。写真、ありませんかね? そうだ、ねえ教授、昔の思い出を語る写真入りコラム「我が友我が母校」に登場しませんか? 読者の目を引いて、その日一番の人気記事になるかもしれませんよ!

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月 7日 (金)

資料整理のバランス感覚

ゴールデンウイークで時間がとりやすいため、職場・自宅ともに溜まっていた資料の整理を手がけています。一つは自宅購読の新聞。一般紙の朝刊は必死の思いでためないようにしている(新聞記者として恥ずかしいから)けど、夕刊と日曜版は、いつでもいい情報が多いので、積んでおいとくことになりがちなのです。それから個人の10年日記。全日程にちょっとずつ書く覧があり、取り急ぎ、見出し・ポイントを6文字程度でメモしていたのを元に、【3行書いて完成させる】というのを2カ月分ほどしました。

職場では、私の記事のスクラップを4カ月分。「昨秋のカタール出張ころから、ずっと忙しかったよね~。そうそう、この記事の取材の時は風邪で声が出なかったっけ」とか思いつつ、いとしい【私の記事】を張り付けていきました。これをすると、ものすごく仕事をした気になって、休み明けからの仕事に向けて元気がでるのですよ。パソコンのファイルは、少し前に「ローカルディスクが一杯です」と出て、「こういうのは、GW前とかまで待ってくれればいいのに~」と思いつつ、処理をしたので大丈夫。あ、名刺ボックスがまだだなあ。

このあと午後は、いよいよ本丸、A4袋に分けて立ててある、取材・執筆済み資料を片づけます。うーん、腕が鳴る。「あんなに探して出てこなかった資料が、なんとこんなところに!」っていう宝物発見の楽しみもありますね。私、時間さえとれるのなら、片づけものをするのが好きなのです。取材先の皆様、文科省へいらした時、12階の「文部科学記者会」へ顔を出してくだされば、私の席だってお見せしちゃいますよ。私は、ジュエリー話のブログで書いたように、モノにこだわらない面があり、どんどん捨てられる。でも一方で、それこそ一般紙日曜版に載っていた「△△のノウハウ」みたいなのは、10年前の切り抜きが残っていて、再び読んでいたりもする。これって、なかなかのバランス感覚、でしょ??

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »