取材先とプレッシャーを掛け合う
先日の1件はいろんな人が入り乱れてのプレッシャー合戦となりました。まずA氏のイベント案内をメールで受け取って、「これは一面に行けるのでは?」と連絡。A「私はちょっと出張なので」と、別のよく知るB氏に受け渡されて、B氏に取材。C新聞も記事を狙っているらしいとのこと。B「当日も3者トップの写真入りで、翌日出せればいいですね」って、先に書いていても同じことをもう一度、載せてという要望かしらん? まあそれは置いておいて、今はこの記事に全力投球を。私「1面行ける内容です、Cも狙っているので急ぎで」と出稿。ところが、ウエブ検索でイベント案内がひっかかるため、一面は難しいとの返答が。うーん、著名企業や大学のHPじゃないから、仲間うちしか見ていないと思うのだけどなあ、まあ「一部公開されている」といわれればそうかあ、仕方がない。ということで科学技術・大学面のトップの予定となりました。C新聞が気になるも、GWと重なって紙面の状況が単純ではないので、「なんとかC新聞より先に…」と祈っておりました。
幸い、Cの掲載は見られず、こちらの掲載日に紙面をあけるとあれれ? 見あたらない。取り置き(先送り)かな?? 確認すると、急ぎ案件が入ったため、それに押されてしまったとのこと。もう一度、新聞を開くと、その大きな急ぎ案件の隣に小さく載っている。あーん、こんなになっちゃって、まいったなあ。その後、C紙夕刊で掲載となったことをデスクの連絡で知る。こちらも、周囲は海外ネタに囲まれて目立たない位置ですね。弊紙の掲載を受けて、紙面の場所はよくないけれど、急いで入れたということでしょうか。合わせて、発表リリースがクラブに投げ込まれました。つまり、私が書いたあとに、他社が後追いをして、さらに正式発表があった、という一番、威張れる形になったのです。
翌月曜の午後が、3者連携協定締結&イベント開催でした。取材したB氏に「小さくなってすみません」と先にメールすると、「C紙は山本さんの記事を見て、それで入れたんでしょう」とのこと。「長くC紙のウエブランキング上位でした」と。スミマセン、うちは地味で。悔しいなあ、C紙とうちではよくあるパターンだけど、まるでC紙が単独スクープしたと思っている読者が、少なからずいるんだろうな。
イベントは午後まるまるで長時間のため、全部は出られない。「トップが参加の協定締結の写真撮影など、盛り上げには加われなかったけど、別に記事を書き込むから勘弁して~」と後半に出席。受付でA氏の部下、D氏(面識有り)と会うと「今回の件、ありがとうございます。御社が一番、早かったですよ」。私「もっと大きく行けるはずだったのですが、小さくなってしまってすみません」。D「載っているって聞いたけれど、どこだ? って探しちゃって」。…そうですね、でも、C紙だって探さないとわからないような掲載場所じゃん。まあしかし、こういうストレートな発言はいやらしくないので、素直に受け止めましょう。私「今日の件でまたしっかり書きますから」と応答。ところが配付資料を袋から取り出してみると、記事はC紙のコピー記事のみ。何だ、うちのは配布してくれないわけ? 「明日付に協定締結の写真入り記事を入れてほしいんだろうなあ、悪いなあ」なんて気づかいは不要だったかも、とちょっと拗ねたりして。
イベント終了後、最初のネタ提供者のA氏に私「記事、小さくなってすみません」、A「いやいや、明日付でまた大きく書いてくれるんだろうから」。明日付はパスです、だってもう発表リリースを配ったでしょ。でも、私は次の大学面の寄せ付けの読み物で、写真も入れて大きく載せました。3者キーパーソンのコメント入り。一番早い掲載を競うのとは違う、読み応えで勝負する長めの記事を仕上げました。
取材先との何段階にもわたるプレッシャー合戦は久々ですね。今回は取材先もちゃんと、弊紙とC紙を対等に扱ってくれたわけだし、よく知った相手とのやりとりだったから、そんなに嫌な思いはしませんでした。会社担当の記者だと、海千山千の広報を相手に、露骨なC紙優遇で本当に嫌な思いをしたりしる。優しいカヨちゃんでさえ、「くそう! △の奴!!」と叫ぶ(心の中で)ことがかつてあって、「会社担当をやっていると、性格悪くなるのでマズイ」と思いましたもん。
私のモットーの一つに「以心伝心は期待しちゃだめ(悪いのは、勝手に期待した方)。何事も話さないと分からない」があります。どんなに親しい間柄でもそう。まして、立場の違う取材先とは何をかいわんや。だから今回のような本音、注文、事情説明は、ある程度は互いに伝えあうことは大事なのです。プレッシャーを掛け合うのもコミュニケーション(笑)。けんかにならないように注意しつつ…。
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