鶴と鮭と取材
記者クラブ詰めの記者は本社に上がるのを避ける傾向があるのですが、私は月2回程度で上がるように心がけています。上司や仲間とも、時々は顔を合わせたコミュニケーションがベターだと思うからです。合わせて、決まって顔を出す先があって、その一つが論説Yさんの席です。今回は…
私「あ、Yさんいたいた。聞いて下さい~、私、勤続20周年のお休みを、9月の連休に合わせて取るんですよ」。Y「お、もうそんなに(入社してから)なるか」。「でも管理部に、『20周年のお休みって、あまりみんな取らないって聞いたのですが』と問い合わせたら、『ほとんど取らないね』っていわれちゃいました」「俺は取ったけどな」「そう? (大御所の)Yさんがとったのなら、堂々と休んでいいですよね。これがあるから遠慮して、夏休みは2日しかとらなかったのだし。うん、やっぱりYさんに聞いてよかった」「で、どこいくの?」「道東です」「おお、ちょうど俺も行ってきたとこだよ。ここに会いに行くといいぞ」と、Yさんは名刺をコピーしてくれました。
釧路市丹頂鶴自然公園の関係者でした。「近く、著者登場(本の著者インタビューのコーナー)で載るからな」「??」。いきさつを確認したところ、旅行でここへ行き、ミニ講演会をやっていたので聞いてみて、まあまあだったので即売の本を買って、宿泊の夜に読んでみたらけっこうおもしろい。で、翌日に電話をしたら幸い、著者がいるというので、再び行って、取材をしてきたとのことでした。すごいですね~。さすが論説。記者の鏡。ということで、私も最終日にここへ行きました。飛行機の時間が迫っていたので、30分だけでしたが。
私の場合は鶴じゃないんですよ。鮭。北海道のサケ。シーズンでしょ。いくつかの川で鮭の遡上が見られると観光パンフレットに載ってはいたのですが、初日にすごい場面に遭遇したのです。夕方の砂浜の海岸で大勢(その日は休日)の人が竿を持ち、大挙して押し寄せる鮭を次々とつり上げ、足元にはあの大きな鮭がごろごろころがっている状態です。こちらは地元1人プラス4人というグループで、初めての光景に狂喜乱舞状態となりました。釣り人にあれやこれや質問し、「私も持たせて!」と両手で持って記念撮影。そのあげく、なんとイクラがたっぷり入っている雌の鮭(3くらいあった)を一匹、タダでもらってしまったのでした。翌朝、連れの実家に冷凍便で送って、そのお裾分けがそろそろうちにも届く頃でしょう。
そんな思わぬ場所に出くわしたのは、私が仕事で親しくなった地元のUさんが、地元でないとあまり行かないところに連れて行ってくれた帰りだったからです。Uさんありがとう、連れの私に対する評価は鰻登り、いや鮭の川上り状態です。お礼はやっぱり、仕事でお返ししましょう。…Uさんの大学ネタ、記事でとりあげますよ。仕事相手に対する感謝は、仕事で返すのが理想。実態より過剰に扱わないように注意しつつ。今回はまあ、仕事における感謝ではありませんが。…でもね、実はUさんの大学訪問、旅行計画を立てる時にちらと考えたんですよ。ここの学長インタビューもしたことないし、って。でも、すぐに打ち消しました。だって休みだもん。20年も働いてお疲れ様、っていう記念だもん。取材はまたの機会に、って即決しました。これってY論説委員とは180度違う姿勢かなあ。ううん、いいんです。だって鮭なんだもん。鶴とは違うんですから(???)。
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