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2010年12月

2010年12月27日 (月)

予算を受けてよい年末へ

大学・科技関連の2011年度予算案、今回はすごかったですねえ。運営費交付金などの基盤的経費は6年続いた削減に終止符、科学研究費補助金なんて、驚きの【上積み】でした。今秋の事業仕分け対象もほぼ満額というのも予想外の展開です。これまでギチギチやってきたのは、実は「予算をこんなにありがとう!」との声を引き出すためだったのでは、と思うほどです。大学関係者にとってうれしい年末になったのではないでしょうか。

私はこの年末、同僚に感謝で終わる形となります。12月頭に本業に隣接する分野での大物イベントがあり、11月末からひどく忙しく、科学技術部の皆に迷惑をかけてしまいました。記者クラブ幹事の週に重なって、私が仕切る会見はイベント後に回してもらったり。デスクに「すみません、どうしても時間がなくて、有休を取らせて下さい」といったその場で緊急の大学関連記者会見があるといわれ、息を飲む(ちょっと大げさ?)も、若手記者が替わりに出席・出稿してくれたり。普段、「コウモリは一人で飛ぶのよ」とうそぶいている私も、「コウモリ同士も仲良く、持ちつ持たれつで」と実感した次第でした。

それにしても驚いたのは、本当に疲れて疲れて、ごはんを食べていても「肩が痛い…」と泣きそうだったこと。ユンケルだ、肩こりに効くビタミン12だ、筋肉緩和剤だと大騒ぎしてなんとか乗り切りましたが、イベント後も1週間、調子が戻らなかったのはショックでした。私、そろそろ更年期対象年齢で、「働く女性の大変な時期がこれから来るのかな」とおののいているのです…。

と、部の皆へのお礼メールにも、この更年期について書いてしまいました。狙いは「これからもご迷惑をかけるかもしれませんが、どうぞよろしく」と伝えるのが目的です。子供の頃は心配性のうえ、甘えることが苦手で「くそまじめ」といじめられた私。それがいつの間にか、甘えることはなぜか上手な大人になってしまいました~。大人の世界では、「まじめ」は半分誉め言葉(半分は、効率よくやれよという助言?)に変わっていたし(笑)。ただし、感謝は忘れないよう心がけています。

今年も紙面やブログの読者に支えられて、年を越せることにも感謝です。実は新年から大学中心ページが減ページとなります。以前、火曜日は大学面と科技面の2ページでしたが、すでに4月から「科学技術・大学」2面に変えて、うちの1ページを大学中心という形にしていました。これが1ページになり、金曜日(大学・産学連携の単独ページをキープ)を除くと毎日、科技との相乗り1ページになる形です。産学連携のニュースが毎日のようにでる時期は過ぎて大分立つので、これはある意味、仕方がないというか当然のことだと、ご理解下さい。でもその分、中身の濃い記事を提供していきますので、読者の皆様、これからもよろしくお願いいたします。では数日早いですが、よいお年を!

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2010年12月24日 (金)

コーディネータ研修と白銀のキャンパスで出張が2回

一週間に二度も一泊出張という、珍しい状況が先週、ありました(正確には片方は有休ですが)。出かける時はなるべく2泊以上を画策し、滞在型ホテルライフが好きな私は、通常なら荷物をたくさん持って行きます。飲み物だけでも、紅茶に緑茶、ハーブティ、ココアスティックにコーヒードリップetc を複数個、持って行きます。でも一泊ですし、広島行きについては「よーし、できるビジネスマンみたいに、荷物は最小限で、いつものカバンででかけよう!」と、新しいチャレンジ(ってほどでもありませんが)をしました。

広島大学に行ったのは、「全国イノベーション推進機関ネットワーク」の中四国地域研修での講演でした。内容は盛りだくさんで、私のほかに文部科学省と経済産業省の担当課長が、施策の説明などを行いました。感心したのはその後の実務コーディネーターらの意見交換まで含めて、2課長がまる半日参加して、みっちりやりとりをしていたことでした。本省の課長は忙しく、イベントで挨拶だけということが少なくないし、意見交換なら産学連携担当の副学長クラスと、というイメージだったので、びっくりです。これはイノベーションネットが両省後押しの重要な機関で、担当者間の人間関係の強さも影響しているのだろうと思うのですが、予算で忙しい師走に(ちなみに、本日18時45分から予算の文科省レクあり。大学モノは来週火付けで、私がまとめ記事をすることになっています)、地方の本当の【現場】とやりとりしている姿は印象的でした。

もう一つは、東京理科大学の北海道・長万部キャンパス。基礎工学部1年生の全寮制のキャンパス行きです。雪がかなり降って、飛行機が新千歳で降りられなかったら羽田に引き返す可能性も、といわれましたが大丈夫で、北海道のさらさら粉雪も、最高気温氷点下も初体験かもしれません。雪国は、バブル期にスキー旅行で行きましたが、車に酔って「まだ4時間あるの?!」とひどく辛かったことを思い出します…。

広島行きでは荷物をコンパクトにしたこともあり、フレキシブルな切符にしておいて、改札口で時間を見て、5分後に発車する新幹線にぱっと乗る、というスピーディーな移動を経験しました。飛行機だって手荷物がなければ、空港着が羽田出発の30分前でも大丈夫となっているし、便利になっていることを実感です。今回、エグゼクティブ並の移動ができたことに満悦です。おっとと、ここで気を抜いて風邪を引いたりしたら、3カ月風邪を引きずった昨冬のようになってしまう、注意しなくては。このあたりが、本当にタフなエグゼクティブとの違いでしょうかね…。

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2010年12月16日 (木)

【アンケートリテラシー】を身につける

弊社の文科省記者クラブの幹事業務が先週、終わりました。私が仕切ったレクの一つが、「理系出身者は文系出身者より年収や役職者比率で優位」という慶応大学・京都大学などのグローバルCOEグループのアンケート結果でした。弊紙はけっこうスペースを取って明日付で掲載です。

今回のはCOEだけあって、もっとも厳密な社会調査手法を採用していました。全国で標本配分数を決めて、選定対象者が調査協力は嫌といった場合は代替をこう選んで…というしっかりしたものです。アンケート(ちなみに、アンケートという言葉は調査という意味が含まれていて、弊紙のパソコンソフトで『アンケート調査』と入力すると『アンケート』と校閲修正がかかります)にはいいかげんなものがたくさんあって、だけどいったんマスコミで報道されると、結果だけ一人歩きしちゃうので、私は注意しています。少し前にきちんと把握する必要があって、社会科学や統計学の教科書をひっくり返して、最低限は身につけたのですから! そして、社会人になる以上、大学の学部教養あたりでほとんどの人が基本を学ぶようにするとかすればいいのに~、少なくとも報道にかかわる人はそういうことを理解している必要があるのではないかな、と思っています。

そこで私がお薦めするのは、「『社会調査』のウソ リサーチ・リテラシーのすすめ」、谷岡一郎著、文春新書です。「社会ですごい話題になったあの調査、こんなに偏りがあるのに、それをマスコミ人は何もチェックしないで、情報垂れ流しじゃないか!」 と大手新聞社の実例を使って辛口で述べられています。

「マスコミの皆さんに…次の三点はチェックしてほしい」と挙げているのは、1.何を目的とする調査か(主催者は誰か、仮説は何か) 2.サンプル総数と有効回答数は何人か。どう抽出したか 3.導き出された推論は妥当なものか です。あと、別な個所で 「比較できないサンプルを使っているのはだめ」というのもありましたね。

1.は「こういう結果ではないか」という、よくいえば仮説、悪くいえば意図が入ってくるため。2.は数が少ないのはもちろん適切でないし、回収率が低いと暇な人しか回答していないという偏りになるし、ウエブでの調査なら高齢者はそもそも排除される傾向だろうとかあるから。あ、これらは私の理解による解説です。

けれども 3.の推論は難しいですね。先日の会見でも、アンケートのデータを受けて、「なぜ、そうなった?」ってQ&Aがたくさん出ました。でも、「なぜかという調査は、今回はしていない」のが本当のところです。だから、私も「~が影響している、と同研究グループは説明する」「~と考えている」と表現しました。見出しはまあ、「~」となっちゃうのは仕方ないとして、読者は「~なんだ」って信じないで、「~という理由は推測なのね」と理解する力が必要です。社会調査論の分野には、「アンケートリテラシー」とかいう言葉があって、報道人や一般人にとっての重要性が強調されているのではないかと思いました。それでウエブで検索したところ、「データリテラシー」という言葉が使われていることを知った次第です。

ところで、この本の著者の谷岡氏ですが、大阪商業大学の学長で、ほかにギャンブル社会学の本などもあるようです。実は、1年前にカタール出張に行ったとき、現地で一緒になって取材もした方です。本をもっと先に入手して、気が付いていれば、あれこれ議論してもっと盛り上がったのになあ。東京だったらすぐ出かけているのだけど、大阪だとコレといった取材もないのに行くのは難しくて。私の「そのうちどこかで、もっとお話してみたい人」リストに載るお一人です。ブログに載せることで、どこからかツテが降ってこないかなあ~と思いつつ。

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2010年12月 9日 (木)

仕事相手のイヤミの球を打ち返す

若い頃は対応できず、ストレスを感じていたのに、さすがに最近はうまくいくようになった事の一つに、相手にいわれた意地悪な【球】を、上手に打ち返せるようになったことがあります。最近、何となくそれを感じるケースが続きました。

ケースA: 山本「ごぶさたしていてすみません、このほど私が~をすることになりましたので、よろしくお願いいたします」、A氏「本当に久しぶりだね。何年ぶり?」、山本「何年ってほどではないですよ。前回が~ですから、1年ちょっとですよ」

ケースB: (先にやりとりがあったうえでの、メールで) Bさん「山本さんみたいに~な人には、もう~しませんから。ご安心を(と相手は怒っている)」、山本「それでお願いします。助かります。私は~なので、そうしていただけるとうれしいです」

ケースC: (体調が悪いので欠席、と伝えてあった相手からの電話で) Cさん「おっ、なんだ元気そうじゃないか」、山本「さっき、1本1000円のドリンク剤を飲んだので、ちょっと元気になったんですよ。高額のものはやっぱり効果高いかしら」。

要するに、相手のイヤミに気づいても、気づかないフリをしたり、正面からではなく斜めから話しをして、合わせて下手に出るという形でしょうか。ムキになって反論したりすると、なんか後で嫌な気分になるのだけど、これだとそれがないことを発見しました。年の功ですかねえ。

若い頃、企業担当になって最初に訪問したときに、嫌な広報さんがいました。「御社の直近の業績はいかがですか」といったら、「おや、先日のうちの決算発表を詳しく見てきていただいていると思ったのに、意外ですね」といわれて、頭に血が上ったことがありました。その時、どう対応したか覚えていないんだけど、悔しくてね。決算の1ページ目は見ていたんですよ。赤字だったから、「なんで逆ギレされるの?」って感じでしょ。でも今だったら、そうだなあ、「決算書は見ましたよ。でも、赤字額がちょっと大きいので、どういう特殊要因があるのだろう、私が勝手な推測をしたら失礼だろうから、きちんと説明していただかなくては、と考えたものですから」でにっこり(ハートマーク付き)、というところ、かな?

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