個人的な感想を書きたい、と思うけれど
宇宙飛行士の山崎直子さんがJAXAを辞めるとの話で、宇宙担当の記者による裏話(なぜ辞めるかの推測)に興味津々です。個人的にね。家庭を持つ女性は良くも悪くも、家庭を持つ男性より家庭の影響が大きい。女性の社会での活躍が華やかになっただけに、女性の家庭の事情のあれこれも目に付くようになっている、と感じます。国会議員の野田聖子さんの先進生殖医療についても、彼女の生い立ちや家族観などを含めて、すごく興味深かったなあ。
こういう話になると個人的にあれこれ考えるし、意見をいいたくもなります。紙面はいくらなんでも無理として、ブログあたりで書きたいな、とか。私なりの実体験による裏付けの意見ではあるんですよ。例えば「国のお金で育成してもらった人は、仕事を通じた社会への十分な恩返しができない場合、実費を後払いしてチャラにするというのがよいのでは?」というのは、女子大出身者(同級生の一部は専業主婦になっている)としての感想です。それから、「積極的な生殖医療を一般に拡大して、例えば妻が亡くなり子が重度障害となったとしても(これは通常の妊娠・出産でも起こりうること)、夫は、生殖医療にチャレンジしてよかったと思うのかしら?」というのも、子どもを持てない現実を前向きに受け入れた経験があるからです。でもね。やはり、ちらっとを越えた個人的な思いは、公には発信しないのが正解でしょう。
理由は、有名人ではないので、自らの考えを表明すべしと社会に求められていないこと。それからもう一つ、「社会が注目してあれこれ採り上げる事柄について、私は強くかかわる必要がない」という考えがあることです。これはね~、専門記者として発表ものより独自記事が好きなのに加えて、博士研究をしたことが強く影響しています。「社会が気づいていないけれど大切なことを見つけ、それを記事や研究論文として社会に発信することが、私の役割であり、存在意義だ」と確信するようになったのです。だって、前の段落のような私の考えも、格別に独創的なものというわけでもなくて、100人が議論すれば何人かが考えつくものでしょう。でも、100人のだれも気づいていない事柄はどうでしょう? 私が主張しなければ、だれもその重要性に気づかない…。そして、それほどの独創性は、やはり小さな個人の体験より、キャリアを積んだ仕事の中でしか生まれてこないでしょう。だから、私のエネルギーはそちらに注いだ方が意味がある…と判断するのです。私って超合理的~。「合理的」って人からいわれることがと嫌みみたいだけど、自分自身はけっこう誉め言葉と思っているのです。
これと似た話でもう一つ。弊紙での1面企画で、記者の体験記を載せる連載が始まりました。初回は「日産の電気自動車で長距離ドライブをしてみたら」で、2回目は「タニタ方式のダイエット体験」です(すみません、新聞は読み終えて処分してしまったので、正しい見出しが分かりません)。本当はこういうの、「私もやりたい!!」なんですよ。おもしろいことは、何でもやりたいタイプだから。でも若手企画だとわかっていたし、そうでなくてもこの内容ではいくらなんでも、読者に恥ずかしい年齢だと思ったし。さらにこれに加えて、自分を納得させたのは「体験記は私でなくてもできるもの。私は、私にしか書けない記事を書こう」という思いです。イソップの「酸っぱいブドウ」(取れなかったブドウに対して、「どうせあれは酸っぱいんだ」と強がる)と同じですけどね、完全に…。個人的な感想はやはり、親しい人に限ったおしゃべりで止めておくことにいたしましょう。
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