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2012年7月 1日 (日)

刊行!「研究費が増やせるメディア活用術」

「せっかくおもしろい技術なのに、そのコミュニケーションでは伝わりませんよ」。科学技術関係の取材ではこういいたくなるケースに時々、出会います。さらに近年、理工系大学院の授業や産学官連携の講演のチャンス、技術コミュニケーションをテーマにした博士研究などを経て、私は自身のノウハウを広く伝えたいと思うようになりました。
 
この気持ちから執筆した初の単独著書、(「研究費が増やせるメディア活用術」(丸善出版 税込価格1995)がこのほど刊行になりました。技術にかかわる専門家と、その分野の専門家ではない人とが知識や思いを共有する〔技術コミュニケーションの手法〕を採り上げたノウハウ本です。実例や私の記事も多用しています。読者には、大学や公的研究機関、企業の若手・中堅研究者や学生を想定しましたが、研究企画、社会連携、広報の担当者や、産学官連携のコーディネーターなどにも、参考になると考えています。

以下、本書の各章と、一部の節タイトルを記します。

1 相手のアンテナが反応する時
 価値があるのは〔役に立つ〕か〔おもしろい〕か/画期的なものは異分野融合でしか出てこない/資金提供側の期待するもの/技術とコミュニケーション力で鬼に金棒

2 記事に採用されるリリースを書く
 
リリース(記者発表資料)配布でも掲載ゼロ/研究発表は三角形、新聞記事は逆三角形/〔正確さ〕より〔わかりやすさ〕/研究成果のエッセンスを要旨にまとめよう/要旨の具体事例

3 報道の特性を押さえてマスメディアをフル活用する
 
メディアによる記事比較事例/一般紙と専門紙、全国紙と地方紙/メディアが順次、扱ってくれるケースとは/発表希望時のいろは/記者クラブが会見を仕切る意味  

4 記者を敵に回さず、味方につけよう
 
記者は個性で記事を書く/素人の会社員でコウモリ種族/オリジナル取材決断の当落線上/シンポジウムは掃いて捨てるほどある/問い合わせの対応でボツか採用か決まる

5 インターネットやアンケートは玉石混淆 

6 「これは!」という話をどう引き出すか  

7 大学と企業、文化が違う相手と付き合う 
捕らぬ狸の皮算用でもめる/利害渦巻く専門家同士の交渉ごと/組織を渡り歩いて力を磨くコーディネーター/大学発ベンチャーの発明者vsプロの経営者

8 熱意とプレゼンテーション力で心をつかむ
 
「私は専門家ではないのですが」/学会と違う記者会見での質問

9 コミュニケーションのトラブルを乗り越えて
 
リスクコミュニケーションに正答はない/求められるのは「真実」よりむしろ「安心感」

アマゾンURL:

http://www.amazon.co.jp/%E7%A0%94%E7%A9%B6%E8%B2%BB%E3%81%8C%E5%A2%97%E3%82%84%E3%81%9B%E3%82%8B%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E6%B4%BB%E7%94%A8%E8%A1%93-%E5%B1%B1%E6%9C%AC-%E4%BD%B3%E4%B8%96%E5%AD%90/dp/4621085387/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1338710561&sr=8-1

ウエブのアマゾン(送料は無料)や書店でのご注文をご案内していますが、そのほかの広がり策もあれこれ検討しています。皆様にお願いです。書評やメールマガジンでのご紹介が可能そうでしたら、ご連絡いただけませんか。配慮できる工夫をいたします。また、講演の企画と併せて本をご紹介できるといいなとも考えています。技術コミュニケーションにかかわる産学官連携、大学広報戦略、社会人博士学生の研究・教育、化学系の研究と社会などが講演可能なテーマです。

本書執筆はプライベートの活動ですし、こんなご提案はごく一部の親しい方にすべきものだとは思うのですが、これを機に! 少し広く呼びかけてみようかと思って記しました。なぜなら山あり谷ありを乗り越えて、本当にようやく、刊行にこぎ着けたのですから…。この山あり谷ありについては、次回以降にご紹介しますね。

本書執筆を通して、私の本業に加えるべきライフワークが「技術コミュニケーション」に固まってきたことを実感しています。今後とも皆様のご指導・ご鞭撻のほどをよろしくお願い申しあげます!!    

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