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2012年11月

2012年11月26日 (月)

年内仕事のスケジュール調整に突入

今年も残り1カ月強、年末&年明けを考えての取材・記事執筆・掲載の調整思案に突入です。親しい取材先には「イベントも発表も、年明けでネタがないときの方が大きく取り上げられますヨ」といっているのですが、年内ぎりぎりは減らない感じですねえ。

発表ものは当事者が、「ちゃんと年内に仕事しました」といいたくて、滑り込みリリースが多くなるのかと思います。でも、記者クラブの皆にしても関心が予算の財務省発表に寄ってしまったり、本当の年末になってくると新聞の頁が減ったりで。「発表されたけど、ボツね」とか、びっくりするくらい小さな記事になったりとかになります。このラッシュは直前にならないと見えてこないので、今できる対策としては「急がない独自取材アポは12月でなくて1月に」という方針でまいります。

でも「ちゃんと年内に仕事しました」といいたい気持ちはとってもわかります。記者としてのこちら側も同じだからです。「掲載が遅れて、先方が首を長くして待っている記事は、なんとか年内に掲載しないと」とあせります。連載の場合、週1や月2なので「この取材先は年明けでもOK、こちらは年内に必掲」と取捨選択です。年明けの特集記事に向けての取材を進める中で、ニュースが出てくれば「年内に突っ込む? でもデスクに、通常の4分の1の大きさにされてしまうかも」と悩むのです。

今年は特別の事情として選挙もありますから、大変です。一般紙ではない弊紙はさほどでもないのですが、先日は親しい大学広報さんから、「大々的な竣工式をしたいと思ったのに、どうも記者が全然、集まってくれそうにない。どうしたらいいだろう」という悩み相談(笑)を受けました。私も「記者クラブ対応ならこうしてみては? ほかにあんなやりかたもPRに効果的かも」とアドバイスしたのですが、地元県庁の記者クラブなんてまったく相手にしてくれないらしい。もともと、科学ネタは県庁クラブだと冷たくされがちなのだろうけれど、資料投げ込みすら嫌がられている様子です。

というわけで今年の年末は、準備万端で余裕を持って&すばやく臨機応変に、仕事を進めていく意識が、多くの人にとって大事となりそうです。がんばりましょう~。

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2012年11月22日 (木)

産学連携のパネル司会で、来場お待ちします

社モノ(日刊工業新聞社の主催事業)でのパネルディスカッションでコーディネーター(司会)の仕事が近くあります。立ち上げから関与している「モノづくり連携大賞」の表彰式と併せ、今年は電気通信大学の梶谷学長の講演や、パネルを企画しているのです。タイトルは「産学官連携に必要なカギとは~社会ニーズに応えるオープンイノベーション」です。12/6午後、如水会館で無料です。

詳細は  http://www.nikkan.co.jp/sangakukan/20121206/index.html 

今年の入賞例も、とくに上三つなどはそれぞれ甲乙付がたいおもしろさです。こちらは弊紙の11月15日付の一面と大学面をご覧ください。

実は、前にブログでも記しましたように、パネルのコーディネーターはとっても大変なので、おっくうな面もあるのです。そのため、実施の時間は「短く短く! 2時間半だなんていったら私は降りますよ!」と事務局にリクエスト。なので1時間の予定です。逆に、これで「中身がイマイチ」といわれるとどうしようもないですね…。社の別のネットワークでもご紹介したところ、けっこう一流企業の産学連携関係者も聞きに来てくださるようなので、それも励みに、しっかり準備をいたしましょう。

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2012年11月19日 (月)

1500字でなくて15000字

知的財産関係の協会の冊子に原稿を頼まれました。数カ月前に連絡のあった字数なら、比較的すぐ書けると思って安心し、締め切り一カ月前に確認の連絡をとったしたところ、「前回は間違えて1500字といいましたが、15000字です」との返事が。15000字?! ちょっとまって、最初の話では、新聞でいうところの「寄せ付け」1回分イメージだったのに、その10回分だなんて!! 新聞では、毎週掲載するような連載を除くと、まず書かない分量です。

たしかに、これまでのその冊子をみると、知財の訴訟の解説など、論文に準ずるような長い原稿が載っています。ま、まちがいない…。ワードの行数と字数設定、ミスするとこれまた辛いので3回くらい計算し直したのですが、やはり膨大な量です。先方に愚痴ったところ、「10000字でもいいですよ」と譲歩案が出て、少しは気楽になりましたが。

この量になると、日々の取材活動から感じたことをまとめるのでは絶対に到達しません。ので、以前の研究の論文と本を活用して、昨日の週末は在宅だったものの7時間も費やして(ちなみにその前の週も使っている)ようやく完成です。

「こんな大事なことを間違えないでください!」と叫びたいところですが、自らの身を守る意識も大事です。最初の段階で「新聞記事だと、紙面の端に載せた読み物記事の一回分ですねえ?」とかなんとかいって、念のための確認をしておけばよかった、次回からそうしようと反省です。

もう一つ反省が。実は最初に示された原稿料が、「へえっ、弾んでいるわね」という高めの金額だったのです。慎重な人だったらその時点で「これはおかしい」と気づいていたことでしょう。「さすが大学関係とは違って企業ベースの協会はリッチ」だなんて、いい気になっていたことを反省します…。

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2012年11月13日 (火)

慎重かつ大胆に~サイエンスアゴラのWEcafeの科技コミュで

この週末、科学技術コミュニケーションのお祭り「サイエンスアゴラ」の一環で、若い科学技術コミュニケーターや志願者の活動であるWEcafe(ウィーカフェ)のパネルディスカッションに、出てきました。

WEcafeブログ http://blog.goo.ne.jp/wecafe/
シンポジウム中継 http://togetter.com/li/405693

パネリストは大学、大学系研究所、企業(日立製作所)の広報さんとマスメディア(私)という顔ぶれでした。WEcafeスタッフやパネリストの活動いきさつを聞くと、「研究者でしたがどうしても広報職をなりたくて、所内で志願してポストを作ってもらったのです~」とか、「所属企業内に広報はあるのですが、外部の研修を受けて認定をもらった〔サイエンスコミュニケータ-〕を勝手に名刺に刷り込んで、なんとなく社内に認めてもらっちゃいました!」とか(いずれも女性)、元気のよさにびっくりです。

聴講者には科技コミュ志願者も多いので、仕事のおもしろさ、難しさ、必要な能力などの質問項目があったのですが、私の場合、なんだかどれも同じ回答に集約されてしまいました…。駆け出し記者の頃は、「科学技術の新しい話を聞いて、そうなんだ!と楽しんで、それを記事にして世の中に伝えられて幸せ」という純粋な(単純な)喜びにあふれていました。若い聴講者にはそういった話がいいのかな?と思いもしました。でも、これは科学技術記者であればだれでも話せる内容なので、「若い人に伝えるべきの、もう少し別のことは?」と考えた結果、集約されたのでした。

それは、「【慎重かつ大胆】というバランス感覚を持って活動を」ということです。例えば、「対立する両者を公平に扱いつつ、何が正しいか見極める姿勢」、「情報受信者と情報発信者の期待を把握しつつ、書くべきことを書く」、「皆が注目する情報も、注目されていないが重要な事柄もウオッチする」、「流行に乗るだけで終わらない冷静さと、社会をよくしたいという熱意」、「相手を気遣いつつ、プロとして判断して押し切る」といったことです。

一般のコミュニケーションでもそうなのですが、周囲に気を使うことに終始していると、動けなくなっちゃう、言いたいこともいえなくなっちゃう、ということがあります。だから、本質や全体を見据えた上で、「自分はこれで行こう」と決断する、ある種の勇気が必要です。もしかしたら、その結果を非難されるかもしれないけれど、それも引き受けるしかないね、という強さです。社会的活動に対する大きな姿勢として、そういう意識を持ってほしいと思うのです。

記者は取材対象が責任ある立場の人ということが多いので、年下より年上が得意(慣れている)面がある気がします。だから若い人に対して、どれくらい先輩顔をするのかというのは難しい。私は管理職ではないこともあって、社内の後輩に対してもあまりアレコレいう方ではないですし。「最近の若い人は、うんと年上のバリバリの人よりも、自分より10歳も変わらないくらいの、身近なロールモデルを求める」って聞いて、なるほどと思ったこともあります。

著書「研究費が増やせるメディア活用術」は若い人へのキャリアアドバイス的なものも割合と意識して書いたのですが、「どれだけ伝わっているのかなあ」という面がありました。それだけに、私の発言を聴講者が一生懸命メモをしたり、スタッフが「山本さんの著書でもありましたが、~なのですね」と誉めて、さりげなくPRしてくれたり(笑)で、「私の思いが伝わったかな」と嬉しくなりました。若い人たちに改めて、「みんなも慎重かつ大胆に、がんばってね!!」。

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2012年11月 3日 (土)

高専の記事を集中取材

高等専門学校の制度創設から50周年の今年、複数のきっかけがあって、高専関連の記事を集中執筆してきました。別に指示があったわけでなく、「これまでリリースを書くしかやっていなかったから、これはいいチャンス。あれこれがんばって書いてみよう」と思ったのです。

高専は大学と同じ「高等教育機関」です。全国51の国立と3つずつの私立、公立の高専があって、全国の地域に根付いています。日刊工業新聞では支社・支局の記者が取材をして地域面で採り上げることが多かったのですが、私は支局記者と違う立場でもあり、国立高等専門学校を統括する国立専門学校機構サイドの記事を中心に書きました。女子学生活性化策、複数の高専による共同研究、各高専の質をそろえるカリキュラム改革、伝統的な工学の区分からイノベーション創出を可能とするコース制の検討etcです。半年で計10本程度、書くことができました。

途中、特定の高専に出向いて見学したり校長(一つの高専のトップ)に話を聞いたりするチャンスもできまして、「高専ってこんななんだ?!」という驚き満載です。学生の進学でいうと、まず中学生のうちに高校ではなく、高専(大半が理系)への進学を決めるというところがすごいですよねえ。私は結果的には理系に進学したけれど、中学なんて数学や理科より国語の方が得意だったから、その若年期の潔い決心に尊敬のまなざしです~。高専は、高校と大学1-2年生に当たる時期の5年間を(本科で)過ごします。卒業して多くは地元中小製造業などに就職しますが、高専内で進学する専攻科(大学3-4年に相当)があります。ほかに国立大の3年生に編入できるルートもあります(東大を含め、受験せずに一流校に進学できる裏ルートともいわれるとか…)。それから専攻科を終えてから大学院に進学までする学生も、近年は増えてきているのだそうです。材料科学で近年、名前を挙げてきている東京工業大学の細野秀雄教授も高専出身なのですよ。

教員でいうと、高専の規模や仕組みは高校と大学の間で、高校の指導に近い仕事が多くて大変です。クラブの遠征引率もあれば、なんと寮の宿直まであるのです! 研究に重点を置きがちな大学の教員と違って、高専の教員は、まずは教育、です。でも、「専攻科専任」の教員だと、研究の比重が大きく、科研費獲得に熱心に取り組むのだとか。知らないことだらけで取材しても楽しかったです。

この集中取材のきっかけは…。まず、大きかったのは、外部から高専関連の寄稿を頼まれたことです。それも論文と同様の形式の数ページの体裁でしたから、「これは適当にはできない」と覚悟を決めました。それから、高専機構の職員が連絡をくれて「文科省からの出向です。前に~で山本さんにお世話になりました」と窓口になってくれたこと。最初の挨拶では思い出せなかったのですが(ごめんなさい!)後日、文科省の名刺ボックスを調べたら、その人の携帯電話メモまで書いた名刺が出てきたくらいお世話になっていました…。それからこの4月からの高専機構の理事長が、前東京農工大学学長でお世話になった小畑秀文先生だったこと。さらに弊社の「モノづくり連携大賞」で、弊社担当者とつながりがあった高専の先生が、「研究費が増やせるメディア活用術」のいっとう最初の購入者(アマゾンでの予約一号)となり、「講演を」と声をかけてくれたことなどです。

これだけ絡んでいたら、集中取材しないわけにはいかないじゃあありませんか(笑)。ただ、逆にいうと「これだけたくさんのきっかけがなければ、取材に手を出していなかったわけね?」という反省でもあります…。取材ターゲットを新しくしていくことは、読者にとっても記者にとっても大事なこと。そして楽しいこと! それを実感しましたので、これからは「これほどたくさんのきっかけはなくとも、新しいものに反応します」と宣言することにいたします。

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