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2012年11月 3日 (土)

高専の記事を集中取材

高等専門学校の制度創設から50周年の今年、複数のきっかけがあって、高専関連の記事を集中執筆してきました。別に指示があったわけでなく、「これまでリリースを書くしかやっていなかったから、これはいいチャンス。あれこれがんばって書いてみよう」と思ったのです。

高専は大学と同じ「高等教育機関」です。全国51の国立と3つずつの私立、公立の高専があって、全国の地域に根付いています。日刊工業新聞では支社・支局の記者が取材をして地域面で採り上げることが多かったのですが、私は支局記者と違う立場でもあり、国立高等専門学校を統括する国立専門学校機構サイドの記事を中心に書きました。女子学生活性化策、複数の高専による共同研究、各高専の質をそろえるカリキュラム改革、伝統的な工学の区分からイノベーション創出を可能とするコース制の検討etcです。半年で計10本程度、書くことができました。

途中、特定の高専に出向いて見学したり校長(一つの高専のトップ)に話を聞いたりするチャンスもできまして、「高専ってこんななんだ?!」という驚き満載です。学生の進学でいうと、まず中学生のうちに高校ではなく、高専(大半が理系)への進学を決めるというところがすごいですよねえ。私は結果的には理系に進学したけれど、中学なんて数学や理科より国語の方が得意だったから、その若年期の潔い決心に尊敬のまなざしです~。高専は、高校と大学1-2年生に当たる時期の5年間を(本科で)過ごします。卒業して多くは地元中小製造業などに就職しますが、高専内で進学する専攻科(大学3-4年に相当)があります。ほかに国立大の3年生に編入できるルートもあります(東大を含め、受験せずに一流校に進学できる裏ルートともいわれるとか…)。それから専攻科を終えてから大学院に進学までする学生も、近年は増えてきているのだそうです。材料科学で近年、名前を挙げてきている東京工業大学の細野秀雄教授も高専出身なのですよ。

教員でいうと、高専の規模や仕組みは高校と大学の間で、高校の指導に近い仕事が多くて大変です。クラブの遠征引率もあれば、なんと寮の宿直まであるのです! 研究に重点を置きがちな大学の教員と違って、高専の教員は、まずは教育、です。でも、「専攻科専任」の教員だと、研究の比重が大きく、科研費獲得に熱心に取り組むのだとか。知らないことだらけで取材しても楽しかったです。

この集中取材のきっかけは…。まず、大きかったのは、外部から高専関連の寄稿を頼まれたことです。それも論文と同様の形式の数ページの体裁でしたから、「これは適当にはできない」と覚悟を決めました。それから、高専機構の職員が連絡をくれて「文科省からの出向です。前に~で山本さんにお世話になりました」と窓口になってくれたこと。最初の挨拶では思い出せなかったのですが(ごめんなさい!)後日、文科省の名刺ボックスを調べたら、その人の携帯電話メモまで書いた名刺が出てきたくらいお世話になっていました…。それからこの4月からの高専機構の理事長が、前東京農工大学学長でお世話になった小畑秀文先生だったこと。さらに弊社の「モノづくり連携大賞」で、弊社担当者とつながりがあった高専の先生が、「研究費が増やせるメディア活用術」のいっとう最初の購入者(アマゾンでの予約一号)となり、「講演を」と声をかけてくれたことなどです。

これだけ絡んでいたら、集中取材しないわけにはいかないじゃあありませんか(笑)。ただ、逆にいうと「これだけたくさんのきっかけがなければ、取材に手を出していなかったわけね?」という反省でもあります…。取材ターゲットを新しくしていくことは、読者にとっても記者にとっても大事なこと。そして楽しいこと! それを実感しましたので、これからは「これほどたくさんのきっかけはなくとも、新しいものに反応します」と宣言することにいたします。

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