現場感覚と俯瞰力~審議会と北城氏講演から
科学技術・学術審議会(文科大臣の諮問機関)の臨時委員にこのほど就任!、初会合に出席しました。一方で、自民党での北城恪太郎日本IBM相談役の講演を記事(4/5付19面)向けに聞き、合わせての感想です。
先に北城氏の、大学改革についての講演から。さすがこれだけの人物になると、話が魅力的で、内容もしっかりしているなあと感心しました。IBMでの国際コミュニケーションの体験やら、多数の国立・私立大学での経営の助言役の経験やら、経済同友会(終身幹事を務めています)の議論やら、すべてがないまぜになって、そのうえでの改革提言です。質疑応答では教員出身などの議員が質問で立ち、自身の視点を述べるのですが、比較的若い方だったりすると、「自分が知っている、ごく一部のところで話している」という印象でした。でも北城氏は、丁寧に応えて、陽気に笑う時もあって、素敵だわ~。
一方、審議会の先端研究基盤。大型放射光施設設備など、研究基盤の整備の方向性を議論するのが役割です。委員はノーベル賞受賞者の田中耕一氏や、女性研究者で著名な川合眞紀氏(理研)、小谷元子氏(東北大)、大島まり氏(東大)などの顔ぶれで、感心しました。男性の委員も取材先として訪問し面識がある組織トップが何人か、出席されていました。私は審議会の委員は初めてなので、会合で最初は「ほかの人がどんな発言をするのか見てから、手を挙げよう」という姿勢でした。そうしたら。意外にも。【組織トップであっても研究現場】というスタンスで、「自身が統括する研究所で大いに困っているのはコレ」という切り口での発言が多かったのが、意外でした。研究者個人に対し、組織トップは管理職。現場感覚というより、俯瞰力が重視されている人、と思っていたからです。
ちなみに、私からの発言は「Spring8については利用する企業側の評価・人気が高いことを取材で実感している。一方でせっかくニーズが多いのに、専用ビームは利用料が高額で、トヨタ自動車に限られるなど、対応しきれいていないという声を聞いたが、現状はどうか。これからの審議事項に挙がっている、研究支援者の配置や利用料金の設定にかかわってくると思うが」というものでした。まあ、スルドイ指摘というより、質問という具合ですね…。
研究の現場の人ではないけれど、多くの現場の声を聞いている。管理職経験はないけれど、管理する組織トップの取材も重ねている。もっと俯瞰的に、日本全体を見る立場の官庁の考えや見方にも接している。それがマスメディア人としての私。現場感覚と俯瞰力の両方が可能で、しかも【科学コミュニティー】の真ん中ではなく、周辺にいるのがマスメディア人。学生時代は研究職志望だっただけに、新聞記者になれてよかったと感じます。この特徴を、委員の活動でも生かすよう意識していきましょう。目標は大きく、北城氏のように広く社会で重要視される存在に…。新年度ですもの、目標くらい、大きくてもいいですよね!
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