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2013年6月

2013年6月23日 (日)

1日の予定6件を軽やかにこなす

先週の某日は6件の予定があって駆け回りましたが、見方によっては【軽やかにこなす】といえなくもない(笑)ので、ちょっとご紹介します。

1.前日夜、大学学長らが集まる席で大臣が挨拶をすることになったとというメールが入って「これ、どういう内容かな」「出ないとマズイかな」と記者クラブの各社で会話した案件に出席しました。結果、ニュースという形ではないものの、「あの席に大臣が出るのは異例。大学改革についてあんな風に強調するとは」というトピックとして、そのうちどこかの記事に使おうと思案することになりました。

2.翌日の文科省の審議会の委員会で扱う内容を、審議会の臨時委員として担当者から説明を受けました。「前回からの流れですけれどこれって、新しい話ですよね?」と確認。審議会は常に公開なので、他社を抜くニュースを書くという形にはなりませんが、ほかの記者とだぶらせずに私が執筆することにしました。一石二鳥。私の場合、取材以外の活動も、かなりの部分で本業にプラスとなる相乗効果が引き出せるのが嬉しいところです。

3.自民党で科学技術イノベーションの委員会があることを朝いちで発見し、「しまった、うっかりしていた、ほかの案件とぶつかっているのにどうしよう」と迷っていました。そこへ幸い、もう一つの案件の対応者が出てきたことから、自民党へ行くことになりました。片道徒歩20分。記者などにもフルオープンで、着席となったのは嬉しいけれど、疲れてうたた寝するのではないかと心配しました。けれども前2人の講演に対し、ラストの某大学名誉教授の内容がおもしろく、「あの案件にこうかかわってくるということね!」と興奮。眠気は吹っ飛び、再び徒歩20分で記者クラブへ戻り、即出稿。小さな記事ですが、これに気づいた方には「いい情報をうちの新聞で得られたでしょう!」と自慢したい内容です。

4.記者クラブでレク。幹事として仕切るのは、かなり以前、クラブ常駐だった同い年のAさんではありませんか。元気そう! 今日は急ぐけれど、明日なら話しかけてみる時間がとれることでしょう。今日は、幹事質問の後にAさんが「各社どうぞ」と振ったところで、すかさず挙手。社名・氏名を名乗ったことから、Aさんにも私がいることが伝わったわネ。回答を受けて、その後の他社の質問が始まったところで席を立ちました。今日は、後ろに案件が入っているので失礼します。実は、同テーマの論説懇談会が先にあって、私は論説委員としてそちらにも出席していました。その時も後の予定が迫っていて、質問を早くしたいと焦っていたのですが、論説懇談会ですからねえ、大御所の論説委員の質問を優先せざるを得ません。で、質問できずじまい。というわけで、似たシチュエーションの2回目でリベンジとなりました。

5.地方大学の産学連携グループの懇親会に途中から参加。地方3大学の学長、副学長らの隣の席をあけておいていただけたのに感謝です。午前中の会議の流れで午後、こちらのグループで集合したのですね。というわけで、「大臣は午前中、あんなふうに強調されていましたが、教育再生実行会議でも…」と【通】ぶってみました。初対面の相手も在席でしたので「なんだこの記者、どこまでわかってるのかい?」とうさんくさげに見られるより、「そのあたりまでわかっているのか」と理解してもらうほうが、その後の会話の深さにも影響するから、というのが理由です。あんまり偉そうに話さないよう、注意しつつですが。実際、地方大学の意外な本音を聞くことができ、「つい、東京近郊国立大学の幹部の話で記事を書きがちだけど、気を付けないといけないな」「大学改革における地方大学の言い分を少し、集中取材してみようか」と思うことになりました。

6.そして最後の予定。美容院行きです。私はヘアカットを、雑誌にも時々、登場する腕のいい美容師さんにもう10数年来、お願いしていて、そこへ向かいます。都心に店を構えていることもあり、カットでもけっこう値が張るんですよ。でも私の髪の毛は多くて癖があって硬くてコンプレックスだったので、その特徴をプラスに転化して上手にまとめてくれるから、この美容院・美容師さんは重要なのです。もう一つ都心美容院のメリットとして、営業は朝遅く夜遅く。曜日によっては21時まで受け付けているんですよ。今回はついに! 長さを短くする方向で髪型の変化に踏み出しました。梅雨なので新しい髪型がうまくはまるかちょっと心配もあります。でもこの日は一日、忙しかったけれどうまく回ったことから、最後を占めるプライベートの活動もきっとうまくいくに違いありません!

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2013年6月18日 (火)

「会見の案内」に内容を詳しく載せないで

「大学も研究機関も、広報も研究者もわかってないのね」と記者クラブ幹事中に何度も思うところがありました。国立大学法人化前などと比べ、一般的な発表ノウハウは皆、よく体得してきていると思うのですが、この点は強調しておいた方がいいと思って紹介します。「会見の案内に、詳しい内容を載せないで」ということです。 

「会見の案内」を張り出したり配ったりする目的は、メディア関係者に「こんな雰囲気でしますので、予定を入れて、ぜひ取材に来てください」というものですよね? だから、研究成果の内容を伝えるにしても、新聞の見出しレベルの短いもので十分です。ところが、「この資料だけで記事、書けちゃうじゃん」と皆で話すくらい、ばっちり書かれているものが少なくないのですよ。それって危なくありませんか? 

今はいろんな意味で、情報管理を厳しくすることは難しくなっている時代です。がっちりした組織やコミュニティーの規律だけでコントロールできる時代とは違う。だから、「事前に出たら困る情報は、OKになるまで見せびらかさない方がいい」というのが私の意見です。

科学技術はコミュニティーがわりと小さく、顔見知りが多いせいか、優しいんですよ。先に詳細な資料がまわってきても、発表まで手を触れない、というマナーがなんとなく浸透しています。でも「なんとなく」というだけです。これに「期待」されても、確実ではありません。「しばり」をつけるという方法もありますが、それは特定の場合であり、しばりなしが原則です。私は若い頃、「聞いた話はすべて書く」って教育を受けましたよ。記者だけではありません。記者クラブの部屋にはいろんな人が来て、張り出し資料を目にしています。

というわけで、幹事期間中、発表希望者とやりとりをする時に、「先に出たら困るのですよね? では内容は、数行に納めた方が安全ですよ」と皆様に念押ししていた私でした。

お知らせしそびれていましたが、記者クラブの幹事1カ月弱が6月頭に終了しました。大物として原子力関係の案件が続き、政府のアベノミクス関連で動きが激しく、取材も多大なものを抱えながらでした。でも、情報集めとして両方の仕事の相乗効果もありましたし、別々に忙しいより一時にきた方がいいかなとも。最後はいくら珈琲を飲んでもだめなくらいの疲れ方でしたけれど。驚いたのは、自宅で朝食をとった後に、どうしても疲れていて10分仮眠(!)することが何回かあったこと。これは新たな体験でした。って、たんに年のせいかも…?

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2013年6月10日 (月)

「イノベーション対話促進」って何?

文科省の産学連携の審議会部会の下に、「イノベーション対話促進作業部会」が設置されているのは知っていました。「何だろう? これ」と思いつつ、ズバリ「これは行かないとまずい」という表題ではなかったため、忙しさをいいわけに傍聴に行かないままでした。その後、産学連携・地域支援課へ行くチャンスがあって、そのことを伝え、資料をもらうと…。何コレ、変わってる~!

先に、書いた記事で内容を説明しますと、6月5日付科学技術・大学面で「産学のアイデア・ノウハウ融合 独創性生かし革新創出 潜在的ニーズ顕在化 文科省が新手法模索」です。【イノベーション創出】をと私も含めあちこちで口にされていますが、「それってどうやったらできるわけ? 潜在的な社会ニーズを掘り起こして、技術とサービスを組み合わすといったことしなくちゃいけないけれど、今までの活動じゃできなかったんでしょ?」という のが問いかけです。そして「デザインンシンキングという思考法が米国や北欧で流行っているので、取り入れてみません?」という議論が展開されたのです。

具体的には、ブレーンストーミングや付せん活用の発想法はいいとして、「ロールプレイング」ってどういうこと? フィールドワークは「産学よ、町に出よう」って感じ? アイデアを伝えるのに映像を活用することで、インスピレーションを刺激する変わった手法ということかな? …とまあ、疑問符がたくさん付きます。【イノベーション創出に向けた、これまでにない対話を促進しよう】という提案ですから、よく分からないのは当然ですね。ちなみに、記事の数日後にまとまった報告書がHPに出ましたので、それはこちらです。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu16/003/index.htm

部会を傍聴するともっとおもしろかったようです。なにしろ、第1回の席配置の図は普通ですが、第2回には主査、主査代理の先生と一緒に、この部会の事務担当をする大学技術移転推進室長も並んで、3人がそろって座っています。第3回は机配置は通常のコの字型ですが、椅子がその内側に置かれ、委員が中央のホワイトボードを囲んで議論したそうです。第4回は、さらに机が6角形に変形しています。一揆の発起人サインで、だれが首謀者か分からなくする傘連判みたいですね~。この場合は委員の上下をなくして、自由に対話してもらうのが狙いだと思いますが。内容も「新しい思考法」ですから、スピリチュアルとかカウンセリングみたいな怪しさも漂うようようで、室長は上司から宗教みたいだといわれたそうです。

イノベーションを含め、新しいことをする時に、簡単な理解を求めてはいけない! ですね。現在、この産学対話促進の具体的手法の提案を、人材研修やコンサルの会社などを意識して、公募しているそうです。どんなものが集まるのでしょうか。その時の記事をまた、お楽しみに…。

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