« 2014年2月 | トップページ | 2014年4月 »

2014年3月

2014年3月27日 (木)

「イノベーション担当記者です」と宣言したい気分

「JST・産総研・NEDO VB支援出資で手厚く 装置・知財・資金を提供」を3.27付の科学技術・大学面に掲載しました。3.17付の同面では「大学発イノベーション加速 4国立大 巨額補正1000億円でVB投資 企業のリスクマネー引き出す」も載せています。どちらも、イノベーション創出に向けたベンチャー(VB)支援で4月から可能となる、国の積極的な支援策です。

さらに3.20付の2面社説では「急進的イノベーション 産学官の好循環を起こそう」で、経済同友会の委員会がまとめた報告書を取り上げ、野路國夫委員長(コマツ会長)の意図を解説しました。「大企業は大学に、国は大企業でなくVBに研究開発資金をもっと出し、成長した大学発VBを吸収するなどの形で大企業の発展を実現させよう」という大胆な提案です。ドイツのフラウンホーファー研究機構が、大学と企業をつなぐ公的研究機関として産学官の中心的位置を占めている状況に、訪問調査でいたく感激したとのことでした。

3記事とも日刊工業新聞らしいテーマで、私の気持ちも強くて、それなりに大きなスペースを割いて書きました。記事の時期が重なったことから、「取材の担当分野を尋ねられたら、『イノベーション担当です』って、産学連携よりも幅広いいい方で宣言したい気分だなあ」とちょっと自負しているところです。

一方、個別の企業の産学連携について取り上げてきた、科学技術・大学面での連載「大学活用法 企業の産学連携戦略」が年度の区切りをメドに終了となります。私の執筆割合が多かったこともあり、「2年で終わらせるの、もったいない」と残念なことしきりです。この企画は、それまで取材したことのない企業の産学連携や研究の担当者にアタックできる貴重なチャンス。そのため私は企業人の多い懇親会にも積極参加し、「御社の産学連携の状況はいかがですか」とツテ構築に励んできました。最近では、ある旧帝大の親しい産学連携教員に、オススメ企業を紹介してもらい、「きゃああ、5社も教えてもらっちゃった、大漁だわ」と喜んでいたのに…。活用できなくなってしまって、申し訳ありません!

何事もそうですが、新しいテーマで動きを始めたら、それまでのテーマで見直すものも出てくる…ということで、ご理解いただけるでしょうか。常に新しいテーマで読者を、社会を刺激していけるよう心がけますので皆様、新年度もどうぞよろしくお願いいたします

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年3月17日 (月)

社説・STAP細胞論文 「問題にすべきは研究者教育だ」 

「若手研究者育成の現状に問題あり」という点で、小保方さん事件は氷山の一角ではないでしょうか。私はそう思っています。14.3.17の2面に社説「STAP細胞論文 問題にすべきは研究者教育だ」が掲載になりました。一般紙は理化学研究所の中間報告会見の翌日、15(土)付掲載で、当方は2日遅れです。それだけに、一般紙の論説委員では気づかないであろう点に迫ろうと工夫をしました。

通常、私が書く社説テーマは、ややマニアック(科学技術・大学の重要な問題ではあるけれど、社の中で詳しく知る人が少ないなど)です。社説原稿の直しも「これはこういう意味なの?」といった指摘が中心です。それに対して今回は、だれもが言いたいことを持っている事件。そのため論説委員の諸先輩方の指導も多数受け、前半の主張は統一見解であった「論文内容が再現できるかどうかを優先せよ」となりました。

後半は、私が以前から気になっていたことが、今回の事件が結びついての主張です。実際の記事より丁寧にここで説明しますと、

・大学院は【研究を通じた教育】を行うところ。修士教育は学部の延長で意識が薄くとも、博士教育は研究者育成のための重要な場だ。卒業して社会人になっても30歳前後など、経験が浅い若手に対しては、独法など所属機関の教育的指導が必要だ。

・論文引用やデータ扱いの【作法】は、博士教育できっちり指導していくべきもの。何が妥当で、何が不正で、何が不正ではないけれど不適切か、などを細かな指導を受けて、「プロフェッショナルとしてすべきこと、すべきでないこと」を身につける期間は、どのような職業であっても欠かせないはず。

・現在の日本の理工系研究室では、それが十分にできていないのが現状ではないか。研究室の教授は外部資金獲得に向けた対外活動で不在続き。雑務を背負って助教クラスは多忙を極める。進学率上昇で修士学生がわらわらといる。そんな中では博士学生は、学部生や修士学生の指導係になってしまう。文系博士教育は作法に極端にうるさく、社会人学生の博士号取得断念を招く一因だが、理工系はかなり甘い。「これで博士号なの?」と思う若手がごろごろしている。

・留学や異分野融合は大事だと思うが、博士修了直後の若手研究者向けの実施がよいのではないか。博士学生の基盤教育ができていないうちにそれらを進めては、企業で飛び回るイノベーティブ人材の養成ならともかく、研究者になる場合は弊害が大きいのではないか。学位取得年数の延長なしに、留学先の外国大学と両方から2学位をもらう、といった【お得】にみえる教育プログラムなど大丈夫だろうか。小保方さんも年齢のわりに、複数の大学・研究機関を渡り歩いていて、筋の通った指導を継続的に受けられなかったのかもしれない。その意味で今回の事件は、若手研究者の育成にかかわるすべての人が、現状を振り返るチャンスではないか。

--このように考えて執筆しました。研究者の教育・育成に対し、実感を持ってして論を展開できる。これは、3年前に私が社会人で博士号をとった(理工系、文系どちらの教員・学会・論文ともやりとりを経験した)ことの、大きなメリットの一つです。

それにしても。私が感心したのは、理研の川合眞記理事の会見さばきの手腕です。すべての発言に理が通っていて、かっこいい! と思いました。野依良治理事長は通常、強く主張したいことがある時の会見やインタビューにしか対応しない主義らしい、と以前から思っていました。そのため、会見といえばいつもライオンのごとく吠えているイメージでしたが、今回は借りてきたネコのようでした。

川合先生は昔から名前が知られていて、おそらく30歳ちょっとの頃、私も取材したことがあるのですよ。今よりはるかに女性が少ない時代に、若いうちから注目されていても、浮かれて道を違えることなく、一流の研究者、独法理事として今、活躍している。すばらしいことです。

事件は、あまねく【他山の石】。個々の人の、組織の、社会の、よりよい発展に生かす材料にしていきましょう。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年3月13日 (木)

東京のビジネスウーマンが失敗する仕事服

仕事の服も春ものに変えようと、ファッション冊子などめくるのは楽しいのですが、大いなる注意が必要です。東京のビジネスウーマン向けに設定されているも、実際にはあまり使えない服が、けっこう多いからです。

例えばスーツやジャケットなど、きちんとした服。人が集まる場で、大勢の男性が皆、スーツを着ている時は、女性もこれらが選択肢になります。秋冬は男性スーツの色も紺や黒が中心なので、なおさら堅めの服が優先され、11月から3月までなら5ヶ月間、着用することになります。でも春夏向けスーツは違います。着られる期間が強力に短いのです! クールビズの浸透で、男性でさえすぐワイシャツ姿になっちゃうから、春夏スーツの着用は4、5月くらいのもの。だから「まあ~ステキ! ちょっと高価だけれど買ってしまおう」と早計するのはアブナイ。2カ月しか着られないものだと理解して、費用対効果をよく考えて購入しなくてはいけないのです。

それから、生地が薄かったり、ノースリーブだったりというブラウスやワンピースもそうです。そういうものに限ってデザインがかわいいので、幻惑されるんですよね。でも4月では寒くて気を付けないと風邪を引く。5月で汗ばむころには空調で送風が入り、すぐに冷房へシフト。いくらクールビズで冷房温度が高め設定といっても、東京のオフィスやレストランでは結局、上着を羽織ってすごすことになる…。会食などしゃれた席や、街中でも、男性は皆、代わり映えのしない白ワイシャツ姿で、女性だけ張り切っておしゃれしていてチグハグというのを実際、目にしますしね。ビジネスウーマンがおしゃれを楽しむのも、なかなか難しいものです。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年3月 4日 (火)

研究成果の記事ご希望では、メディア紹介状況を教えて

親しい大学教授から、「研究成果を発表しました。よかったら記事にしてください」というメールをいただくも、対応を失敗そこねるケースが続いてしまいました。反省です。これまで、著書「研究費が増やせるメディア活用術」や講演で、「発表記事とオリジナル記事では、こちらの扱い方は全然、違う」ということを力説してきたので、「私と親しい先生はその辺をわかっているはず」と勝手に思いこんでいました…。

お願いしたいのは、研究成果の発表というメールでは、「合わせて、メディアへの紹介の状況を記してほしい」ということです。発表という中身が知りたいのです。もっとも気になるのは「△日に地元記者クラブで資料を配りました」という状況なのか、「論文掲載にはなりましたが、マスメディアやウェブでは出していません。日刊工業にだけ紹介します」という状況なのか、です。

多くのメディアに紹介しているのなら、「その大学の担当記者が扱うはず。発表だから記事は小さいだろうけれど。私が書いたらだぶってしまうのでパス」と判断します。でも、「他メディアへの紹介がない」というのなら、こちらの目の色が変わります。1社単独、つまりオリジナル記事として、価値が高いため大きく掲載できるからです。その場合は、「では私が執筆します。ただ、これから取材が続くので今すぐは難しいです。電話取材など、先生のご都合はいかがですか」と連絡することになるのです。

新聞記事は、新聞社・記者にとっては【商品】です。例えば技術を生かしたメーカーの【商品】が、「多数のライバル企業と同じモノを扱っている」なら価値が低く、「ほかの社にはない、独自のモノ」なら価値が高い、というのと同じです。だから、1社単独のオリジナル記事にこだわるのです。このような事情をご理解いただいて、ぜひ次からは 「日刊工業の山本さんのみに紹介です」とお声をかけてくださいね!

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2014年2月 | トップページ | 2014年4月 »