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2014年4月

2014年4月28日 (月)

ゴールデンウイークあっての早朝出勤

「研究開発法人の橋渡し機能強化 基礎研究・実用化の分断解消 経産省 産総研の受託型研究推進 文科省 革新生む若手育成重視」を本日14.4.28付で掲載しました。甘利明経済再生担当相の肝いり案件で、総合科学技術会議や産業競争力会議で提示されたものですが、小さくしか報道されていないようだったので、詳しく解説しました。ゴールデンウイーク(GW)中は、各記者が前もって準備した企画記事が中心で、日刊工業の科学技術・大学面では29(火)付から、新たな記事が入りにくくなります。ので、その前に掲載してもらう必要があって、準備がばたばただったのですが無事、掲載です。

締め切り前に取材アポが入っていたため、執筆は前日からに前倒し。夜の20時、ひ弱な私は疲れがたまってきたため帰宅に変更。朝は強いタイプなので5時起きで、自宅でPCを立ち上げ、原稿を開けようとすると…、ええっ、原稿がない! 書きかけの原稿が、USBにちゃんと入ったことを確かめて、持って返ったはずなのに入っていない。…もしかしたら、職場パソコンに差しっぱなしの移動用ではないUSBに、入っただけなのを間違えたのでは。残念。ということで、さっさと気持を切り替えて、早い出社に変更しました。

早朝出社には楽しみが一つ。記者クラブのドアで、電子錠の番号を私が入力して開けること。まだやったことがなかったので、今回はできるなと期待していました。ところが7時過ぎに到着してみると、残念、すでに開いている…。今回こそは一番乗りだと思ったのに。人気(ひとけ)がないので、もしかしたら掃除の業者さんが開けたのかなあ。

でももう一つ、狙っていた楽しみは実現しました。サンドイッチのサブウェイの、早朝セットを購入すること。ポスターが気になっていて(あまりに価格が安い)いつか買おう、と思っていたのです。結果、費用に見合った分量だという〔発見〕ができました。…と、何でも小さな楽しみに変えてしまう小学生のような私。おっとと、楽しみに気を取られ、原稿がおろそかにならないようにしなくては、ネ。

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2014年4月21日 (月)

野球選手似の研究者と、所属組織の責任

2014.4.21本日付でSTAP細胞論文で再び社説を書きました。内容は、「研究者はプロ野球選手と同様に、個人意識が強い。論文は個人名での成果(野球選手個人の打率やホームラン数の成績に相当)だし、その善し悪しで研究者個人が使える競争的資金がは大きく変動する(選手の年俸に似た形)。活動自体の自由度も高く、人材流動化も珍しくない(選手の移籍)。だから研究関連の不正の責任も、研究者や研究リーダーの個人の問題ととらえがちだ。理化学研究所の責任感の薄さは、研究者コミュニティーのその感覚が影響している。そうはいっても一般社会からすると、理研は責任意識がなさすぎるというのが実感だ。研究者の自由を生かしつつ、組織責任を果たす運営が必要だ」というものです。

この、「研究者と所属組織の関係について、研究者の意識は一般人の意識と違っている」という点は、社内の会議でSTAP論文問題の扱いを議論する中で出てきたこと。私が発言したのに対して、幹部が書いてみてと勧めてくれました。科学技術コミュニケーションのギャップの一つでしょう。事件というものはあまり品のよいものではありませんが、それが起こることで特殊な世界の理解が、一般の間で進むことは効果大です。

論文についても、「執筆内容に沿った再現実験を、査読段階ではやらない」など、一般の人が初めて知ったことが多いと思います。科学技術系の記者でもよく知らなかったことでしょう。研究者なら「当たり前じゃん、ボランティアで研究者がやっている論文体裁としてのチェックなんだから」ですけれどね。……打ち明けると、私だって自分で博士研究に取り組むまで、知りませんでした。

「研究者の世界と、一般の世界をつなぐ」という意識は、科学技術記者に共通のもの。でも、多くは「研究成果を対象として」に限定されがちです。幸い私は、科学技術行政や、大学・産学連携担当です。ネイチャー投稿の経験はないけれど(笑)、博士研究のあれこれは文理の違いを含めて、知っているところでもあります。独自視点を入れた記事を書く、これができる幸せを心に刻み、これからも精進してまいりましょう。

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2014年4月15日 (火)

〔早い者勝ち〕となる時期~論文、特許、記事

小保方さん論文問題で研究・実験ノートが注目されて、山口大学の産学連携の親しい先生からメールをいただきました。「発明の権利を明確にするために、山口大学が研究ノートを作成(コクヨと共同)しました、という記事を山本さんが書かれたのは約10年前ですね。さらに今回の件で、中央官庁やメディアからの問い合わせがたくさん、来ましたよ」と。そう、実験・研究ノート管理は、研究不正防止もありますが、特許などの知的財産権確保を意識したものでもあるのです。

新しいことは基本、〔早い者勝ち〕。論文なら、掲載日で勝負が決まります。競争の激しい分野では、研究データそのものに加え、査読やりとりを経て掲載に向かう段階でも、落ち着かなくて辛いことでしょう。

一方、特許は日本など多くの国が先願主義。特許庁への申請書類の先着順で決まります。もっとも米国では過去長い間、先発明主義でした。先に思いついた方に権利がある。そのため「研究ノートは毎日、日付を入れて、後で手を入れられないよう余白をなくし、その日の終了のラインを引き、上司のサインをもらうことで、『この日にこんな発明をした』という証拠にする」と、米国研究機関での勤務経験がある研究者が最近、教えてくれました。

それで、新聞記事の場合。これはもちろん掲載での〔早い者勝ち〕です。論文も特許もライバルがどう動いているか見えない(断片的なうわさくらい)中で進めるのに対して、少しは様子が見えるところが悩ましいのです。取材時に「他メディアやウエブでのご紹介はどんな具合ですか」と聞くので、「メディアの取材はこれまでありません」など、雰囲気を知ることができます。大ネタであれば他メディアと競る可能性が高いので、もちろんすぐに出稿します。でも中ネタだったら…。「出稿記事が立て込んでいるから少ししてからで大丈夫だろう。それよりこのネタが急ぎ。ほかの締め切りも続いているし」と調整してしまいます。そしてある日、他紙の紙面を見て「しまった!!」となることがある…。

実は最近も一つ、これがありました…。「取材したらすぐ執筆・出稿を」との教育を受けてきているのですが、それは「ほかの記事も仕事もデスクの事情も、何にも関係ないよ」という状況(駆け出し記者か、スクープ記者か)に限られるのが現実で、と言い訳してしまいます。

実は逆もあります。他メディアが取材済みだとわかったことで、即出稿、デスクに伝えて超特急で掲載してもらう形です。これは、してやったりの方ですが、早い者勝ちの競争はやはり心が落ち着かない。いっそのこと、取材の段階で勝負が判明して、その後に悩む必要がない「先取材主義」にするというアイデアは、どうですかネ?

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2014年4月11日 (金)

「自分が小保方さんの立場だったら」という想像

「自分がその立場だったら」と考えることが、私はわりと多いタイプかもしれません。例えば凶悪殺人事件で、被害者への哀悼はもっともで、だれもが口にすることですよね。その一方で私は、「加害者の親御さんはどんなに辛いことだろう」と考えてしまうのです。自分は子どもを持たないのに、というか、だからこそ「子どもを授かるという幸せに恵まれたはずなのに、なんて気の毒な。人生は恐ろしいものだ」という感想を持ってしまうのです。

その意味で、理化学研究所の先日の小保方晴子さんの会見は非常に印象深いものでした。社説を執筆中なので、ブログでは単なる感想で述べますね。会見を見て、「自分があの立場だったら、どう振る舞えるだろうか」と想像してみると、「すっごい根性のある人だな」と驚かずにはいられません。「プロの研究者なのに、あまりにひどい」という意見はわかるけれど、それを全部、飛び越しての感想です。30歳、社会人になって3年程度の経験です。博士課程修了という研究者キャリアを経ているので、一般的な若手社会人とは同じではないけれど、でも社会人3年目の自分がどんな程度だったか考えると、ねえ。「今朝も夕方もその翌日朝も、新聞の一面トップがずっと自分をやり玉に挙げている」日が続き、さらに雷雨のようなフラッシュがたかれる記者会見を、弁護士は付いているとはいえ実質、1人でこなすなんて…。すごすぎます。

今の時代、ベンチャーを創業・上場まで持って行った20歳代とか、大手企業社長でも40歳代とか、続々と出ています。だから「自分の若かった頃は」という感覚は持ってはいけないとは思います。でも、超大物タレント・スポーツ選手だって、ノーベル賞受賞者だって、あんなにも新聞一面トップが続くことはないでしょう。思うに匹敵するのは、故田中角栄のスキャンダルくらいしか、ないのではないでしょうか。

当日の会見は、職場で音声をちらちら聞きながら、別の仕事に携わっていました。それが帰宅後、テレビでこれでもかこれでもかと彼女の、それもアップが放映され続けるのを目にして、眠れなくなっちゃいましたよ。刺激が強すぎて。うちのテレビはちょっと事情があって、畳一畳くらいの巨大画面(何インチと呼ぶのかなあ)ですから、参りました。そのうち自分が小保方さんになった夢を見るかもしれません…。

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2014年4月 3日 (木)

記者クラブでは地味にしている私

大臣会見の場は、参加記者がだいたい決まっているので、記者それぞれの質問の仕方や傾向が見えてくる面があります。私は質問もあまりせず、地味にしている方です。このところ、発言したのを振り返ると、同じパターンだったのに気づきます。「ええっ、今の大臣の発言ってこういうことなの??」と驚いたところに、「大臣は後の予定が入っていますので」と質疑応答を終了しようとする声。「待ってよ、このままでは記事が書けないじゃない」と思って即、口を挟みます。「日刊工業です。それは~ということですか?」と。続いて他社からも、そのことを別の角度から確認する質問が入り、実際各社ともその部分を記事にしています。だから、「ああよかった、私の質問は内容もタイミングも大丈夫だったんだな」とほっとするという具合でした。

先日、広報さんの送別会で1次会からカラオケルームだった時、地味な私は9割方は歌わないつもりでした。ところが他社の記者とのおしゃべりが予想以上にはずんだうえに、そのおしゃべりの相手が次々と、歌謡曲全盛時代の80年代の歌を披露したことに、背中を押されました。若い時にリアルでその曲を聴いていなかっただろう世代でも、80年代の歌なら共有できるんだと自信を持ちまして。意を決して、リクエストをいれました。【ピンクレディー】を。私はリアルで経験していましたから。皆さん、声をそろえて歌ってくれてありがと~。

ところがこれ、タイミングがぎりぎりでした。お開きの時間が迫っていて、その後すぐ、送別の当事者の挨拶に入りました。あ、あぶなかった。意を決してリクエストを入れたにもかかわらず、ボツになったら…。涙。「記者クラブでの私なんて…」とますます暗くなっていたに違いありません(笑)。

というわけで、「よいタイミングで皆となじめる」ことにちょっと自信を持ちました。そうです、一年のうちもっとも緊張する、記者クラブ幹事のシーズンがまもなくやってきます。皆様、地味な私をいじめないで、優しくふるまってくださいね~。

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