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2014年5月28日 (水)

著名研究者の講演料相場

「その方だったら秘書を通さないメールアドレスをいただいているんですよ、私。フフフ」。社内で、著名研究者の講演仲介を頼まれて、私はこう返しました。受けてくれるのでは、とちょっと自信もありました。ところが。「△賞受賞以来、講演以来が急増。そのため、専門分野の本業の研究にかかわる講演のみに絞っており、約2千件の講演依頼を一律にお断りしている」との返事でした。す、す、すごいですね。2千件の例外なき1件となっても、これは致し方ないところだと納得しました。

この関係で、講演謝礼の相場など、以前の情報と合わせてなんとなく理解するところになりました。理工系の場合、大学や学会の間での講演依頼は頻繁にあって「お互いさま」の面があるとのことで、研究者として著名な方にも、比較的お安くお願いしているようです。でも、メーカーやセミナー会社が実施する講演の場合は、「最低、△万円」との話も聞きました。なるほど、そんなところかなという金額です。

ところが。経済・経営系の著名大学人、どちらかというと「研究者」というより「有識者タレント」という感じが強い人は、跳ね上がるようです。「あの人は○万円以下のものは受けない」といううわさも耳にしました。テレビ出演の謝礼が高額と聞いているので、それに引っ張られるのもあるのでしょう。とはいえ、ほとんどの文系の大学人はそういう話と無縁ですから、文系は研究費も個人収入(非常勤講師掛け持ちで生活しているケースもある)も、潤沢さの幅が理系より大きいといえそうです。

取材にいっても、経済・経営系の著名人は記者(私)に対する対応が冷たい気がします。「取材にくる大勢のメディア人の1人。名前どころか所属も覚えておく必要もない」という感覚かなあ~。有名人だからね。今はそれなりに親しくなったある先生のケースも、最初の1、2回の取材時には私をそう扱っていたと踏んでいます。悔しいですよね。ので、ちょっと「おやっ」と思わせる記事を書いて掲載をアピールしたせいか、その後に顔や名前を覚えてもらえました。それでも、その親しさになってからのある取材(ニュースというより、意見をうかがう)で、30分話してもらったところでいわれました。「もうこの辺でいいでしょ。新聞に載るのはほんのちょっとなんだし」と。そのあしらいにショックを受けましたわ~。確かに一般紙などでは、コメント2行しか使わないといったケースがあるので、【親しくなったからこそ口にしてくれた本音】といえるかもしれません…。でもこの記事、実際には見方の異なる3者のインタビューをポーズ写真付きで、同じ面に並べてみせるゴールデンウイークの大作り読み物記事でした。いかが? 先生のご感想、まだ聞いていなかったなあ。

逆に、大御所なのに丁寧で、一度でこちらがファンになってしまうような相手もいます。こちらについては、次のチャンスにご紹介したいと思います。

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