科学技術白書、90頁が2頁に負ける
2014.6.23付の弊紙科学技術・大学面に、「科学技術白書 高度人材を生かす 流動性・多様性の向上重視」を載せました。寄せ付けなのでそこそこ大きい記事です。白書ってなかなか「これぞ」とテーマが見えにくいのですが、今回は、副題が「可能性を最大限に引き出す人材システムの構築~世界で最もイノベーションに適した国へ」ですから、私としてはイケルな、と判断。博士人材の問題は、今なお一般・産業社会の感じ方と政府・大学側の思いにずれがあるので、そのずれを改めて振り返りながら、「今後はこうするべきだと白書ではまとめている」と書きました。
ところが。一般紙の記事をみてびっくり。どこもSTAP細胞問題に絡んだ研究不正について書いているではありませんか。研究不正の件、会見でも質問、出ましたよ。でも答えは「白書をまとめる時期には間に合わなかったので、2頁で採り上げるにとどまった」と文科省。来年の白書ではメーンテーマになりそうだな、と私は思っただけでした。それが、どこもこのたった2頁でしか触れられていない研究不正を採り上げたわけです。白書全体は356頁あり、「今年のテーマ」と位置づける研究人材の部分は90頁だったというのに。今の社会一般の関心事は何か、という一般紙の切り口としてはしようがないのだろうけれど。白書ってまとめるの大変じゃないですか。だから文科省の担当者としては寂しいだろうな…と思いました。
なんか私だけ文科省サイドに立っているようで変ですね。会見も私は論説懇談会と、記者クラブの常駐記者向けレクと、両方出ていました。論説だけど現場(編集委員)でクラブ在中というのは、科技分野では唯一(ほかの分野はたまにいる)なのですよ。そこで社説も思案した(結局、別の仲間が後日対応の予定)こともあって、しっかり書きたくなりまして。となるとやっぱり、人材育成の話で「そうかこういう形で、社会が思っている問題点を解決しようとしているのか」と、読者に理解してもらいたかった、という背景があるのです。
それから前回の、大臣の本のその後です。記者クラブメンバーには一人一冊の配布があって、内容は教育のことに多く触れていることから、閣議後会見の質疑応答でも出ました。前回、ブログで「閣議後会見ではプライベートの本の話はだめなのね」と書いたのですが、そいういうわけで、「プライベートといっても趣味の本ではないので、会見で話していいのですね」と変更することにします。
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