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2014年8月

2014年8月24日 (日)

古本をキャスターケース一杯に詰めて

もらったけれど関心のない本が棚やロッカーの場所を占有していて、ずっと気になっていました。出版人の多いパーティに出席して名刺交換したら、書評希望の本が送られてくるケースが出てきまして、かなり積み上がっていたのです。で、以前から狙っていた、中古書店「ブックオフ」持ち込みを決行しました。

自宅からわざわざキャスターケース(3泊旅行のサイズ)を持参して、記者クラブで本を詰めて、近くのブックオフ(近接の都心3区を調べると1件しかない。オフィス街には適さないからですね)へ運びました。周囲に声をかけたこともあり、単行本中心に計50冊超! 「はみ出して、デイパックで背負って運ぶことになったらどうしよう。次回に回そうかしらん。でもそうすると、『本が場所をとって』と気になる期間がさらに長くなる…」と迷っていたのですが、ほぼちょうどで入りました。「ブックオフはそれぞれの本の価値を全然、みてくれなくて、安いよね。通の古本屋と違って」なんて話していたのですが、意外にも! 予想以上の金額になっていい気分。皆にバックする計算をちゃんとしなくっちゃ…。

査定をしてもらっている間に、コンビニで軽食を買って、近くの公園でお腹をみたしました。「私の初著書も、読者の皆様の手を離れてブックオフに回っているかしらん」と思いながら。別に嫌じゃないんですよ。そりゃあ、「これは役に立つから取り置いておこう」と皆が思ってくれるのが理想だけれど。「読んで頭に入ったから」「入手してみたけれど、今の自分には必要ないとわかったから」、古本屋に出してもらうのは構わない。そこで別の、関心ある人の手に取ってもらって、役に立つのなら嬉しいわけです。

嫌なのは、「読みたくもない人の手に渡って捨てられること」です。冒頭の「書評お願い」で勝手に送りつけてくるものなどは、その可能性の高いタイプの筆頭でしょう。私も初著書で様子がわからなかったから、出版社のいわれるままに同様に送られていったのですが、採り上げてくれたところはごくわずか。私と親しくてこの本の内容に関心を持ってくれた人がいた新聞社や学会しか載りませんでした。同業他社モノ(出版は丸善出版ですが内容が「自分にも書ける」と思わせたとか)で冷たくされたのもあるのかな?

今だから打ち明けると出版前、勝間和代氏の「「有名人になる」ということ」という本を読んでいました。もちろん「本がベストセラーになればいいな」と思ってですが、「世の中、どんなラッキー・アンラッキーが降ってきて、著名になるかわからない」という気持ちもありました。SNSの内容で大失敗して、プライベートが暴かれるケースだって、これはアンラッキーの方ですがあるわけだし。この本はけっこうおもしろかったですよ。衆人に見られてあれこれいわれるようになる、それを気にしていたらやっていけない、とかね。実際、ベストセラーで著名にならなかったからこそ、公園の片隅で「あらやだ、安かったのにおいしいじゃない」なんてつぶやきながらコロッケをかじっていられたわけです。

でも。ベストセラーにはならなかったけれど、ロングセラーについては夢をまだ捨てていません(笑)。「研究費が増やせるメディア活用術」ってタイトルなら、これから育ってくる若手研究者が順に、関心を示してくれるのではと思うから。年長者と親和性の高いマスメディアだけでなく、若手の主対象となるウェブメディアにも言及して、わざわざ「メディア」と広い言葉で表しているのだから。ま、20年後のブログで私が何と発言するかをお楽しみに。

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2014年8月18日 (月)

取材とフローズンコーヒー

「外取材で暑くてぐったりするかも」と思うのがちょっと嬉しいこのごろ。理由は「フローズンコーヒー(商品名はカフェフラッペなど)を飲めるかな」と思案するからです。コンビニのローソンとファミリーマートを試しました。セブンイレブンはフローズンはないのかな? もっと小さいチェーンコンビニとかファーストフード店をサーチしようと思っているところです。

フローズンドリンクはもともと、フルーツものなども含めしゃりしゃりと楽しく好きなのです。ですが、なにしろ冷え性の私。毎日の記者クラブも出社時こそ冷蔵庫のドリンクを手にするものの、それ以後の飲み物はホットが原則です。

それからコーヒー。嫌いじゃないのですが、ひ弱な私にはいろいろな条件が付きます。以前、胃痛が続いていた頃は厳禁でした。カフェインが紅茶や緑茶に比べて多いせいで、飲むと即胃痛でしたから。あと、うっかり夕方に飲むと夜、眠れなくなることも。もう一つ、苦いものが苦手なので、イタリアンエスプレッソのようなしゃれたものはだめ。薄くて安そうなコーヒーがベター。でも美容雑誌で「美肌のポリフェノールはコーヒーにもたくさん入っている」と知り、この半年くらいは可能であれば一日一杯は飲むようにしています。

それでもって、じゃじゃーん、フローズン+コーヒーのこの魅力的な飲み物! 原則、甘いというのも嬉しい。冷房にあたっていないところを狙って買いに…というわけです。今夏、今のところ3回を実現。一日にコーヒーを何倍も飲む人にしてみれば、「コーヒー一杯でこんなに条件があるの」「手軽なもので好きといいながら、一夏3回きりなの」とあきれられそうです。もう少し記録を伸ばせるかなあ。ちなみに、かき氷は「抹茶あずき白玉アイスのフル盛り、ただし冷えを怖れて、氷は少なめ、できれば屋外、それゆえ価格も抑えめ(1200円のとか恐ろしいものが出回っている…)」という条件で探しているため、今夏いまだ、ありついておりません。

実はフローズンコーヒーでもう一つ、注意がいることを発見しました。ほかの条件がよくて取材や会合の前に飲んでしまうと、お手洗いに行きたくなってしまうこと。冷たいうえに分量もけっこうあるから。やれやれ…。日々、数多くの条件と戦いつつがんばなくてはいけないのは、仕事と同じかもしれません(?)。

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2014年8月12日 (火)

「ロミオとジュリエット」の舞台で、若手とベテランを思う

舞台「ロミオとジュリエット」を観てきました。ロミオ役は菅田将暉さん、ジュリエット役は月川悠貴さん。蜷川幸雄氏の演出の「オールメールシリーズ」なので、シェークスピアの時代と同様、出演者は全員が男性です。劇場の案内HPはこちらです。
http://saf.or.jp/arthall/stages/detail/1160

この作品は「すばらしい悲恋ストーリー」ということになっていますが、普通の大人が何も準備せずに接すると、「???」と思ってしまう作品ですね。いろいろなことが極端すぎて。まあ、〔通〕ではなく〔一般〕に向けたお芝居や小説は、表現が激しくなるのものであり、その変なところを楽しめばよいのでしょう。私は今回、訳の違う2つの文庫(戯曲なので実際の台本とほぼ同じ)を入手、解説を読んでさらに楽しんでいます。

それで、私のブログとしては「仕事」につなげた感想を。この作品は冒頭のけんかシーンでのチンピラ役をする20歳前後の若い男性が大勢、出演します。まだ役者経験がさほど長くない世代ですが、剣を振り回す殺陣もあれば、場面展開の真っ暗闇(床にごく小さな灯りが点灯しているだけ)で小道具を出し入れし、舞踏会(原作と違って怪しげな前衛的なダンス)でははっきりメイクをした美青年群として踊りをし…。実は今回、身内が参加しているので裏話もいろいろ聞いており、「短期間でこれだけのことをこなすようになる力の伸び、その若さはすごいなあ」と関心したのです。

蜷川舞台にいつも登場するベテラン陣も、さすがの存在感です。ですが、「殺陣をやって、小道具を出し入れして、前衛ダンスをして」というわけにはいかない(笑)。若ければ何でもできる(させられる)けれど、年齢を重ねたら経験で高く評価されて仕事をするしかないのですね…。我が身を振り返って、しみじみ思います。

もう一つ、俳優の仕事で気づいたのは「本番のステージより、稽古の方がはるかに大変だ」ということ。せりふを覚えるのもありますが、厳しい指導&変更相次ぐ稽古を通じて、求められる動きを身につけていくのは、考えてみると大変なことです。

私たち記者の仕事もそうかもしれません。スクープ記事は執筆より、夜回りを含め取材が大変なことはいわずもがな。普通の企画記事でも構成を考え、題材を探し、意外で魅力的な言葉を取材先から引き出す部分での方が、力の差が出ます。というわけで今も記事も、「ここに至るまでが大変だったわよね」も振り返りながら執筆を進めています。

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2014年8月 6日 (水)

STAP関連の会見場所の余裕

衝撃の笹井副センター長の死亡ニュース。私もキャッチは早かったのですよ。文科省記者クラブに出社した10時過ぎ、理研からクラブに入った情報でしたから。「笹井さんが?」「なくなったのは確かね?」「理研が午前中に紙を出すって」と各社が騒ぎます。一般向けにメディアのフラッシュニュースが流れたのはその30分後くらい。でも後に、実際の死亡自国は11時3分だったので、最初の理研からクラブへの第一報の時点ではまだ息があったのですね。今まさに、の錯綜状態だったと実感します。

理研広報室長が記者クラブに来ての説明は、Img_0540_3
時間の後ろ倒しが重ねてあって。記事は同僚が執筆なので、私は自分の小型カメラでの撮影役となりました。「もうテレビカメラで場所がないかも」といわれて、「人の多いメディアは席取りで待つ時間があるかもしれないけど、幸い勝手知ったる記者クラブの会見室なのに、そんなの嫌。締め切りが迫っている別の原稿を書いてからにするわ」と決断。満室の中、遅くいっても「ドアのこちら側なら平気」といった判断により、無事役目を果たしました。その前には、会見室満席の記者&カメラ側の様子を撮影する(掲載の写真がそれです)余裕もあったというわけです。

実はSTAP細胞騒動のまだ初期の頃。3月中旬の理研の不正中間報告は、場所が変な貸し会議室みたいなところで、騒動始まったばかりだったのでメディアがもっと押し寄せてものすごい混雑でした。今回と同様に「席がないかも」といわれ、「会見って3時間くらい?」と話していた私の顔は引きつりました。最悪の場合は床に座ろうと(スカートじゃないもん)覚悟したけれど、会見室内でパーティションでひっそりと区切られた物陰に、折りたたみ椅子があるのを見つけ、なんとか広げられた時はほっとしました。

その時は、理事長らを撮影するカメラマンを手配していたので、私は会場の混み具合を自分のために撮っておこうと考えました。でも、無理でした。だって、テレビカメラがずらっと並んだ後ろ3列目にようやくパイプ椅子を広げ、そこからはもうどこにも動けない。話にならない画像しかとれない状態でしたね。

……実は今回、笹井副センター長に対する感想、ブログに書こうかとかなり迷ったのですよ。でも、やっぱりやめました。私は笹井副センター長に直接、会ったことがないから、擁護するにしろ非難するにしろ、結局のところ「よく知らない第三者が勝手を言っているにすぎない文章になる」と思ったからです。そして改めて思いました。新聞記者は実際に当事者に取材し、自分で見聞きして実感したことを文章にするからこそ、周囲からの批判も怖れずに、自信を持って書くことができるのだ、と。             

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