産学連携関係者にはよーく知られていたのですよ、赤崎先生・豊田合成の共同研究による青色LEDの産業化が、大学の知の社会活用としていかに大きいかということは。でも、一般の人は知らなかった。だから、今回の2014年ノーベル物理学賞受賞で、「大学の基礎技術を核にした産学連携で、照明の大革命というイノベーションが起き、ノーベル賞でもそれが評価されたのか」という印象を一般社会に残せたのは、すばらしい好機だと私も嬉しく思っています。
この間、ノーベル賞以外の案件もあって、私の執筆の取材・記事もフル稼働です。
◎7(火)。ノーベル物理学賞発表日。夕方、早稲田大学の小保方博士論文の会見出席。メーン執筆は仲間に頼んで本社へ。夜のノーベル賞で8(水)付は編集局挙げての対応です。
◎8(水)。「日本の科学技術力の課題に解説を」と急ぎの発注が来て執筆。掲載は翌週にずれこみましたが、13(月)付3面「日本の科学技術イノベーション ノーベル賞受賞も基礎弱体化 多様性独自性 世界と競える政策再考を」に。
昼に別件で文科省内取材。夕方、科研費のレク。
その後に本社で夜のノーベル化学賞。私がメーン担当だったので、皆と強力しながら、蛍光顕微鏡話を和訳・執筆です。
◎9(木)。ノーベル賞以外もあります。10.10のオリンピック50周年に向けての横断企画「どう変わる産業・経済 2020東京五輪」での記事掲載です。科技面に、文科省の「対話型政策形成で革新創出」を掲載です。スポーツものというより、イノベーションがらみですよ~。前の日に「ニュース」として出していたのは、ノーベル賞におされてうんと小さくなりましたので、こちらで復活です。
朝、自宅から原稿を送信。掲載は10(金)「なぜ ド~なる Q&A 学位取り消しの意味は?」です。実は私と、デスクを含む周囲の早稲田大に対する見方にズレがあってショック。これはまた後日、社説で採り上げる予定。
午前、ノーベル賞決定翌朝にアポを入れていたJSTで取材。
午後、以前から調整していた外取材で、某大学の理工学部長取材。予想していなかったことだけど、弊紙購読までもらってしまった、ラッキーです。
10(金)はJST執筆ラストスパート。弊紙は土日休刊ゆえ13(月祝)の3面に「青色LEDでノーベル物理学賞 産学連携 熱意の賜 特許出願から赤崎氏支援 JSTの「委託開発」活用」はシッカリ書きました。「当時の慣習そのままに研究費数百万円の見返りで基本特許の権利を企業に渡していれば、(技術移転先の豊田合成からのロイヤルティー)56億円の公的な還元はなかった」として、「大学の基本特許は単独所有が基本と強調されるのはこのためだ」としました。
どうです、大学の産学連携部局の皆様。この記事を手に、「真のイノベーション創出で正当な還元を得るには、連携相手の企業のいいなりではいけないんだ!」と心を強くされたことでしょう。豊田合成についても、「この分野に実績がなかったのによく不退転の決意で取り組んだ」というJSTの産学連携理事のコメントで書いています。この技術移転にかかわったコーディネータの話は、さらにコラムで書くべく準備中。若いURAやコーディネーターらの励みなればと思っています。
もう一つ、執筆は科研費。これは15(火)付「科研費 分野別採択数ランキング 文科省が初公開 新分野 私立・地方大など健闘 旧帝大 伝統的分野強み」に掲載です。これも記事分量は多いし、表も入れたしで大わらわに拍車がかかりました。
…というわけで、もう何がなんだかわからない。ミスだけは気を付けなくては、と言い聞かせていました。PCも本社とクラブと自宅とずっと持ち歩きで疲れました。でも、嬉しい悲鳴ですから、ね。とくに産学連携や「基礎研究とイノベーション」のところで私らしいものが書けたことは大満足です。「これ、私が書きます! 私ならではの視点で書けます!」という案件だと、少々の大変さもがんばれちゃいます。私だってやるときはやるのです。一つ前のブログみたいに、「半年先の休みの予定を立てているばかり」ではないのですよ~!