« 2014年10月 | トップページ | 2014年12月 »

2014年11月

2014年11月30日 (日)

「理系のための就活ガイド」刊行!

大企業の研究開発本部、人事部、中小企業、大学教員、大学キャリアセンター、大学院生、学部生、文部科学省など、あらゆる立場から理系の就職活動を解説する--。そんなほかにない情報源となることを意識して執筆した書籍が、このほど刊行になりました。

「理系のための就活ガイド」(定価1200円、税込1296円、丸善出版)です。

アマゾンはこちらです。http://www.amazon.co.jp/%E7%90%86%E7%B3%BB%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E5%B0%B1%E6%B4%BB%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89-%E5%B1%B1%E6%9C%AC-%E4%BD%B3%E4%B8%96%E5%AD%90/dp/4621088580

 

「研究成果や理系の人の魅力を、専門外の人に伝える手助けをしたい」という思い。これは、研究者向けに書いた私の初著書「研究費が増やせるメディア活用術」の時と同じものです。そのうえで今回は、一般の文系学生向けとは違う【理系学生ならではの就活技術コミュニケーション】にフォーカスいたしました。

理系修士から産業専門紙の科学技術記者になり、社会科学系の博士研究をした私が、常に関心を持っていた関心事についても、力を入れて執筆しています。「文系と理系の違い」「理系の強さと弱さ」などです。そのため単なる就活テクニックの本ではなく、「理系の素養を持つ人材は、どのような姿勢で社会とかかわっていくべきか」を意識して書きました。

本のご紹介を周囲にするのに、「本文中で採り上げた人がまっさきに連絡すべき人だよね」「贈呈はこの先生と、この人と、それから…」と、本業の合間合間にするわけですから、意外に時間がかかっています。連絡がまだいっていない方、どうぞご容赦くださいね。

その中で、あるグループに挨拶メールを送ったところ、「一斉メールなんてしなければいいのに。どうしたって、『本業にずいぶん余裕があるんだな』って思われるよ」といった感じのコメントをもらって、ちょっとショックを受けました。

そうかあ。うーん。でも、かなり親しいグループに対しては「黙っているのは失礼だ」と私は考えたのです。逆の立場だと想像して、全然別のところで「えっ、そんなことがあったの、知らなかった…」となると、ちょっと悲しいな、と。私の執筆活動は土日の大半を費やして進めたので、「昨日はDVDを2本も見ちゃったよ」とか、「東京マラソン、完走しました」とか、「天使のような子供たちに囲まれて幸せ」とか、それぞれのプライベートと同じ位置づけですし。もちろん、そのグループの外側のグループに対しては、個別の口頭の挨拶にとどめていて、いちおうは思案しての行動なのです。

その後、別の本(「学者のウソ」掛谷英紀著、ソフトバンク新書)を、その本を推薦してくれた大学人A先生と話していて、私の件についてもちょっと納得しました。著者は技術系の研究者ですが、社会科学系に対しても洞察鋭く切り込みます。私は「40代半ばで筑波大講師、そう大御所でないで立場で、これだけ厳しいことが書けるのってすごいですね」といいました。するとA先生は「大御所になっちゃった人にも、これからの出世を狙っている人にも、社会人になって10年前後の人にも、書けやしないよ。彼くらいの年齢・立場で、『仲間うちの誰からも好かれる必要なんてあるもんか』と開き直った人しか、本質的なことは社会に発信できませんよ」という答えでした。なるほどねえ。

それで、自分のことも振り返りました。本業をおろそかにしているわけではない。でも、脇目をふらず本業一筋、とすべき職業人でもない。【記者】ですもん、いろいろな【外】とつながる活動が重要ですし、多少のはみ出しに対する批判まで、怖れていてはおかしいですよね。本業もプライベートも、やはりその心意気で取り組みたいと思います。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年11月18日 (火)

感謝して周囲を思い、次の仕事に向かう

関西の大学に講演で出むくのと合わせて小旅行をしました。見頃の紅葉の下で「まあ素敵。仕事関係で声をかけられて、こんなところに出向けるなんて幸せ。本業もうまくいっているし、体調も大丈夫だし、こんな形を実現させてもらえるなんて、本当にありがとうございます」という気持になりました。

最初は、具体的な対象ではなくて神様のようなものに対しての感謝です。そして仕事そのほか具体的な活動が頭にうかぶと、同僚や身内やいろいろな人に対しての感謝となります。さらにそういう環境を与えてくれた社会環境についても思い、「またいい仕事を、社会にとってプラスになる仕事をしておかえししなくちゃ」と思うわけです。

仕事ができる人の場合、「自分は努力をした。だから成果(収入など)を得ることができた。自分の力によるものだ」と横柄になってしまうケースがたまにみられますよね。でも、努力が報いられるというのは、さまざまな条件がいい方に重なったラッキーな結果、ではないでしょうか。病気や、子供を抱えての家庭状況や、皆いろいろであってどうしようもないことがあるのですから。そのことを考えると自然に、感謝の念が浮かぶのです。

この気持になるには、自宅での休養ではなく遠出が効果的。日常と違う感じ、ちょっとオーバーにいうと「夢みたい」な時間を過ごすのがいいですね~。考える時間を持つという意味では一人旅がより有効ですし、飛行機の旅なら離陸&着陸の時などお薦めですよ。皆様もぜひ意識してみてください。というわけで、「有休ありがとうございました」と周囲に感謝して一区切りにします~。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年11月13日 (木)

ぼた餅を棚に戻す

血湧き肉躍るネタなるも、スクープが成就しなかった少し前の話です。直後だとあまりに生々しいので(取材先も私も)間をあけて、絵本形式で執筆します。

カヨちゃんはあちこちからさまざまなお餅を仕入れて、お客さんにお届けするシゴトをしています。特別仕立てのお餅となると長い間、それを狙って、お餅をつくっているおじさんや、おばさん(おじさんの相方です)と仲良くなるよう努力をし、「そろそろお餅が出てきそうだなナ」と準備も怠りません。

特別仕立てを狙っていたある日。おじさんに頻繁に連絡をとっていた効果から、「いよいよ…」という情報が入りました。おじさんは不在で、おばさんのところに顔を出しました。「いよいよ登場ですね~」「さすが、おばさんたちの手腕がいいから、~なのですネ~」とちょっと持ち上げてはしゃいで見せ、さらりと「それでお餅は?」と肝心要のところを聞きました。出してくれるかなあ、難しいかなあ、と思いつつ。するとおばさんはニッと笑って。そうしたら! きゃああ~~、棚からぼた餅が落ちてきたのです! や、やった、このすごいお餅。動揺を表に出さないようにして、さりげなくもう一言。「おばさん、これ、もらっていっていい?」。そうしたらおばさんは、視線をカヨちゃんからちょっとはずしました。しあん、したのでしょうか。そして返事がありました。「いいんじゃない?」って。

やったあ~、カヨちゃんは走って帰り、お父さんに息せき切って報告をしました。すぐにもうちのお客さんにお出しできるよう、付け合わせやら最高級のお茶やらの手配に動きました。ところが…。30分後。電話が来ました。不在だったおじさんからです。そして、「カヨちゃん、あのぼた餅、だめだよ~」というではありませんか。そんな。カヨちゃんはちゃあんと礼儀正しく尋ねて、おばさんに「いいよ」っていってもらったのに…。粘ってみましたがうまくいきません。

おじさんは結構な【けんりょくしゃ】です。その後、いっさいのお餅が出なくなったら、カヨちゃんちは大変なことになってしまいます。仕方がありません。カヨちゃんは泣く泣く、【ぼた餅を、棚に戻す】こととなりました。お父さんにも、「ごめんなさい」です。最初から、落ちてこなければよかったのに」とちょっとだけ、思いました。でも、おばさんは決して意地悪だったわけではありません。おじさんだって【おとなのじじょう】があったから、仕方がなかったのでしょう。そう前向きにとらえましょう。カヨちゃんは顔を挙げて「またがんばろう」と思いました。おしまい。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年11月 9日 (日)

工学院大学シンポで12時間?!

工学院大学の先進工学部開設(2015.4)記念のイベント(2014.11.2)に参加、ほぼ12時間をこの関連で過ごしてきました~。もちろん、パネルディスカッション自体は2時間強だったのでしたけれどね。

パネルの内容は、イノベーションを目指す先進工学部に向けてのメッセージ、という感じでしょうか。パネリストは、根岸 英一 氏 (2010年ノーベル化学賞受賞/工学院大学名誉博士・Purdue大学特別教授)、友野 宏 氏 (新日鐵住金 代表取締役副会長)、山口 栄一 氏 (京都大学 教授)、水野 明哲氏 (工学院大学 学長)と私でした。http://www.kogakuin.ac.jp/event/2014/101002.html

そもそもこのイベント、昔よく取材にいっていたA先生が企画のキーパーソンで、声をかけていただいたのです。たぶん、一冊目の本のPRで久方ぶりに送ったメールから、「あ~、山本さん、まだ元気なんだ」とかなんとか思い出して、それで参加を思案してくれたのだと思います。10数年ぶりの再会&打ち合わせ、その時にネタをもらって、これは同僚に紹介したところなんと一面トップに。んままま~、すばらしい再会記念の記事になりました。私が書いたのではないけれど(笑)。

シンポジウム当日はまず、美容院へ。気合いが分かるでしょ? でも、昼前のパネリスト打ち合わせでは、一流の方々ばかりなので「最初はおとなしくしていよう」って思ったのですよ。あまり発言もしなくて。そうしたら。新日鉄住金の友野副会長が、「これは~と同じですかね、山本さん」と振ってきて、びっくり。しどろもどろになってしまいました。「ずうっと黙っているけれど、何か発言したら?」という意味だったでしょうか。ね、寝ていたわけではないのですが。挽回を図るべく昼食後に、友野副会長にこちらから話しかけました。さらに「大学に対して厳しいことも口にされる方なんだな」と思って後でプロフィルをチェックすると…、伝統の超一流企業のトップ(合併時の住金の社長)というだけでなく、博士号(技術出身、社会人で取得)を持っていて、学校法人の理事長をしている方だと発覚しました。事務屋ではなくて技術屋でありながら、こんなに幅広く活躍されている方もいらっしゃるのですねえ。

今回のイベントは構成がユニークでした。最初に京大の山口先生がイノベーション論的な講演を15分ほどし、そのあと私と対談のようなやりとりです。さらに、根岸先生、友野副会長、学長が講演をし…、最後は司会の元で全員でのパネルです。最初は「こんな変わった構成で大丈夫かな」と思ったのですが、意外にもこれがよかったのです。山口先生のイノベーションの独自の図が、初めて見るとわかりにくいものなのでしたから。そこで、最初に聴講者の皆様に、「本業が記者なので、どんどん質問いたしますよ」と宣言したうえで、私から山口先生に質問したり確認したりして。「会場の聴講者が私と一緒に理解を進める」といった形になったようです。休憩時間に初対面の女性(後に、工学院大の幹部と判明)が感激したふうに、よかったですよと声をかけてくれましたから。

最後の討論でもまた、私は質問のような発言が中心となり、「講演もしないし持論も主張しないし、質問する一方の記者」で終わってしまった…。でも、いいのです。たぶん。だって、登壇はいずれも一流の方でしたから。私は【ホスト】的な役割を上手に果たせたのだと振り返りました。

そうそう。途中でまた、大変な再会がありました。工学院大の幹部と名刺交換をした時、顔に見覚えがあり、「あれっ、どこかで取材か会合かでご一緒した先生かな」と思って。そうしたらなんと、大学時代のサークルの一学年上の方でした! 向こうから言い出してくれて、思い出しました~、確かにこのお顔立ちとこのお名前で。私は途中でサークルを抜けていたので、接触のないまま30年ぶりでした。

その後、時間に余裕があったので、得意の【お昼寝】を20分。まだ今日は長いからネ。場所は…内緒。いいところを前もって探していました。そのあと、パネリストと大学幹部らと一緒に夕食会。そして、一部のメンバーとカラオケへ。

事前に聞いていたのですよ。根岸先生が大のカラオケ好きとのこと。それで途中で、デュエットをお願いしました。続けて、今回の企画に声をかけてくださったA先生とも。私は先にお店を出ましたが、締めて12時間でした。今回の企画担当者には事前にメールで、「この日は美容院に行ってから参ります。カラオケボックスにもいって練習しましたよ」と伝えていましたが、まさに「美容院からカラオケまでの12時間」となったのでした。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2014年10月 | トップページ | 2014年12月 »