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2015年1月

2015年1月30日 (金)

第5期科学技術基本計画、文科省案を解説する

「科学技術基本計画 文科省が素案 オープンイノベーション実現へetc」の解説記事を、2015.1.26付の弊紙科学技術・大学面に掲載しました。1.21付の同面における「文科省特別委が報告書 科技革新へ新制度設定」という第一報のニュースに次いでのものです。もうひとついうと、2014.11.26付の記事「総合政策特別委員会が…同計画の取りまとめ案を提示した」からの流れを受けての執筆です。

このテーマ、もちろん他メディアも頭に置いているものですが、今回の「委員会まとめニュースの5日後(平日営業日でいうと3日後)に解説記事掲載」はスピーディーにできたと嬉しく思っています。速さでいうと、他の一流メディアに比べ人手が少ない(そのことだけに集中できない)弊紙の場合は、なかなか辛い面があります。紙面だって土日にないのですから。それにこの話、委員会のまとめだけだとポイントがよく見えなくて、どうしようか迷っていた状況もありました。「解説なんか今は書かないですます」という選択に心が揺らぎます。ところが「犬も歩けば棒に当たる」で、最適の幹部からばっちり話を聞きだすことができまして。その結果、私に許された短い時間内に、強力な集中力をもって書き上げることができたのでした。

実は最近、非常に信頼している長年のお付き合いの大学人から、素敵な言葉をもらったのですよ。「山本さんの情報を最重視しています!!」的な強力アピールです。大感激。よってエンジンがフル回転中。基本計画のほかにも、同様の重要案件を3つ4つ抱えているのですが、そちらもがんばって対応したいと思っています。

国会が始まって今日は大臣閣議後会見が8時半から国会内。おまけに雪。レインブーツでと用意していたけれど、夜に大学幹部懇談の立食があることに気づき、慌てて靴を変更。滑り止めグッズを付けるべきか悩み、持参。おっとハンドタオルも。慌てると滑るのでさらにまた気を付けて…。

でも、忙しいのもこうなると平気。「山本さんの情報を最重視しています」っていう声があるのだから。「期待に応えたい」という思い。それは仕事の強力なエネルギーとなるのです。

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2015年1月20日 (火)

適度にこだわり、適度に任せる

この冬、初めてセミオーダーでスーツを仕立てました。茶色とかグレーとか、紺(または黒)以外の服を好む私ですが、ダークスーツが居並ぶ場にはそれなりの…と考えます。ので、堅い席に対応できるよう「季節ごとに一着は紺を持っておきたい」と思っています。その中で、なんとか「紺だけど、ちょっと人と違って素敵、というものがほしい。多様な生地から選べるといいな」というのが、オーダーに魅力を感じた理由の一つでした。

寒さに弱い私は、材質は「絶対にウール」。&さりげなく美しい生地をセレクトします。ただ、厚さのイメージがよくわからない。厚さを、特定の大きさあたりの重さでおーとなしの表示するというのだけど、「360グラムでは、室内では厚すぎますよ。コートなし季節の上着くらいです」「こちらは300グラムですよ」といわれても、ねえ。5センチ四方くらいのサンプルがリストに付いていて、触ってはみるけれどイマイチ分からない。いちおう選択しましたけれど、「果たしてこれで大丈夫だろうか」と不安でした。実は「夏に冬物オーダーすると低価格!」というのでお願いしたため、着ている服と注文する服の生地にギャップがあったこともあります。

【解】がみつかったのは帰宅してから。「スーツを買った時に付いてくる、修理のための端切れを保管しているじゃないの!」と気づいたからです。それを引っ張り出してきて、「実際に着ていて具合のいい厚さと、イマイチの厚さのスーツはこれとこれ。その端切れがそれとあれ。この二つの端切れを持って行って、店頭のリストと見比べよう!」と気づいたのです。私って天才~(笑)。そして実際に持って行ったら、「あら、生地模様が手持ちスーツと似ている…」と発覚し、チェンジすることにもなりました。

もう一つのオーダーの魅力は、「何も悩まなくても自分にぴったりのサイズ・シルエットのものが手に入る」という憧れでした。ところがこれは、やってみて、そうではないことを知りました。フルオーダーではないので、「脇のくりは直せない」といった限定があるのは、仕方ないと思うのですよ。でも、「ウエストサイズ(&ももとか腰とか)はこれが具合いいのか、さらに1.5センチ出したほうがゆったりしていていいのか、逆に1.0センチ詰めた方がぴしっと決まっていいのか、わからない」ということに、ショックを受けました。もちろん、お店のスタッフがアドバイスしてくれるのですよ。でも、「ぴったりの方が素敵ですよ」というスタッフの意見は鵜呑みにできず、「きついと結局、着なくなってしまうから」と考えてしまう。…結局のところ、最後は自分で決断しなくてはならないのです。

「最後は自分で決断」ってオーバーな表現かな。でも、△万円も出すのですからねえ。というわけで、仕上がって職場に2回ほど着ていってから、もう一度、調整してもらうためお店に持ち込む結果となりました。直しにすぐ対応してもらえる点は、オーダーならではかもしれませんね。

「こだわるなら、お任せするという発想は捨てる」「あれこれ考えるのが面倒なら、お任せして文句をいわず受け入れる」のどちらか。振り返ると、これはどんな相手とのコミュニケーションでも共通のことですね。相手がお店のスタッフでも、病院の医師でも、同僚でも、仕事相手でも。取材ではあまり事前準備を綿密にしない私ですが、よりよい生地、おっと違った、よりよい記事のためには、もっと手をかけた方がいいのかなあ。

でもこだわりすぎると、こだわったことに対しての回答しか得られないもの。取材のやりとりも【のりしろ】があると、話がおもしろい方向に展開していく。その結果、当初思っていたのとまったく違う魅力的な内容を引き出せることがあるのです。だから、適度にこだわり、適度に任せる。このバランス感覚が重要なのかもしれません。

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2015年1月14日 (水)

名大、パワエレ拠点、なるか?

2015.1.13付で、パワー半導体の設備支援で名大に補正予算12億円がついた件の読み物記事を掲載しました。先週、右往左往した案件ですがその結果、状況としてかなり正しいところを解説することができました。

つまり現状は、拠点化の巨額の補正予算がついたのではなく、天野先生支援の装置導入の補正予算が付いたという形なのです。この先、名大を中心に新たな研究開発プロジェクトを立ち上げ、それに参加する人も集めて拠点化したい…との希望を、下村文科相や文科省は持っている。でもそれはまだ未知数なのですよ。そのためにはこの次、つまり今度の夏の16年度概算要求で探ることになる。ので、「名大、パワエレ拠点、なるか?」というわけです。あ、これ、記事の見出しではなくて、ブログのタイトルですけどね。

記事では、「補正予算で窒化ガリウムの結晶成長から評価、デバイス化、システムまで7段階の設備を名大に導入」とまずニュースに当たる部分を執筆。次いで、内閣府の事業で(すでに)天野教授は、窒化ガリウムの横型ではなく縦型の基板技術を開発中というエレ担当記者の原稿を挿入しました。文科省はある意味、後追い的な立場にある、と示したのです。それで、拠点化はまだ構想よ~と示して、「『名大を国内外のトップレベル研究者を集めた拠点にする。若手研究者も積極登用し、民間ノウハウも使う』(下村文科相)ための枠組みまでは(今回の補正では)詰められなかった」と書きました。文科省も「他省庁と連携・調整していくとしている」と。こんなふうにまとめました。

この件、1.6の閣議後会見で、大臣が年頭所感を述べるところで転がり出てきたんですよ。最初、記者側から質問が出なかったから、「各社、関心ないのかな? これってどこかで報道済みなのかな?」と不思議に思いました。でも私が手を挙げて、「もう少し詳しくお願いします」と質問したら、あらら~大臣の熱い思いが噴出。結果、各社がバタバタと動くことになりました。

それにしても。今冬は選挙12月&補正予算編成あり、という例年と違う状況です。よって新年から{自民党、文科省事務方レク、大臣会見}×2回(補正と、通常のと)があり、さらに財務省や復活折衝・その大臣会見、通常の閣議後会見(週2)があって、ほかの仕事に手が出ない。ようやく明日付の予算記事掲載で一息となるところです。(「(一般には)年始は時間があるから、伸ばし伸ばしになっているあの記事を出稿できるだろう」などと考えていた私は間抜けでした…。

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2015年1月 7日 (水)

不変と革新

新年おめでとうございます。タイトルをみて「ありきたりの言葉を使っちゃって」と思われた方もいたかもしれません。経済人や科学技術関係の幹部が口にする定番ですからね。でも、記者として私は、自身が「本当にそうだな」と思ったものだけを使うように、意識はしているのですよ。  

日刊工業新聞社はこの2015年、100周年を迎えます。そのため仕事始めの社員総会で、この言葉が出てきました。100年って「すごい」と思う一方、長い社員(+再雇用など)だと在籍50年ほどになることもあり、「たいしたことない」面もあるような気もするような…(笑)。でも「変えてはいけないことを明確にしてこだわる一方で、周囲とは違う新たな挑戦もしていく」という姿勢はいいな、と。私個人としても思うところあって、この流行の標語が気に入りました。

流行語はあちこちで出てくるので、「斬新」とはいきません。でも別のところで目にして「あっ、そうだ、不変と革新でいくんだった」って思い直す効果があるのではないでしょうか。人気観光地への旅行経験と似ているかな。「だれもがいくところに旅行するなんて、冴えないかも」と思うも、行ってみるとやはり、定番としての魅力が多々ある。そしてテレビや雑誌での特集で再び目にすることが多く、「よかったわねえ」と何度でも思い出す(笑)。ということで今年は、これを自身の標語としてしてまいります。

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