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2015年2月

2015年2月23日 (月)

20数年前と3年前の写真

東京工業大学の元学長の訃報を2015.2.20付2面に掲載しました。田中郁三先生、89歳です。連絡を受けた仲間の記者が執筆、私が確認に動きました。顔写真を、訃報リリースを出した東工大総務課に問い合わせると、あまりに古いからでしょう、「ない」とのこと。弊社の記事データベースにも出てきません。でも、社にはあるはず。というのは大昔、私が取材して顔写真を使った覚えがあるからです。入社まもない90年代初めだったので、データベースも完全にはカバーできていないのでしょう。

採り上げたのは、弊社の長寿連載「わが友わが母校」です。ある大学教員の大先輩(武蔵高校&東工大)として仲介していただき、田中先生が初代の学位授与機構長を務めていた時分にお話をうかがいました。大正生まれで私立の一流高校、当時の思い出の写真はテニスウエア姿。笑顔は高校生の時と同じです。「優秀なうえに家庭も裕福、笑顔をはじめ人としての余裕もそれゆえに」と、幼稚園以外(博士まで)すべて公立の私は感心したものでした。もう一つ、仲介してくれた教員と3人で、取材後のランチもあって、生まれて初めて【松茸の土瓶蒸し】を食べた(社会人まもないころ、もちろんごちそうになってです)記憶まであります~。

そんな思いにふけっていると、本社から写真が見つかったとの連絡。紙焼き(当時、フィルムの画像に対して、プリントしたものをそう呼んでいました)の顔写真を貼った台紙には、確かに先生の名前と所属が私の文字で書かれていました。「これ使うの? あまりに古くない?」と思ったのですが、最近は葬儀の写真も比較的、若い時のを使いますよねえ。20数年前の写真なら、だれだって「若い時のものネ」とわかる、つまり誤読につながらないわけで…。結果、紙面では顔写真入りの訃報記事となりました。お~、ベタになるところだった訃報が、顔写真で抜群に目立つ形に変わっていました。

実は今、私自身の顔写真に困っています。外の講演やシンポで「顔写真を」といわれた時に提出するお気に入りのものは3年前のもの。そろそろリニューアルが必要です。ところが、髪を短くする大きな流れ(私史上のこと、笑)の中で、「ここしばらくはこの髪形」と決めて、定番の写真を撮りたい。のに、それがなかなか落ち着かないためです。「写真にこだわりすぎるのは、自意識過剰の証明」っぽくて恥ずかしい。以前、あるシンポの匿名Q&Aコーナーで「提出する写真は、何年くらい前のものまで許されるでしょうか」というのがあったっけ…。でも確かに、田中先生の20数年前の写真の復活事例を思うと、ね。こだわっちゃいますよね。やっぱりもうひと粘り、することにいたします。

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2015年2月15日 (日)

産業競争力会議、橋本和仁議員の真の顔

「産業競争力会議 橋本私案 交付金『地域』に手厚く配分 競争的資金『研究型』に獲得課す 大学改革と議論一体化 etc」の記事を2015.2.11付で掲載しました。基盤的経費である運営費交付金は、地域活性化を意識する大学に手厚くし、国際的な研究型大学では交付金を抑制する。なぜなら前者は交付金による安定的な活動が必要だが、後者は競争力的研究資金を採っていくのが当然だから。その時に国は間接経費をしっかり手当をし、その間接経費を大学本部が、新たな基盤的経費とする--。そんな仕組みを、産業競争力会議の橋本和仁議員(東大教授)が打ち出した、というニュースです。、おもしろいでしょう? 私自身、取材している時も、執筆をしている時も、気になって読み直した時も(ゲラを含めて5回は読んだ、笑)、そう思いました。

イノベーションのための大学改革に向けて、政府の産業競争力会議は、伝統的な大学教員にとってはものすごく厳しいことを次々と突きつけています。橋本先生は「新陳代謝・イノベーションワーキンググループ」の主査で、昨年末に文科省が打ち出した国立大学3分類の元凶として、もう「国大協にもぼろくそ、学術会議にもぼろくそ」(本人談)にいわれているのだそうです。

でも、政府の予算が伸びない中で、国立大学への支援だけ、手放しで強化するわけにはいかない。適切な評価に基づく適切な支援が必要で、それには90弱の国立大学を、上から下まで同じ視点でみてはいけない。それぞれの主な役割を考えて、それぞれの改革に取り組むべきだというわけです。じゃあ「具体的にはどうすれば今のどん詰まりを打開できるのか」というところで、記事のような提案が出てきたというわけです。

この原稿、出稿のあと紙面の都合で、少し取り置き(掲載を先延ばしにする)になりそうだったのですが、「ぜひ早く掲載してください!」と私は上司に強力に訴えました。通常、「原稿を1、2日取り置いて大丈夫か」という質問は、「他メディアに先に書かれることはないのか」という観点からされます。新聞作りの立場からは、取り置きたいのですから。でも今回は他のメディアがどうという話ではありません。「早く、全国の大学関係者にこの話を知らせたい」という私自身の思いによるものでした。3分類の話も最初の大反発は収まり、学長クラスだと文科省との丁寧な対話により理解が進んでいると聞いています。でも、多くの現場教員は、情報不足で「自分たちの大学はどうなるのだろう」と不安に思っているはず。だから、「研究大学か地域大学かの選択は、レッテル貼りの意地悪ではなくて、それぞれの立場に合った形での支援をするという意味なのですよ!」となるべく早く、知ってもらいたいと思ったのです。

それからもう一つ、この記事でそれとなく伝えたかったのは、「橋本先生は極悪非道ではない」(笑)ということでした。私は20年強のおつきあい。アグレッシブでやり手の面と、誠実(自分にマイナスのこともストレートに口にする)の面の、両方を知っています。だから執筆していて、「こんな提案をする前向きなアイデアパーソンなのですよ」と伝えたい気持ちが重なりました。現場の1教員、1研究者としての意識を持ちながら(東大は新年度から理系新学長になりますが、橋本先生は執行部には入らないと明言しています)、学術の世界以外も含めて、日本の将来のためを考える。そういう存在は貴重だと思うのです。

今回の取材での発見をもう一つ。取材途中に、居室の鉢植えを取り替えるサービスの人が2,3人、入ってきました。そうしたら橋本先生がその方達にすごく丁寧で。ドアを出て行った後に思いついて、呼び止めて、棚の置いてあったおみやげのお酒(マオタイだとのこと)を渡してあげたのに、びっくりしました。聞くと、学内農学部でやっているグリーンのサービス(有償)で、実際に運んできてくれたのは技官の皆さんなのだとか。大学の環境をよくする活動を展開(有償サービスで自立意識もある)している、面識はないし大御所の大先生でもない技官の方に、マオタイをプレゼントしちゃう。意外でした。これがテレビカメラ入っての取材だと「自己PRの作戦かな?」と思うところですが、鉢植え取り替えにしろ、お酒を手にしたのにしろ、その場での反応のようでしたから。極悪非道ではないのですよ、きっと(笑)。

とういわけで、記事は大学関係者全員への、そして橋本先生への応援メッセージ。波乱も含め、大学・研究費改革はこれからもがんがん書いて参ります。お楽しみに。

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2015年2月 8日 (日)

原稿より健康、老眼もついにスタート

大丈夫です、体調崩していません。こんなタイトルにしてご心配かけたようでしたらすみません。今年は節目の年齢のため、区の健康診断の案内が例年以上に送られてきて、2月中の最終に向け土曜午前は毎週、病院行きとなっています。歯科だの骨密度だの眼科だの、「こんなに実施しているんだ」と思ったほどです。世の中、勤め先での健診以外は受けたことがない人もいるそうですね。私はかつて35歳になって区の補助が出るようになったとたん、婦人科がん健診を始めた早熟型。がん健診を含め自治体ものを活用していないなんて信じられません~(笑)。

眼科検診は緑内障検査など、こんなにみっちりなのは初めて。点眼薬で土曜の午後は視界がもうろうとして、何かを読むどころか動くことも(道も危険)できなくなりました。さらにこれとは別ですが目についての問題は…、老眼です。いよいよ始まりました!(笑)

40歳代以上で「老眼なんてないよ」というあなた、それは違います(と専門家がいっていました)。ピントがうまく合っていないのを感じるか、感じないかの差で、大なり小なりこの年齢になるとあるのだそうです。謙虚な私(笑)は以前から注意していたので、「いよいよ」なのですが、実は予想以上の難しさに辟易しています。

もともと私の目は、強度の近視に乱視入り。朝晩は眼鏡です。取材などで外の人に会うときは眼鏡姿が恥ずかしいのでコンタクトを使います。使い捨てのソフトコンタクトを「旅行など周囲をばっちりみたい時用の乱視矯正版」と「だいたい周囲がわかればいい乱視矯正なし版」と2つ購入しています。だって、乱視修正入りはかなり価格が高いんだもん…。でも、「取材が1時間だけ」という時は、以前のハードコンタクトを使うこともあり。一人もくもくと原稿執筆の日はずっと眼鏡のこともあり。こんなハンドリングをしていました。

そこへ加わった老眼。それもまだ、重度ではない。。「見づらいな」と思うのは、一日一回くらい。「細かい文字が読めない」という状況の強さは、 ハードコンタクト>乱視矯正入りコンタクト>乱視矯正無しコンタクト>眼鏡  という順番で、つまり「今、視力矯正に何を使っているか」によってちょっとずつ違う。こうなると、「一つしっかりした老眼鏡をつくろう」という気になかなかならない…。つくるにしても、「遠近両用の眼鏡もあればコンタクトもあるし、コンタクトなら乱視矯正しないとますます変になるんだろうなあ。そうしたら一日片目は、500円くらいに価格が跳ね上がったりして」…と悩みが尽きません。

新聞業界には「原稿より健康」というだじゃれっぽい言葉があり、体調崩した時の休み優先のいいわけに使いますが、目については「どうしたらいいかわからない」ので困っちゃいます。「原稿執筆より取材」はまあ悪くない。オフィスの席を離れない記者に対して、上司は「ネタとって来い!」と追い立てる、というのが伝統的なメディアのスタイルですから。でも、細かい字の資料を読み込んだり、メール(名刺のメールアドレスの文字が、細かくて一番の鬼門です)連絡したりするのを、後回しにしたらマズイですよね…。近く実際に目医者を訪れなくてはと、すべての健診が終わった次の土曜に赤丸を付けました。

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