理研トップ交代で、記事はラストスパート
理研のトップ交代を中心に、3月年度末は12月の年末に続き、理研モノで大わらわです。各紙で書いていますので、「これは弊紙にユニークな視点です!」という点に絞って紹介します。
まずは2015.3.23付で、運営・改革モニタリング委員会の会見と、新理事長で調整中の松本前京都大学総長の人柄の記事。「文科省上層部のある幹部は…」という表現で、「ノーベル賞受賞や技術の専門分野は関係ない」というコメントを入れ、文理融合博士を育成する京大の「思修館」(全寮制で話題になった)立ち上げをさして「松本氏は、科学技術だけでなく人文社会系の視点を重視しているのがよい」という評価を書きました。まだ松本氏の解説は出ていない時期だったので、支局からのメモも使って、弊紙読者に「へえっ」という内容を提供できたのではないでしょうか。
24日付は前日の野依理事長会見を受けて。まだ退任は「見込み」であり何度、記者が聞いても「人事については答えられない」と最後まで突っぱねた、さすがの(さすが野依氏らしい、との意味)会見でした。倫理教育の不足などを組織の問題に挙げつつも、「責任は研究者にある」を繰り返した点は、各紙とも注目し、違和感を記事で書いていましたね。一方、「(研究不正で)大学を含め組織の長が引責する例は皆無だ」という発言は、あまり記事で見られませんでした。私は「なるほど確かに、東大や東工大など最近の不正発生の機関でも、トップ辞任という話にはまったくなっていないよね」と思って、そのコメントを使いましたが。一般紙は「理事長の責任を追及するのに筆が鈍る」と思って、使わなかったのかしらん。
25日付は文科省の人事発表を受けて、松本新理事長の話と、4月に「国立研究開発法人」に移行する区切りで「トップ刷新には適切なタイミングと文科省は位置付けている」という解説記事です。この日は日本原子力研究開発機構の理事長人事も出て、ついこの間まで三菱重工業副社長だった児玉敏雄氏が就任というので、こちらも弊紙としてはしっかり扱う必要があります。ということで、同僚のヘルプも得て、記事は合わせて18×24レベルの大きな形になりました。
26日付は社説、「理研トップ交代 社会の要請、もっと意識を」です。要点は「強い信念は組織トップとしても研究者としても重要な資質であり、科学者は論理の正しさをめぐって主張をぶつけ合いもする。この点で野依氏には突出した強さがあった。ただ、これがSTAP細胞問題の説明責任にはマイナスに働いた」という私の見立てを述べました。4月からは研究開発型の独立行政法人がそろって国立研究開発法人へ移行し、大学も学長リーダシップ発揮を後押しする改正法が施行となることを挙げて、「正当性を一方的に主張するだけでは、社会との断絶が深まるばかり。相手が理解できる言葉や表現を選ぶ必要がある。トップには、組織や科学コミュニティーだけでなく、一般社会からの視線を常に意識してほしい」という感じにまとめました。最初、私は「コミュニケーション」という言葉を使っていたのですが、最終的には「説明責任」という言葉になりました。産業経済紙の社説には、コチラの方がマッチするようです。
そして30日付。と、もっていくつもりだったのですが実は、年度末の社長交替ラッシュのあおりで、解説記事がペンディングになってしまいました。うーん、「本社からの急な発注にもかかわらず、なかなかいい切り口で書けたな」と思っていただけに残念です。なんとかまた形を変えて復活させたいと思案しています。そしてこの記事が、ラストになりますよう、「またぞろ…」となりませんように。ラストスパートは、そんなに長く続けられるものではないのですから!
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