概算100億円ネタを最初に報道する
「文科省 人工知能を核に100億円 10年で基盤開発と応用」を2015.8.25付1面で掲載しました!! 人工知能(AI)、ビッグデータ、モノのインターネット(IoT)、サイバーセキュリティーの4分野の共通基盤になるプラットフォーム技術の開発を、2016年度から始め、その概算要求に100億円を盛り込むという内容です。4分野のうちひとつでも、日刊工業新聞としては大事なところが、四つそろってです。拠点は理化学研究所。おお~、STAP細胞でいたく傷ついた権威を挽回、となるでしょうか。
この大物ネタをキャッチして即、【これ以上ない最速対応】ができての一面掲載です。翌26日朝刊に読売新聞2面で、同じくフジサンケイビジネスアイの3面で、同日夕刊に日経新聞3面で、ばたばたっと掲載になりました。概算の文科省発表後、各省多数の事業が公になった中で、この事業をわざわざピックアップ下社も多数、という注目度です。多数のメディアが掲載する案件を、一等最初に報道するという久しぶりの【記者冥利】を味わいました。
文科省レクではもちろん、この案件について質問しちゃいました。他紙の書き方では、拠点の建物を整備するのに資金を使うというように読めて、「そうじゃないっていってたはずでは…」と不安になったこともあります。回答は「建物ではなく研究費(人件費含む)」で、私の正しさを確認。さらに「経産省や総務省でも似た事業計画で、概算要求しているようですが?」という視点の質問も追加。「多少との合同の事業委員会や、情報共有の仕組みを提案している」というこれまたユニークな回答を、引き出すことができました。もう一つおまけでいうと、レク終了後に担当者(課長補佐クラス)がわざわざ追ってきて、追加の説明してくれたんですよ。こんなの初めて~。
私はいつも「他メディアが報じていない(気づいていない)けれど、社会にとってプラスとなる記事を書く」ことを心がけています。それはニュースでなくても、解説記事で可能な、もの。なので「報道合戦で他社を出し抜く」といった競争に、過度のエネルギーはかけません。ベテランは多かれ少なかれ、そういうものです。パワーで若い記者に勝てるわけないですもんね(笑)。でも。明らかに皆が感心してくれる、紙価を高めるニュースを【ばちっと決める】ことは、新聞記者としてたまにできると、やはり嬉しい、と振り返るのです。
今年の概算での感慨深い点として、もう一つあります。社の後輩にノウハウを伝授して、それぞれがニュース記事(他メディアにまだ載っていないももの)を掲載できるよう、導けたことです。彼らも吸収力があり、「1を聞いて10を知る」は言い過ぎとしても(笑)、「1を聞いて4を知る」くらいの伸び盛り。いいですねえ~。記者は一般に、担当になって1年、2年、そして3年目がピークといわれます。私も文科省メーン担当になって3年目。このところ、「疲れがとれにくい」なんて悩みもあったのですが、まだまだがんばる気になってまいりました~!
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