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2015年8月

2015年8月30日 (日)

概算100億円ネタを最初に報道する

「文科省 人工知能を核に100億円 10年で基盤開発と応用」を2015.8.25付1面で掲載しました!! 人工知能(AI)、ビッグデータ、モノのインターネット(IoT)、サイバーセキュリティーの4分野の共通基盤になるプラットフォーム技術の開発を、2016年度から始め、その概算要求に100億円を盛り込むという内容です。4分野のうちひとつでも、日刊工業新聞としては大事なところが、四つそろってです。拠点は理化学研究所。おお~、STAP細胞でいたく傷ついた権威を挽回、となるでしょうか。

この大物ネタをキャッチして即、【これ以上ない最速対応】ができての一面掲載です。翌26日朝刊に読売新聞2面で、同じくフジサンケイビジネスアイの3面で、同日夕刊に日経新聞3面で、ばたばたっと掲載になりました。概算の文科省発表後、各省多数の事業が公になった中で、この事業をわざわざピックアップ下社も多数、という注目度です。多数のメディアが掲載する案件を、一等最初に報道するという久しぶりの【記者冥利】を味わいました。

文科省レクではもちろん、この案件について質問しちゃいました。他紙の書き方では、拠点の建物を整備するのに資金を使うというように読めて、「そうじゃないっていってたはずでは…」と不安になったこともあります。回答は「建物ではなく研究費(人件費含む)」で、私の正しさを確認。さらに「経産省や総務省でも似た事業計画で、概算要求しているようですが?」という視点の質問も追加。「多少との合同の事業委員会や、情報共有の仕組みを提案している」というこれまたユニークな回答を、引き出すことができました。もう一つおまけでいうと、レク終了後に担当者(課長補佐クラス)がわざわざ追ってきて、追加の説明してくれたんですよ。こんなの初めて~。

私はいつも「他メディアが報じていない(気づいていない)けれど、社会にとってプラスとなる記事を書く」ことを心がけています。それはニュースでなくても、解説記事で可能な、もの。なので「報道合戦で他社を出し抜く」といった競争に、過度のエネルギーはかけません。ベテランは多かれ少なかれ、そういうものです。パワーで若い記者に勝てるわけないですもんね(笑)。でも。明らかに皆が感心してくれる、紙価を高めるニュースを【ばちっと決める】ことは、新聞記者としてたまにできると、やはり嬉しい、と振り返るのです。

今年の概算での感慨深い点として、もう一つあります。社の後輩にノウハウを伝授して、それぞれがニュース記事(他メディアにまだ載っていないももの)を掲載できるよう、導けたことです。彼らも吸収力があり、「1を聞いて10を知る」は言い過ぎとしても(笑)、「1を聞いて4を知る」くらいの伸び盛り。いいですねえ~。記者は一般に、担当になって1年、2年、そして3年目がピークといわれます。私も文科省メーン担当になって3年目。このところ、「疲れがとれにくい」なんて悩みもあったのですが、まだまだがんばる気になってまいりました~!

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2015年8月23日 (日)

記事さばきは雑誌でも

芥川賞、又吉直樹さんの「火花」が話題ですね。羽田圭介さんの「スクラップ・アンド・ビルド」と二作の受賞です。昔、純文学の小説家に憧れて勉強していた私。その後、「純文学は私に合わない」と【卒業】したのですが、芥川賞だけは話題のものでもあり目を通しています。受賞作が掲載の文藝春秋を夏と冬の2回、入手です。

この雑誌は読者を年長男性としていて、全体的には私の好みではありません。でも、受賞作が載っての一冊1000円なら「買ってもいいか」という判断です。それで、入手したら本体を【さばき】ます。つまり、前の方からページを順にはがしていき、「読む受賞作」「読んでもよさそうな記事」「読まずに捨てる記事」と分け、持ち運びしやすい少ページ体制にするわけです。最近は本をスキャナーで読み込むための「自炊」でバラす人がいると聞いていますが、それと同じ作業です。紙くずはでるし、手は傷つきそうだし、あまり楽しくはないのですが、たとえソフトカバーでも厚い書物を持ち歩きたくない合理主義者として、携帯のしやすさを優先しています。

でも。本当は気になっているのは、直木賞の東山彰良さんの「流」。癖のある小説家ばかりが審査員を務めているのに、満場一致、全員が受賞を推したという驚異的な評価です。長編は得意でないけれど内容が魅力的なら、おっくうな遠出取材のお供として期待できるな、と楽しみにしています。

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2015年8月15日 (土)

「技術系女性役員」という切り口の記事

「技術系女性 製造業で役員登用の動き 研究離れる機会が重要 体力勝負でなくなる時代」を2015.8.13付の日刊工業新聞の科学技術・大学面で書きました! 以前から書くチャンスを探っていた案件でした。

企業を含め日本社会がこれだけ女性活躍推進で盛り上がっていて、日経は女性面までつくっていますが、人的余裕のない弊紙では担当記者を置いていません。私は社説やコラムで随時、意識して書いてはいるものの、「各記者の個々の取材に任せるのでよいか」とも思っています。そう、女性の大半を占める文系出身・事務系の管理職については。増えてきた理系出身の若い女性に注目するのも、お任せします。でも! 理系出身の技術系の女性役員は、「私に採り上げさせてください! 他のメディア記者は気づかない観点で迫ります。実際、技術系×女性×役員という視点は、他でほとんど見られないじゃないですか」という思いがあったのです。

記事で紹介したのはここ2,3年の間に就任した4社4人の執行役員です。住友化学の坂田信以(しのい)氏(58)、IHIの水元宣子氏(58)、ブリヂストンの前田裕子氏(55)、キリンの坪井純子氏(53)。ブリヂストン以外はいずれも女性役員は初で、それが技術系というのも製造業ならではで興味深いですね。実はこのうち二人は以前から行き来のあった親しい相手でした。本当はもう一人、計画には入っていて、その人と合わせた計3人は、10数年前からの知人だったのです。だから、「私が書くべき」とずずず、ずいっと前に出ていい状況ですよね(笑)。記事は各人の「これまでのキャリア、転機の大変さをどう乗り越えたか」を中心に書きました。ぜひ読んでください。盛りだくさんの取材でしたのでまだこの先、別の記事も予定しています。

4人は1986年施行の男女雇用機会均等法の対象世代より少し年上です。「私が採り上げます」とこだわったのは、均等法世代の私ゆえ、彼女たちのすごさをよーく分かっているからです。だって、一流企業が採用で「大卒女性は採っていません」とか、「女性は下宿していたらダメ(親元でないから生活が乱れているという前提?!)」と公言していた時代ですからね。「役員だなんてすばらしいです! 『女だからゲタをはいて評価されている』なんて出来の悪い男性陣のやっかみなんか、けちらしてくださいね。あ、そんなこと私がいわなくても、平気の平左のお姉さんばかりでしたね、失礼しました!」という気持ち。リスペクトしているのです。

気になるのは、このあとの均等法世代の女性がどうかということ。バブル期の終わり頃に社会人になったので基本、楽観主義。ただ就職も楽だったせいか甘い面があって、会社を辞めて専業主婦になっている人数もそれなりにいる。なんといっても、女性だけがお茶くみや机拭きをさせられるといった屈辱的な扱いを受けていない。だから、石にかじりついてでもはい上がっていくファイトがあるかというと…? これ、まったくもって自分のことでもあるわけですねえ。以前に比べて、企業人としての女性数は圧倒的に多いはずなので、文系出身者はそれなりに活躍する人が出てくるとは思います。でも、数の少ない理系出身者ではどうでしょうね…。

人はどうしても、自分と近い世代のことにそれ関心を持つもの。分析だって当然、深くできます。といことでこれからも、お姉さんや同期、さらに少し下の妹たちの活躍については、目を離さずにいこうと思います! うーん、今回は「!」の多い、思いのこもったブログになりました~。

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2015年8月 9日 (日)

科学の報道でなく教育だったかも

夏休み、理科教育イベントが花盛りです。「科学技術の記者か、教育(教材、出版や財団)か」というのは、私が研究者志望から、キャリアを転換した時の候補でした。今週末は小中学校の理科の先生が、短時間の試行錯誤で手作りした教材についての発表を聞いて、そのことを思い出しました。

「すごい!!」と思ったのは、紙コップによる顕微鏡製作です。紙コップをひっくり返して真ん中に穴を空け、ガラスビーズをはめ込んだものです。ビーズが凸レンズになって拡大観察できるって…、ホント? と思いました。「レーウェン・フックの顕微鏡ですよ」と指導者はさらり。有名なんだ~。もう一つ紙コップをひっくり返して、プレパラートを置いて輪ゴムで固定し、観察するものを設置。そして「おおっ」と思ったのは、先ほどの紙コップを上に重ねて、2つの重なりを動かすことでピントを合わすということです。なるほど~。実際に食塩の結晶や、ツユクサの気孔が観察できちゃって、「だいたい40倍です」と発表者の先生の談。これなら家庭でも簡単にできそうです。

残念だったのは、私はオブザーバー参加だったので「やらせて、やらせて!!」と飛び込めなかったこと(笑)。気分はすっかり小学生、だったのだけどなあ~。そういえば先日、仕事仲間に「私、お腹が空いたとか眠いとか、寒いとか疲れたとかに弱いの。そういう状態になると、もうすべてを投げ出したくなっちゃう」といったら、「それって社会人としてどうなんですかね」と冷たい目で見られたっけ。やっぱり私、本当のレベルは小学生なのかもしれない…。

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2015年8月 2日 (日)

子ども霞が関デー

先週末は恒例の子ども霞が関デーでした。朝、駅にやたら母子連れが多くて「何だろう? ああ、子どもデーかあ」と気づきました。正直いうと、「税金原資の役所の人間が、これだけ時間やエネルギーを費やして、子どもの相手をすることに、納税者は納得しているのだろうか」と以前から思っていました。もう少し大人に近いと、社会的意識もあるからプラス効果が期待できる。けれど、小学生以下の子などでは「おもしろかった」で終わってしまう可能性がありそうで。でも「子ども」は最強のキーワード。下手なことをいうとこちらに批判が集中する、と口はつぐんでいました。

今年はすこし気持ちが違います。以前のブログで、女子中学生のキャリア教育で話をし、「子どもと接するチャンスが少ないだけに、その機会に新たな気づきや刺激がある」と実感したためです。つまり「子ども」側の効果だけでなく、役所の人間という「大人」側の効果もそれなりにあるだろう、と効果測定の対象を広げてとらえるようになったためです。

さらにもう一つ。帰宅の車内のスマートフォンで、自分のブログをいじっていたら、ランキング上位に「霞が関への行き方、完全版(だったと思う)」が上がっていたのです。これ、子どもデーで来訪する親御さんがチェックしたんでしょう。私のブログの愛読者になってくれる確率は低くとも、「いつも違う」コミュ二ヶーション(ウエブ上でですが)が発生したのは確か。ちょっと意外&嬉しく思いました。

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