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2015年10月

2015年10月25日 (日)

ノーベル賞受賞者の出身と学位取得の大学

「ノーベル賞、知の継承成果-『地方大出身』受賞続く」を2015.10.12付一面で書きました。今年のノーベル賞、大村智北里大学特別栄誉教授は学部が山梨大(教員養成の学芸学部)で、社会人大学院生(修士)が東京理科大で、博士号取得(論文博士)が東大(薬学博士)と東京理科大(理学博士)です。梶田隆章東大宇宙線研究所所長は学部が埼玉大で、大学院修士・博士が東大です。すごいですね、大村先生お一人で4大学のPR効果。さらに女子美術大学の役職経験まであるとか。関連するあちこちの大学が「本学出身のノーベル賞受賞者である△先生は…」と、沸き立っています。

私は地方・中小規模の大学の学生は、研究者なり法曹の人材なり、上の教育を受けてのキャリアを考えた時に、専門性の高い大学へシフトしていくのでいいと思っています。研究にはお金がかかるし、お金の点では効率性も重要だし、研究型大学とそうでない大学があるのいたしかたない、と。今の文科省の「国立大支援の三つの枠組み」が結局、関係者に受け入れられたのは、このような共通認識があるからだと思います。その分、地方・中小規模の大学は、地域で活躍するなど地に足がついた基本的な教育を、しっかりとする。人生は方向転換やらやり直しやらがしやすい柔軟性が大切で、その可能性を下支えする教育を、より重視してほしい。大村先生なんて最初の職業は、夜間高校の教員で、それが研究で経済的にも社会的にも大成功、美術品にも造形深くて「人生、大満喫」。刺激されちゃいますよね~、笑。

このことを、科学技術振興機構(JST)の相澤益男顧問にぶつけて、こんなコメントを掲載しました。「…学歴や職歴などの多様性は創造力の源泉だ。研究型でない大学も、その後の発展の土台となる基礎教育は絶対に負けないーという意識を持ってほしい」と。

自分の主張を、取材先の言葉と重ねて発信できる。新聞記者の醍醐味の一つなのです。

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2015年10月12日 (月)

下村大臣宅への夜回り、ならず

先週はノーベル賞に新大臣とおおわらわでしたが、その話題はもう少し後にして、先に下村前文部科学相のことを書きますね。下村氏が大臣に就任したのは2012年12月。そして私が今の住まいに引っ越したのは2013年2月。そのうえで文部科学省メーン担当になったのが2013年4月。そこから3年弱のおつきあいでした。…っていうほど深くはかかわっていませんでしたけれど。下村氏の得意分野が初等中等教育でしたから。でもね。住まいが近かったんですよ。歩いて10分くらいのところなのです。

引っ越ししてまもなく、近所に慣れるため、公民館みたいなところの地元のお祭りに顔を出して。パンフレットをみて、下村氏が挨拶に来ていたと知ってびっくり。だって本当に小さい公民館のようなところでしたから。「地元重視はこんなに細かいんだ」と驚きました。

その後、ウォーキングをしていて、警備員が立っているのを見かけたとき、「あっ、ここが住まいなんだ」とピンと来ました。警備の人は「この建物のあそこに、下村氏が住んで居るんですよ~」とは教えてくれなかった(笑)けれど、さりげないやりとりで住まいだと確認できました。「ま、関係ないけれど」とその時は思っていました。

それからだいぶたったある時。珍しく、文科省の重要案件をニュースで密かに追うチャンスが出てきました。それで、「よしっ、大臣宅へ夜回りか朝駆けして、最終確認に動くか!!!」ということになったのです。朝の方が待ちの時間は少なくてすみそうだけれど、下村氏は出勤が早いということも聞き出して、「朝、6時に出向くかナ」なんて思案していました。ところが社会的状況から難しくなり結局、見送りとすることに。うーん、残念。近場なので「何回も行って粘っちゃおうかな」と、すっかりその気にになっていたんですけれどね。

これが一番の思い出かなあ~。下村氏側にしてみれば、まったく知らない、関係ない「思い出」になっていますが、笑。今度、お会いするときは「地元の公民館で」かもしれません。

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2015年10月 4日 (日)

内閣改造とノーベル賞が重なる見込みで

だれがコメントを出すのでしょうねえ? 7(水)のノーベル化学賞で日本人が来た場合。だってこの日は内閣改造の日ですから。文部科学大臣が「大変、喜ばしい」なんてコメントを出すのを、辞めることが決まっている下村大臣が最後の仕事としてするのか、新大臣が最初の仕事としてするのか。バトンタッチが微妙なことといったらありません。「天皇陛下の年齢を考えると夜間にお出ましいただくわけにいかず、閣僚の指名と各種の手順は昼の早い時間から進むのではないか」と聞いています。ノーベル財団からの化学賞の発表は18:45ころといわれているのですが、その時点ではだれが大臣なのでしょうか。

明日から3日間のノーベル賞の発表が続き、各日のアンカー記者を決めているのですが、よりによって水曜の化学賞の担当は私。他担当の記者の応援を頼むしかありません。全体に「閣僚の重要ポストは留任の方向」となっているため、五輪不祥事後の文科省トップは、女性閣僚の人選と合わせて注目度が相対的にアップ。官邸でのリレー会見だけでなく、その後の各省庁においての会見も、「文科省だけは夜中に食い込んでも翌日に回さず、実施するのではないか」といったうわさも出ています。

それでも弊社なんてまだよい方かもしれません。文科省のテレビ各社や地方ブロック紙さんは、常駐が1人です。それも「最近、新担当になった」という社がいくつもある。緊張するだろうなあ~。すでに先週末、確認や手配の電話がガンガン行き来していました。いつもは弊社記者同士で、「科技ネタは、テレビはもちろん一般紙も書かない発表を、うちだけが書いているじゃん」とちょっと偉そうな会話をしています。でも、大手はやはり「ここは絶対」となると、科技っぽいネタであろうとなかろうと、すごいですわ~。こちらもがんばらないと。というわけでいつものごとく、踏ん張りサポート飲食物をそろえます。ビタミン剤と、プロポリスと、陶々酒と、そうだ最近、流行のアサイーのスムージーパウダーと、それからそれから…。

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