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2015年11月 8日 (日)

風邪で人生を考えた週末

風邪を引いて3日間、寝たり起きたりの週末でした。ただの風邪、でも今までと違う、というのがこのブログの内容です。それは何か? ジャンジャジャーン(笑)。

このブログでも書いているように、一般的なおしゃべりの場では「私、体力がないんですよ」というのは常々、口にしてきました。でも、社内に対しては「体力がないので、この仕事はとてもできません」という断り方は、意識してしないできました。社会人なのだから。皆、仕事優先でがんばるものだから、って。

とくに2年半前に科学技術部のキャップになった時に、「キャップの仕事はベテラン記者としてすべき仕事とされているのだから、しっかり対応しよう」という覚悟を持ちました。だから風邪を引いても、あまり表に出さないようにしていました。「キャップのくせに、体調管理もできないのか。皆がやっていることなのに、山本はできないんだな」と非難される(面と向かってこんなこというほどヒドイ職場ではないのですが、笑)ことが怖かったのです。夜中に吐いても、朝は1時間遅らせたら起きられたので、出社する。移動中にめまいがあっても、うずくまってそれからよろよろと歩き出せば、文科省クラブに戻れる、という具合です。クラブで席を並べる同僚も、今なら一人しかいないので、自分さえ黙っていればわからないんですよ。今回も社としては、100周年関連でばたばたしている時期でもあり、休みを取ることを逡巡たのですが、風邪で体調不良と明確にして休む選択といたしました。

考えを転換したきかっけは、同僚だった天野伸一さんが今夏に62歳でがんでなくなったことが影響しています。病気が判明してから1年ほど、本人は周囲に何も言わずに仕事をしていました。担当の仕事が好きだから、病気を理由に外されるのは嫌だったというのがあったようです。でも公にしていなかったから、私を含め職場のメンバーは、気を遣ってあげることができなかった。「自宅で仕事をします」というのにも、「勝手ができていいねえ」ではなく、体調不良を思って暖かい目で見てあげられたのに…。「辛いけど、それを表に出さずにがんばる」という姿勢は、美徳だけれど危険でもある。無理をして正解か? 「仕事大好き、現役で亡くなるのが本望」というならいいですよ。でも各自の価値観によって、その判断は異なると思うのです。

すみません、ただの風邪なんですよ、私の場合(笑)。でも、「ベテランならだれもがやっていること、私ができないなんて弱音を吐けない」と自分で自分を追いつめることは、もう止めよう、と思ったのです。申し訳ないです、どうしようもなくて、と開き直ることを選ぼう、と。私の父は突然死で53歳でした。とりたてての要因はなく、かなりのものだった仕事のストレスの影響は無視できないだろうと母とも話したものです。もうすぐ私も誕生日、父の享年にかなり接近となります。だから同僚の件に加えて父のことも思っての、心境の変化。「たかが風邪、されど風邪」で人生を考えた週末でした。

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