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2016年3月

2016年3月27日 (日)

荒れた記者レク

私の担当ではまれな、緊張の記者レクがありました。一通りの説明の後の質疑応答で、「レクの内容にかかわる重要データを公開してもらわないと困る」ということが、怖い記者の口調で繰り返し続きました。最初は2人ほどだったので「特定の記者の反感かな」と思ったのですが、口を挟むのが4人ほどに膨れあがり、女性記者も参入です。事前の状況を把握せずに出席した私は、その場で自分が攻撃されている訳でもないのに、血圧が急上昇するようなオソロシイ場でした。「いったい何があったの?」。後日、情報収集に動きました。内容の具体的なところは伏せますがここに書いてみます。

これ、そもそも記者側も読者も関心の高い案件でした。ところが仕組みがものすごく分かりにくい。分かりにくいのに、世間の耳目を集める、もっとも扱いの難しいものです。そのため事前の資料配付も段階で、各社の記者が「こんな話を出すというのに、△のデータが出ていないなんて、おかしいじゃないか」と問題視です。そこで「△のデータを出して」とかけあうも、発表する担当部署の対応がよくなくて、出てこない。間に立つ仲介者も心配して、「これは絶対、説明責任で追及されますから、用意した方がいいですよ」と2回も声をかけたけれど、ダメだった。それで、記者側が「厳しい態度で臨むべし」と団結した状況でした。

確かにそのデータは、微妙なものではありました。「A高校では学年全生徒を対象に、教員側が基準を明らかにしないまま、勝手な評点を付けた。それがばばーんと個人名を掲げて、正門前に張り出された」みたいなものでしたから。評点を付けた担当者が「個人の評点は公開しない」と当初、考えたのは、それなりに理があると私は思いました。でも。メディアとの間のコミュニケーションに、失敗しちゃったんですねえ…。レクの後、データの一覧表がメールで各社に通知されました。それを受けての各社の記事は様々。最初の担当部署が提供したデータで抑えた社もあれば、最終的に公開されたデータを載せた社もありました。記事の反響もかなりのものになりました。

「A高校で初めて行われた特殊な評価は、高校側の最初の意図とは違うものの、公開せざるを得ないものとなってしまいました」として、その後の周囲の反応も例えてみますと…。成績がうんと悪かった生徒は、実際以上にヒドイと誤解した親やら塾の先生やらに攻められて、泣くに泣けない状態です。ちょっと点数の悪かった別の生徒に「何がよくなかったのでしょうね」と山本さんが尋ねると、「△の件がよくなかったのかなあ、と思うんだけど。なんでだったか僕もわからない。山本さん、教えて」と返ってきました。隣のB高校の学年主任の先生は「各生徒ががんばっているところに、あんな基準のわからない評点を付けるなんて、A高校はやっぱり3流だな」と非難しています。C高校の元校長も、開いた口がふさがらないといっていたそうです。そしてA高校では校長が、教育委員会に呼ばれてお小言をいただいた、との話が耳に入ってきました…。

レクが今回、荒れた要因は、メディアとレク担当部署の間のコミュニケーションのトラブルといえるでしょうか。担当部署は、「通常は関係機関に対して強気が通る」殿様的な部署なんですよ。メディアに対してもその姿勢でいこうとしていた様子が、端々からうかがえます。たとえ「データは出せない」としても、なぜダメなのか根気強く説明をするとか、「これはダメだけどこの形でならどうか」とレクの前に代案を出すとか、努力が必要だったのに。分かりにくい上に、世間の注目が高い案件を抱えた、重要な部署であるからこそ、姿勢を低くする意識を忘れてはいけない。今回のトラブルを経て、A高校がいい高校になることを祈っています。

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2016年3月20日 (日)

トラブルにさらっと謝り、淡々と対応する

相手と意見がぶつかった時に、どう対応するかというのは公私を問わず、永遠の課題の一つではないでしょうか。この週末、とあるサービスの店舗でこれに直面しました。私がクレームをいう方です。「以前、窓口で△だといわれて、仕方がないからここまで待っていたのに、今度は○だなんておかしい! 説明がなかったのに、どうして解約金が取られるの」とむっとして、けっこうきつめの言い方をしてしまいました。その時、自分で「ああ私、エキサイトしてるな」と思う一方、「たいした解約金でないからと自分に言い聞かせて、苦情をいわずに泣き寝入りする」のと、「頭に血が上ってストレスが強くなってもいいから、言うべきことは言う」のとどちらがいいかな、やっぱりその中間でいくのがいいんだろうな、と考えている私がいました。ところが。

驚いたのは相手方が皆、きわめて冷静なことでした。担当者はかなり若い人でしたが別にうろたえることはありません。さりげなく担当が中堅に変わります。ほかの窓口業務の人もまったく動じていません。なぜ?? そして気づきました。「相手方は皆、こういうトラブルに慣れているんだ」と。この業界はクレームが多いって聞いていますから。そして、「相手が怒っていても、自分自身がとんでもないミスをしたわけでないのなら、売り言葉に買い言葉で返すことも、卑屈に謝り続けることも必要ないとしているのではないか」と考えました。そうしたら急にこちらも冷静になって。「それではまず、こう主張して、だめならAの方策を採って、それでもだめなら、【初めての消費庁】で窓口相談に電話して、考えることにしよう」と対策をまとめることができました。幸い、店舗の担当者が本部らしきところとやりとりをして無事、解決。解約金を払わずに【お別れ】することができました。

実はですね、仕事においてもこの3カ月の間に2回ほど、電話口でエキサイトしてしまうシーンがありました。記者クラブ内の他社ブースでも時々、耳にするものですが、私自身としては今までになかったことなので「大丈夫かな、私」。周囲には迷惑なことであり、職場環境を悪くするのはいけないと思いつつも…。それだけに今回のプラべートでの事例から学ぶところは大です。「相手とぶつかってもおおごとでないのなら、反撃もせず、過度に詫びることもせず。さらっと謝るにとどめ、淡々とトラブル処理の手立てを考え、対応する」。うん、しばらくはこれでやってみたいと思います。

そうそう腰痛ですが、おかげさまで回復しました。「イタタ」は1週間、なんとなく腰が重い(腰が疲れているってこういうことなんだ~、と腑に落ちました)のがもう1週間、という具合でした。なんだかプライベートの話題が続いていますが(笑)、近く「荒れた記者レク」を執筆すべく思案しています。暴露ものにならないよう、ぼかしつつ、の予定です。私が攻撃されたわけではないのに、同席で他社の記者の攻撃を聞いているだけで、今回のように頭に血が上ってしまったそれはそれは、怖ろしいレクの話を…。

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2016年3月13日 (日)

理工系人材育成の円卓会議、なかなかの踏み込み方

「学生と大学 雇用契約 産学官円卓会議が行動計画」を2016.2.22付の記事で掲載しました。経済産業省と文部科学省による「理工系人材育成に関する産学官円卓会議」が、これまでの議論をまとめ、年度またいでになりそうですが産、学、官それぞれがすべき「行動計画」を出すことになっており、その骨子を記事で採り上げました。この件、なかなかの内容です。博士人材/修士・学部卒/理科教育という3本柱で、各段階の理工系の人材育成の課題をどう解決するか、となっています。

まず博士人材は、産学共同研究に参加することが、社会・産業ニーズを理解し、社会で活躍する博士につながるとして、これを促します。この時、大学と共同研究の契約を結ぶ企業側は、秘密保持が気になります。教員なら、大学と雇用関係があるので、秘密保持契約を大学-教員間で結び、シッカリ守ることができるけれど、「学生は本当に大丈夫?」と思うわけです。そこでまず、企業は共同研究費を通常より多く提供し、これを原資に大学が博士学生と雇用契約を結び、給与を払う形とし、同時に秘密保持契約を、大学ー博士学生間で結ぶという手法になるそうです。最初、聞いたとき「学生の雇用契約って、企業と学生が結ぶの? そんなことできるの?」と思ったのですが、この形だとリサーチアシスタントと同様と知り、「なるほど、それなら可能なんだ」と理解しました。

続いて修士・学部卒は、産業界が求めるスキルが、業種や職種によって異なるので、それを明らかにして大学で学ぶ内容とのずれを修正することを図ります。例えば材料メーカーは、ナノテクノロジーなど先端的な知識を求めるけれど、電機・機械メーカーだと最先端というより、機械力学、流体工学など基本的な知識を重視するという違いがあるそうです。ITは業種によらず広く、「基礎は身に付けておいてほしい」とのニーズがあるのに、大学の学びはどの分野でも…とはなっていない。そのため、「機械力学とIT基礎は学んでおくこと」など業種・職種別に産業界がニーズを明示し、「それを学んできたかどうか」「成績はAなのかCなのか」を採用時に確認する、という内容です。現状の就活では、成績はほとんどみられていないので(気にするのは、学校推薦を得る時くらいかな?)だけに、「採用でリードするとなると、学生の学びも真剣になるだろうなあ」と思いました。

この件、「報告がまとまってからにしようかな」と思って、ブログで書きそびれていました。そうしたら、この会議関係者に「ブログ、読んでいますよ」といわれたので、日和見の対応です(笑)。もともと、いいなと思っていた案件なので、これはいいとして、先ほど気づきました。その人は「ブログがアップされたら、アラートで気づくようにしていて、みています」といっていたことを。私、ブログの下書きの保存法がわからなくて、書きながら1段落ごとくらいで、「保存」のボタンを押しているのです。「書きかけでちょっと変でも、アップされたその瞬間に目を通す人はいないだろう」って思って。それではまずいってことではないでしょうか!? このブログを書いている間だって、5分ごとにアラートが入っていて「うっとおしいな」と思われているのかも…。申し訳ない。今度、アラートシステムを使っている人に確認して、対応を考えてみます。

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2016年3月 5日 (土)

初めての腰痛

【初めてのお使い】は幼児のかわいらしいイベントですが、かわいくもなんともない【初めての腰痛】を経験しました。要因、不明。腰痛って持病になって苦しんでいる人が周囲にもいて、びびります。「僕は1週間、まったく動けず寝込んで、次の一週間は寝たきりで歩けなくなったことを取り返すリハビリで終わった」なんて話まで聞きました。「1週間、休むなんてなったら、ええと、今の仕事スケジュールならどうかしらん」と焦ってしまいました。

情報収集は本「家庭の医学」と、健保の電話健康相談と、知人アドバイスで動きます。ウエブ情報は玉石混交なので後まわし。そうするうちに要因にも思い当たりました。週末、苦手の自転車(子どもの頃、あまり乗らなかったので、片手運転が未だにできない)で久々(冬は寒いから)に乗って、それが片道1時間と無理をして(捨てて帰るわけにもいかない)しまって。すさまじく疲れたのです。思うにサドルが低いのが悪かった。普通はペダルを踏み込んでちょうどくらいの少し高めに設定すると知っていたのですが、私は止まったとき足がしっかり地面に付く高さにしていたのです。そのためこいでいる間に、膝が腿の付け根より上に来てしまい、腰に来たというわけです。多分。

そうなんだ~、分かってしまえば怖くはありません。次からは自転車の変な乗り方をしなければいいだけです。電話相談でも「筋肉痛ですから」といわれ、就寝時の姿勢など工夫をするも、たぶん改善していくだろうと思っているところです。来週のブログで「直りました」と報告できることを祈りつつ。

周囲から助言をもらう中で、分かったことは、「私は腰が強い」ということ。腰に強弱があるとは知らなかったんですよ。でも、確かに30歳代から腰痛だという人もいるので、そういう人は腰が弱い人。胃痛とか頭痛とか、私の弱みばかりに目がいっていましたが、強みを発見です。他の人の指摘で、自分が分かっていなかったことに気づく。そんな心の柔軟性は仕事の上でも大事にしていかなくてはなりませんね。

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